ITエンジニアになるための就活法を徹底解説!

ITエンジニアになりたい学生がまず最初にやるべき就活対策とは

堀切 彩夏

堀切 彩夏

新卒採用責任者/ボールド歴3年/新卒5期生

今では小中学生の『なりたい職業ランキング』にもランクインするほど市民権を得た“ITエンジニア”という職業ですが、「どうすればなれるのか」「どんなキャリアがあるのか」という部分を正しく理解できている就活生はあまり多くありません。

本稿では、特にこれから新卒で就活をする学生に向けて就活という観点で見るIT業界はどんな業界なのか、ITエンジニアになるための就活はどんなもの今日から何ができるのか、という部分を解説していきます。

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1.ITエンジニアは文系の学生でも目指せる職業

結論から申し上げると、ITエンジニアは理系でも文系でも、それこそプログラミング未経験だったとしても目指せる職業です。かつては理系・専門職・狭き門といった敷居が高いイメージがありましたが、今や下記のような理由から、非常に入口の広い業界となっています。

1-1.労働人口の減少

そもそもこれからの日本社会は、

  1. 加速度的な人口減少
  2. 高齢化の進行

という2点の社会課題に悩まされることになります。現時点で12000万人の人口とそのうち3割を占める高齢者という構図は、皆さんが定年を迎える2060年頃には<人口9000万人・高齢者人口4>という異常な状態にまで変化します。

すなわち、今後の日本は労働人口、いわゆる働き手の人たちが絶対的に減少し、あらゆる産業・業界において、人手不足という問題に悩まされることになります。

1-2.ITへの需要の拡大

中でもIT業界は、その需要の拡大により致命的な人材不足が予測されている業界です。

経済産業省の調査によれば、現状でも30万人程人材が足りていないといわれるIT業界では、10年後の2030年には中位シナリオ(順当にいけば予想される展開)で59万人、高位シナリオ(最悪の事態)で79万人、人材が不足するといわれています。

補足として、2030年に市場に存在する人口は85万人程度と予測されています。つまり、最悪の事態が起こると業界の人材供給率が55%程度まで落ち込む、ということが統計的に予想されているわけです。

IT人材の不足規模に関する予測

引用:IT 人材需給に関する調査 

この絶望的なまでもの人手不足が更に拍車をかけ、いまではIT業界は空前の売り手市場となっています。IT業界に入ることだけに限って言えば、実はそこまで難易度は高くないのです。

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2.就活生の立場から見るIT業界

とはいえ実はこの業界には、他の業界にはない特殊な部分もあります。

特に就活生の人に気を付けてほしいポイントを解説していきましょう。

2-1.経団連のスケジュールとは無縁?

ここ3年ほど、就活といえば「3月に説明会が始まり、6月に内定出しが解禁される」というスケジュールから変わっていません。ですので、まだ始めなくてもいいかな、周りと同じタイミングで始めようかな、と考えている人も多いかもしれませんが、実はこのスケジュールはIT業界にはほとんど関係ありません。

というのも、IT企業のほとんどは「新経済連盟」という経団連とは別の団体に加入しています。つまり、経団連が通達する就活スケジュールに従う必要はなく、早期から採用活動を始めている会社が大手・中小・ベンチャー問わず多数存在します。

もしIT業界への就職を検討しているのであれば、なるべく早めに就活をスタートしましょう。でないと、「応募したかったのにすでにエントリーが締め切られていた」という事態になりかねません。

2-2.軸の置き方の難しさ

さらに、一口に“職種:ITエンジニア”といっても、企業タイプにより目指せるビジョンは様々です。新卒で就活する場合、まずは自分のキャリアの軸を【収入/社会貢献/自分の市場価値】のどれに置くか、ということを考えましょう。何を重視して会社を選ぶか、によって選ぶべき企業は異なります。

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2-2-1.とにかくお金がほしい人

まず何よりも収入が大切、とにかくお金がほしい、という人は外資系のITコンサルティングファームを選びましょう。週100時間レベルの労働、実力がなければ速攻でクビ、という非常に過酷な労働環境ですが、成果を出せば20代で年収1000万円も夢ではありません。地頭に自信があり、周りが優秀な環境で若いうちからハイレベルな仕事がしたい、という人にはお勧めです。
※例:アクセンチュア、PwC等

2-2-2.社会に広く関わることをしたい人

自分の携わったシステムで世の中を広く支えることに興味がある、という人は大手SIerを選びましょう。顧客(他の大手企業や省庁など)のシステムを作って利益を上げるこのタイプの企業では、例えば銀行のネットバンキングや地下鉄の改札のシステムを始めとする、世の中を動かしている基幹システムの案件に関わることができるので、社会を支えている実感が持ちやすいです。

ただし大手SIerで重要視されるのはプログラミングスキルではなく、顧客企業の知識や顧客折衝(調整・管理といった、結節点=ハブとしての立ち回り)です。そのため入社して数年もたつと、プログラムを書くことはなくなります。ITエンジニアとして確固とした技術力をつけたい、という人には向かないかもしれません。
※例:NTTデータ、日立製作所等

2-2-3.自分の市場価値をなるべく高めたい人

コツコツ努力を積み重ねることに抵抗がなく、自分の価値を高めるキャリアを選びたい、という人にお勧めなのは、客先常駐(SES)という形態で働く企業です。誤解されがちですが、実は自分のスキルを軸に置いたときに、客先常駐のメリットは沢山あります。

自社以外の案件に幅広く関われるので、自分自身の知見や技術力を俯瞰して高める機会が多くありますし、何よりプロジェクトが豊富でスキルアップにキャップがはまらないので、年次や経歴に縛られず、実力次第でスキルアップしていくことができます。

※客先常駐のメリットについて詳しく知りたい人は下記を参照

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ただし、このタイプの企業の非常に難しいポイントは“会社選び”にあります。企業が無数に存在するので、その中から良い会社を見つける難易度もかなり高めです。

※企業選びのポイントは、下記の記事で詳しく解説されています。ぜひこちらを参照してください。

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2-2-4.Web系を選ぶ場合は慎重に

いわゆる「ITベンチャー企業」を想像したときに出てくる企業はだいたいここに該当すると言えるでしょう。挑戦的な事業を展開している企業が多く、就活生の人気も高い企業群ですが、実は企業ごとに慎重な比較が必要で、最も選び方が難しいのはWeb系企業です。

この種の企業は基本的に「超少数精鋭の集団」である場合が多いです。ユーザーや市場の反応をプロダクトに最速で落とし込めるよう「アジャイル開発」という最小限の人数で構成される現場がほとんどです。そのため、技術力さえ身についていればなんとかなる、というわけではありません。スピード感を持ち、事業・競合の状況を把握し、戦略レベルで業務を俯瞰し続ける能力が常に求められます。さらに要求されるスキルレンジの高さに反し、年収テーブルはSIer系の企業に比べ100万ほど低くなっています。

Web系企業を選ぶ際には、理念や事業の目指すビジョンに心から共感し、周りのレベルが高く競合の多い環境下でも、自分自身が主体となってその実現を進めたい、と思えるような企業であるべきです。理念の浸透性、事業の優位性、自分のビジョンとの近似性など、「自分自身の価値観と企業の方向性が一致しているか」という部分を徹底的に比較し、慎重に企業を選びましょう。

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3.明日からでもできる、ITエンジニアを目指してやるべきこと

ここまで見てきたように、IT業界での就活は他の業界と比べて少し特殊です。

有意義な就活にするためにも、今からやれることはなるべく押さえておく必要があります。

3-1.就活に向けての情報収集

企業を選ぶためだけでなく、自分自身のビジョンを深堀りするためにも、当然にして情報収集は不可欠です。とはいえ最近では、マイナビのような総合型のナビサイトからITエンジニアに特化したものまで、多種多様な媒体が存在します。さらには就活エージェントのようなサポートや大学のキャリアセンターなど、取れる選択肢が多すぎて何から手を付けていいかわからない、という人もいるでしょう。まずは下記を参考にしながら情報収集を始め、自分の価値観を知り、就活の方向性を決めていきましょう。

3-1-1.未経験・軸が決まっていない人はエージェントやDR型媒体がおすすめ

就活を始めよう!と思い立って大型ナビサイトに登録し、あまりの情報量の多さに一瞬で挫折した、という人もいるのではないでしょうか。(一応、筆者も3年半前にはその一人でした)

マイナビのようなナビサイトにはありとあらゆる情報が集約されてしまうので、「これから就活を始めよう」という人が使うには少し使い勝手が悪いです。そういう人におすすめなのが就活エージェントです。

メンターのような形で(正式にはCA、キャリアアドバイザーと呼ばれる人たちです)自分の自己分析の深堀りや向き不向きの選別をし、それにあった企業や業種を紹介してさらには選考のサポートまで行ってくれる、というサービスです。このようなサービスを行っている企業は、紹介料という企業におすすめした学生がその企業の選考を通過し、内定承諾した際に支払われる料金が売り上げになっているので、基本的に就活生は無料でサービスを受けることができます。

大学のキャリアセンターでも似たように、おすすめの求人を紹介してもらえたり就活相談に乗ってもらうことはできますが、上記のような形で金銭の授受が発生する分エージェントの方がより真剣に向き合ってくれる、と考えてよいでしょう。

また、最近ではOfferBoxのようなDR(ダイレクトリクルーティング)型の媒体も増えてきました。いわゆる逆求人といわれるこのようなサービスでは、基本的に自分のプロフィールや自己PR、志望職種を登録しておけば、人事がそれを見て「うちの選考に参加しませんか」といったオファーを送ってくれます。自力ではなかなか巡り合えなかった企業とも接点を持つことができるほか、企業によっては特別選考ルートへの招待も送ってくれるので、最低1つは登録しておいて損はありません。

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3-1-2.軸が決まっている人はナビサイトを

すでに自分自身の企業選びの軸や企業に求めるものが決まっていて、あとは企業同士を比較して取捨選択するだけ、という人は、ナビサイトを使う方が楽な場合もあります。例えば「30歳までにPMになりたいのでそういうキャリアを叶えられる企業」だとか、「初任給は○○円以上で5年目までに△△円にたどり着きたい」だとか、要は「この条件を下回る/満たさない企業は要らない」というところまで掘り下げが済んでいる場合は、多くの企業を見て回らなくともその条件を満たす会社同士を比較すればよいだけなので、時間の節約にもなるのです。

だいたいの企業がマイナビもしくはリクナビのどちらかには求人を掲載しているので、基本的にこの2つに登録しておけば漏れは出ないと考えて良いです。しかしこれらの大型ナビサイトは基本的に業界も職種もすべて網羅しているので、なかなか思うような条件で絞込がかからず(要は検索に引っかかりすぎてしまったりなど)使い勝手があまりよくない場合もあります。その場合はIT業界に特化したナビサイトに新しく登録してもよいでしょう。

3-2.プログラミングや資格取得への学習

未経験歓迎、という求人であっても当然自分で勉強を進めることは必須です。

未経験なら未経験なりに、意欲をアピールすることが大切なのです。同じような学歴、同じような実績、コミュニケーションもどちらも問題なし、という候補者が目の前に2名いたとき、自分で学習を進めている人となにもしていない人だったら、当然人事が採用したいと思うのは前者の候補者でしょう。経験者はもちろん、文系未経験であっても、就活を意識した段階からITに関するスキルや知見を蓄積するための取り組みを始めましょう。

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3-2-1.ITパスポートは文理共に必須

資格取得の有用性について、というのは業界でも推奨派と否定派(資格じゃなくてプログラミングに時間を使った方が有意義だよ、という派閥)に分かれやすい部分ですが、新卒就活生に関しては資格は取るべきです。簡単にイメージしてもらいやすい例えを出すと、資格は水戸黄門が掲げる印篭のようなものです。要は費やした時間と努力を明確に可視化できるものが資格なのです。ある資格に合格するために必要な知識や知見、その習熟度や難易度、費やすべきだいたいの時間数、というものは、ほぼすべての資格で共通認識として明確にされています。「Javaができるよ」という人と「JavaSilverの資格持ってるよ」という人、第三者が見てスキルや経験、知識がわかりやすいのは、当然後者の方でしょう。

新卒の就活生であれば、目指すべきはITパスポート基本情報技術者試験(FE)への合格です。

エンジニアを志して就活するのであれば、ITパスポートはなるべく早めに合格しましょう。非技術者側の人材(人事や営業など)でもこの業界で働くなら取得すべき、といわれている最低限の資格です。テクノロジ、マネジメント、ストラテジの3分野から出題され、1000点満点中600点で合格となります。実務に直結、というよりは1企業でサラリーマンとして働くなら知っておいて損はない(というより知っておくべき)という分野の問題も出題されます。

FEについては、出題範囲はITパスポートの3分野をそれぞれより深く掘り下げた範囲、といった形で特に斜め上の変化球な知識を問われるわけではないのですが、「午後問題」といわれる記述問題が出題されるのが非常に厄介です。ITパスポート以上に綿密な対策が必要になります。

ただし、情報系の上位層に特化して採用を行うとある大手SIer等には、FEに合格することが入社の前提条件、という企業もあるくらいです。文系未経験であっても入社まで、もしくは入社するタイミングの春季試験の合格を目指してよいでしょう。

ITパスポート、基本情報技術者試験(FE)については下記記事を参考にしてください。

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3-2-2.無料のプログラミング学習サイトを活用すべし

プログラミングについても取り組みましょう。理系・経験者の人は成果物やポートフォリオを準備しておくことで、企業側に自分自身の技術力を詳細に伝えることができます。

また、文系や未経験の人であってもプログラミング学習に取り組むことは必須です。「なんとなくITエンジニアに憧れて就職したけど、入社して業務にあたってみたら全然面白くなかった…」とか「エージェントにコツコツ頑張れる人だからと進められてITエンジニアになったけど、プログラミングは向いていないらしいと入社後に気づいた」などということになってしまっては元も子もありません。プログラミング、というとだいたいの人はドラマやアニメで見るようなカッコいいイメージを持っていますが、実際行ってみると結構地道なものだと気づくでしょう。向き不向きを判断する意味でも、未経験であってもプログラミングに触れておきましょう。

最近ではProgateのような無料でプログラミングが学べるサービスもあります。知識がないので専門用語バリバリの書籍はとっつきづらい、でもお金をかけてスクールに通うのも抵抗感がある、という人は、まずは無料のサービスを使って自分の適性を判断してみましょう。

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4.さいごに

ここまでITエンジニアを目指した就活について解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?

いずれにせよ大切なのは、“自分から行動を起こすこと”です。

就活全体が早期化しているので、なんとなく周りが始めているので、という理由だったとしても早期に活動を始める学生が増えてきているのはとても良い傾向ですが、ただ流されるままに活動するのではなく、確固とした自分の軸を持ち、情報収集を集め、行動に移すことで、より自分のなりたい・やりたいも明確化することができます。

理想通りの進路決定ができるよう、皆さんの就活を応援しています。

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