基本情報技術者試験について徹底解説

SEの登竜門!IT業界定番の国家資格「基本情報技術者試験」とは

折乃 杏

折乃 杏

インフラエンジニア/ヘルプデスク(COBOLも経験あり)/ボールド歴3年

新人の頃「基本情報技術者試験は受けてください」と、取ってあたりまえだから、くらいの勢いで言われたことを覚えています。 ベンダー資格と違って、問題の中に出てくる用語をそのまま使う機会も少なく、これ、ほんとに役に立つのだろうかと、かなり渋々勉強しましたが、その後じわりじわりと(笑)あの時勉強しておいてよかったなぁと思うことが増えてきました。

この試験のための勉強は、即効性はありませんが必ず役立ちます。なぜかといいますと、特定のOSや機種・ソフトに限定されない汎用的な知識が身につき、さらに新しい用語も取り入れられるため、常に時代の変化にも対応できる試験であるからです。

それでは、IT業界定番の国家資格「基本情報処理技術者」とは、どのような試験なのか解説していきましょう。


1.基本情報技術者試験とは

基本情報技術者試験は、IPA(情報処理推進機構)が試験を実施している情報処理技術者試験の一試験区分であり、「情報処理の促進に関する法律」に基づく国家試験です。(取得後に、更新のための講座を受講したり、試験を受ける必要はありません)

対象者として、「高度 IT 人材となるために必要な基本的知識・技能をもち,実践的な活用能力を身に付けた者」と、あります。 ざっくり言いますと「IT業界で働くなら、ここは理解しておいてね」という内容の試験で、ハードウェア、ソフトウェアの基本的な仕組みや動作、プログラミング、そして会社運営に関わる法律や経営全般に関わる内容が出題されます。

IPAの情報処理技術者試験の中では下記のような位置付けとなっています。

現行の試験制度

出展:IPA 現行の試験制度(平成29年度春期から)(https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/seido_gaiyo.html

2000年度まで試験の名称が「第二種情報処理技術者試験」であったことから、「二種」という略称を使用する人もいますし、1969年から実施されていますので「親子三代で持ってます」という方もおられました。

余談ですが、午後問題が記述式からマークシート方式に変更されたのは1994年の秋期試験からですので、「二種」の時代に受験した、ほとんどの人は、プログラムの命令文を手書きで回答していました。(選択肢無し)受験者も大変でしたが、採点する側も大変だったのではないかと思います。

そして2020年からコロナ対策としてCBT方式での受験となりました。それによって「基本情報の午前の問題」といっても、受験した時間によっては「昨日の午後に午前の問題やってきた」と、妙な表現になってしまいますが、20234月に受験可能期間の改定とともに、この「午前」「午後」も「科目A」「科目B」と表記が変わる予定です。

■現行制度(2022年5月現在)

現行制度

(「午前試験」「午後試験」はCBT方式の試験が開始される前の名残で、試験の時間帯を指すものではありません)

■2023/4以降(予定)

2023年からの制度(予定)

ちなみに、資格を取得し10年以上の実務経験があれば、問題作成側となる「試験委員」に応募することも可能です。(不定期で募集しています)

【IPA 委員会の構成】

https://www.jitec.ipa.go.jp/1_12sosiki/iinkai_kousei.html

1-1.試験要項と配点割合

「午前」「午後」の問題内容と、各問題の配点割合は以下のとおりです。

試験要項と配点割合

「午前」「午後」の両方とも、60/100点以上を取得しなければ合格できません。(「午前」「午後」はCBT試験が開始される前の名残で、試験の時間帯を指すものではありません)現在「午後」のソフトウェア開発で選択できる言語は、CJavaPython、アセンブラ言語、表計算ソフトの5つです。対象の言語はIPAの試験要綱・シラバスに掲載されています。

【IPA 試験要綱・シラバスなど】

https://www.jitec.ipa.go.jp/1_04hanni_sukiru/_index_hanni_skill.html

1-2.午前免除制度

基本情報技術者試験には午前試験を免除する制度があります。情報処理推進機構(IPA)の認定講座を受講し修了試験に合格すると、午前試験合格と同等とみなされ試験が免除されます。(免除期間は修了を認められた時点から1年間です)対象となる講座は日本全国で開講されており、資格試験の専門学校だけでなく、企業や大学なども認定されています。

【IPA 認定免除対象科目履修講座一覧】

https://www.jitec.ipa.go.jp/1_80tokurei/koza_ichiran.pdf


2.取得するメリット

「午前」問題に基礎知識、「午後」にプログラミングに関する問題が出題されるため、取得していると開発言語についてもある程度わかっていることがアピールできます。それに、試験の中で問われることはIT業界で働く人には是非覚えておいていただきたい基礎知識です。

今後の仕事のなかで、次に何か新しいことを覚えるときに必ず役に立ちますし、基礎の有る無しで、インフラ構築に進もうが、プログラマーになろうが、あらゆる面で差が出ます。基礎という土台があってこその応用技術です。 また、ベンダー資格は「その試験を実施している企業独自の知識」と、限定されたものとなってしまいますが、基本情報は汎用的な知識を問う内容となっています。資格の有効期限もありませんので生涯履歴書に記載できます。

私は何の因果か「基本情報」と「二種」の時代に、それぞれ受験して合格しています。

「二種」の時は新卒入社時だったので「ナニコレ。食べたらウマいのか」状態でしたし、どうにも実感がわきませんでした。基礎が大切、と言われても、実践で得た知識にはかなわないと思う気持ちもありました。正直、いまでも仕事をしていて10進数を2進数に変換して何かしたことはありませんし、システムの直列だの並列だの考えても、ベテラン勢の「人の連携で障害を乗り切る」という奥義(笑)には、かなわなかったりもします。

しかし、車の運転でもそうですが、アクセルやブレーキが何の役割をするのか、知っているのかいないのかでは雲泥の差があるように、基本情報で出題される「そもそもコンピュータっていうのはね」という知識が有る無しでは、事象の見方や対処方法が変わってきます。単純な例をあげますと、何か印刷をした時に必ず文字化けしてしまう場合、プリンタドライバの選択しなおしや設定変更、あるいは入れなおし、という対処をされることがあると思いますが、このプリンタドライバは何故必要なのでしょうか?

プリンタは基本情報定番解説「コンピュータの5大装置」の中で「出力装置(プリンタ、ディスプレイなど)」という説明で登場します。

出力装置は、CPU(制御装置+演算装置)からの命令を受け取ってデータを出力します。ですので、文字化けの場合「出力命令は出ている」ということになります。

データは問題ない、プリンタ本体も故障していない、あとは何が?ということになりますが、ここで、プリンタに出力されるしくみにプラスして、「デバイスドライバの役割」の知識が活かされるわけです。デバイスドライバはコンピュータとデバイス(上記の場合はプリンタ)の間の通訳のような存在のソフトウェアですが、これの存在と役割を知っていれば、「ドライバの設定を見直そう」「バージョンが古いのかも」という対処方法を思いつくことができます。

後々PCをリカバリした時にも「必要なドライバはインストールされているか」という発想に至るかどうか(=リカバリ後に印刷できる状態に戻せるかどうか)という違いが出るということです。 感覚的に「これをやればいい」とわかっていたとしても、その理由や付随する知識がわかれば、他にも応用することができます。この試験のための学習をすることにより、このような大事な基礎部分を覚えられることが大きなメリットです。


3.試験の評価・難易度

現在は年2回(春、秋)の約60日間試験が実施され、年間約5万人が受験しています。合格率は、おおよそ2030%という試験です。ITパスポートや、セキュリティマネジメントが「ITを利活用する者」を対象とした試験であることに対し、「基本」とついてはいますが、その名のとおり情報処理技術者向けの試験です。企業内では、昇進、昇給、報奨金の対象となっている場合が多く、IT企業への就職時にも「取得するメリット」であげたような理由で評価、人気ともに高い資格です。

3-1.初心者はITパスポートから

プログラミング経験もなく、ITに関する知識もいまひとつ、という初心者の場合は、いきなり基本情報技術者試験(以下、基本情報)を受験するのではなく、まずはITパスポートにチャレンジすることをお勧めします。

ITパスポート試験は申し込みも随時受け付けられており、出題範囲も基本情報の「午前」問題と、ほぼ同じです。

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3-2.学習期間の目安は3カ月

初心者の方の場合は前述のように、ITパスポートを取得後に基本情報の学習を開始されることをお勧めします。基本情報の「午前」問題と範囲はほぼ同じで、設問も若干やさしく記述されていますので、学習しやすいと思われます。

経験者の方は、自分が「午前」「午後」のどちらの問題が不得意なのかを見極めて、その補強に時間をかけてください。(「午前」「午後」はCBT試験が開始される前の名残ですので、昔はこの問題を午前中にやってたんだな、プログラムは午後だったのか~、くらいに思ってください)

「午前」問題が苦手な場合は、以下の3点を心掛けて学習してください。

  1. 参考書は、数回流し読みをし、苦手な部分を再度じっくり読む。
  2. 過去問を解き、苦手な部分を確認する。解説は必ず読む。
  3. 法務、経営、経営戦略などに関する用語は、覚えていなければ答えられないので必ず覚える。

「午後」問題が苦手、あるいはまったくの初心者です、という場合は、もう12カ月プラスして学習計画を立てましょう。

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4.基本情報技術者試験の内容

では、試験内容を見てみましょう。試験は「午前」「午後」にわかれており、両方とも、60/100点以上を取得しなければ合格できません。試験時間は、それぞれ150分です。

■「午前」問題

80問出題され全問に解答します。各分野からほぼ決まった問題数が出題されます。

テクノロジ系(50問前後)

コンピュータの構成、セキリュティ、ネットワーク、データベースなどのIT技術関連知識です。

  • 基礎理論
  • アルゴリズムとプログラミング
  • コンピュータ構成要素
  • システム構成要素
  • ソフトウェア
  • ハードウェア
  • ヒューマンインタフェース
  • マルチメディア
  • データベース
  • ネットワーク
  • セキュリティ
  • システム開発技術
  • ソフトウェア開発管理技術

マネジメント系(10問前後)

開発の流れ、プロジェクト管理方法、システム監査など、プロジェクトマネジメントに関する知識です。

  • プロジェクトマネジメント
  • サービスマネジメント
  • システム監査

ストラテジ系(20問前後)

企業活動、法務、経営、システム戦略、マーケティングなど、経営全般に関する知識です。

  • 企業活動
  • 法務
  • 経営戦略マネジメント
  • 技術戦略マネジメント
  • ビジネスインダストリ
  • システム戦略
  • システム企画

■「午後」問題

長文形式の問題(一問に設問が複数)が計11問出題され、その中から5問に解答します。

毎年新しい用語が問題に追加されますので、IT系のニュースサイトなども軽くチェックしておくと役立ちます。また、CBT試験の開始によりIPAサイトにて2020年以降の過去問題は非公開となりましたので、立ち読みでもいいので(本屋さん、すみません)新しい版の問題集を読んでください。プログラミングはCJavaPython、アセンブラ言語、表計算ソフトの中から一つ選択して回答しますので、自分が選択した言語の問題集や参考書を手に入れてください。

IPAのサンプル問題は以下からダウンロードできます。

【IPA 公開資料 ○「基本情報技術者試験 科目B試験のサンプル問題」PDF形式】

https://www.jitec.ipa.go.jp/1_00topic/topic_20220425.html


5.申込みから合格・認定まで

受験申し込みはプロメトリック社サイトから行います。インターネット申込のみです。

身体的な事情によりCBT方式では受験できない方のために年2回筆記方式の試験(特別措置試験)も実施されています。また、プロメトリック社の試験会場には、車いすや筆談対応可能な会場もあります。

5-1.試験実施日、試験地、試験会場

【試験会場】

全国47都道府県で実施しています。(プロメトリック社の試験会場)

【試験日】

毎年2回(春と秋)の一定期間に実施します。20234月からは通年化の予定です。

【IPA 情報処理技術者試験における出題範囲・シラバス等の変更内容の公表について】

(基本情報技術者試験、情報セキュリティマネジメント試験の通年試験化)

https://www.jitec.ipa.go.jp/1_00topic/topic_20220425.html

【試験日の変更】

プロメトリック社サイトにて行います。試験日の3営業日前まで変更は可能ですが(土日受験の場合は4営業日前)試験予約のキャンセルはできません。

5-2.申込から受験までの流れ

CBT試験となってもいつでも受験できるわけではありません。受付期間、試験実施期間が設定されていますので受験可能期間を確認しましょう。(2023年からは通年化の予定です)

【IPA スケジュール、手数料など】

https://www.jitec.ipa.go.jp/1_02annai/_index_annai.html

試験実施期間内での受験(予約)は、午前試験、午後試験、免除試験とも、各1回までです。また、免除試験を予約した方は午前試験を予約できません(逆も同じ)。CBT試験となっても春1回、秋1回の受験であることは変わりません。

【受験申込み】

受験申込みはプロメトリック社サイトから行いますが、「プロメトリックID」が必要です。初めての方はIDを取得してから試験日を予約して下さい。

【プロメトリック 基本情報技術者試験 試験実施概要】

http://pf.prometric-jp.com/testlist/fe/index.html

予約は「午前」→「午後」の順に行う必要がありますが、「午前」「午後」の試験を別の日に受験する、または、「午後」を先に受験し、後で(翌日以降など)「午前」を受験することも可能です。

【受験手数料】

7500円(税込)※20225月現在

クレジットカード、Pay-easy、コンビニ支払いが利用できます。

【CBT操作方法の確認】

当日あわてないために、一度は画面のレイアウトや操作方法を見ておきましょう。

【試験当日の注意事項、受付から受験の流れ、CBTの操作方法】

http://pf.prometric-jp.com/testlist/fe/exam_procedure.html

【受験会場にて】

マスクの着用確認と検温があります。会場での検温で発熱が確認された場合は、受験できず、受験料も返還されず、振替措置も行われません。本人確認のために、顔写真付きの学生証、免許証、パスポートなどが必要になります。忘れると受験できませんので、こちらもご注意ください。

【本人確認必要書類について】

http://pf.prometric-jp.com/testlist/fe/id.html

【申し込み後、または受験後の住所変更】

合格証書は、午後試験、または免除試験の受験日の翌々日06:50時点で登録されている住所に簡易書留で送付されます。受験後にプロメトリック社への登録情報を変更しても送付時には反映されませんので、転居届をかならず郵便局へ出してください。

※再送が必要となった場合、再送費用は合格者負担となります。

5-3.合格・認定

「午前」「午後」の試験の結果は、それぞれメールでスコアレポートとして届きます。終了後すぐに届く人もいれば、数日かかったという方もいます。届かないという方は、迷惑メール扱いになっていないか確認しましょう。最終的な合否結果は、試験終了の約1カ月後にIPAのサイトにて確認できます。

【IPA 合格発表・成績照会】

https://www.jitec.ipa.go.jp/1_05goukaku/_index_goukaku.html


6.学習方法

学習のポイントは

  • 見たことがない用語(単語)を無くす
  • 概要を掴む
  • 過去問で理解度を確認する
  • 弱点分野を把握する。そして補強する。
  • プログラミング問題は、それを実際に動かしてみる(動かせば記憶に残りやすい)

の、5つです。

最初に、初心者、経験者とも、まずは午前問題用の書籍を一度最後まで読むか、過去問を解いてみましょう。知識のある方は問題の傾向や、得意、不得意分野が把握できますし、知識の無い方は「どのくらいわからないのか」を、ここで感じ取ることができると思います。

単語の意味はわからないけど、全体的な理屈としては理解できるようであれば、見覚えのない単語を無くしていきましょう。人は見たことがあるものに対しては、意外とスンナリ受け入れられます。時間はかかりますが、参考書をかるく12周するだけでも抵抗感がだいぶ和らぎますので、ここは騙されたと思って読んでください(^O^)

わからない用語、気になった用語について調べる時は、こちらのサイトがお勧めです。ざっくりでもイメージを掴むことが大切です。

【「分かりそう」で「分からない」でも「分かった」気になれるIT用語辞典】

https://wa3.i-3-i.info

「午後」問題については、経験者は過去問を解いて苦手部分の洗い出し、初心者は「午前」と同じように書籍を1冊読むことと、プログラミングでどれを選択するのか決めましょう。どの言語も経験がなければ「表計算」で、いきましょう。基本情報で出題される「表計算」は、架空の表計算ソフト、という設定で出題されますが、Excelをイメージして学習を進めるとわかりやすいと思います。(実際の試験問題は、すべて文章での出題ですので、PCが設置されていたり画面コピーが添付されることはありません。必ず過去問を解いてください)

「午前」「午後」の学習が一通り終わったところで、過去問を解く→わからないor不正解問題を確認する、を、繰り返してください。プログラミングに関する問題は、実際に動作させてみると解説を読むよりもスンナリ理解できることがあります。環境が用意できる方は、是非お試しください。

過去問対策には、以下のサイトがお勧めです。

【基本情報技術者過去問道場】

https://www.fe-siken.com/fekakomon.php

スマホでも参照できますし解説も載っていますので、こちらで毎日少しずつ学習するだけでも、かなり違います。※CBT方式へ変更になったため、IPAサイトにて2020年以降の過去問題は非公開となりました。

6-1.あくまで参考!私はこんな方法で合格した

学習方法の解説記事でよく見かけるのは、「○時間で合格した!」とか「○日あれば大丈夫!」というタイトルですが、学習にかける時間、日数は、あたりまえですが人それぞれです。ですので、私がどこにポイントをおいて、どんな方法で学習したのかをご紹介します。

まず、繰り返しになりますが、この5つのポイントは変わりません。

  • 見たことがない用語(単語)を無くす
  • 概要を掴む
  • 弱点分野を把握する。そして補強する。
  • 過去問で理解度を確認する
  • プログラミング問題は、それを実際に動かしてみる(動かせば記憶に残りやすい)

これを「どうやったのか」が問題になるわけですが、私は次の方法で学習を進めました。

  1. 1日に読むのは1章まで(でも、やりたい時は進める)
  2. 1章終わらなくても飽きたらやめる
  3. 通勤の電車の中で本を読んだりスマホ学習はしない。思い出すのみ。

とにかく脳が飽きている時に嫌々やっても仕方ないので、「今日はこれだけ覚えてね」という気持ちでやっていました。電車の中で「思い出すのみ」にしたのは、電車の中は復習の時間と決めたからです。前日に読んだ内容を思い出す、あるいは、前日に何も読んでいなければ、あとはどこを覚えなきゃいけなかったかな?と、試験範囲を思い出したりしていました。(この「思い出す」ために、図やイラストが多い書籍というのは、非常に助かるのです) そこから派生して、あんな設定したなぁ、とか、こんなこと聞かれたなぁ、などなど、昔のあれこれを思い出して、本の内容を自分の経験に近づけてみたりもしました。日中、メールソフトやブラウザの設定画面を見るだけでも、基本情報の中で扱う単語は出てきますし、近くにPCがあれば、何が接続できるのか、規格は何か、などざっくり調べました。

プログラミングについては「二種」受験の時は仕事で実際に行う機会がありましたが、「基本情報」受験の時は、書籍での復習のみでした。これについては、過去に自分で作って動作確認もしていたので、書籍でヨシとしました。

そんなわけで、参考書を読んだ時間とすれば、130分程度×14日(前後)で、過去問を解くのもトータルで23時間くらい、と短めですが、出題される単語と範囲を覚えておくことで、関連があるものを見れば頭のどこかで覚えておこうという意識が働きますので、そういった時間を足すともっと多いことになります。

本を読むだけが学習方法ではないのです。本の中で出てきた単語が、どんなところで使われているのかをネット検索するだけでも、だいぶ役立つと思いますので、まずは「どこで使われているか探し」から始めても良いのではないでしょうか。


7.おすすめの参考書&問題集

「6.学習方法」でご紹介したサイトだけでなく、やはり書籍でじっくり、という方には、出版年度が新しいもので、図解(イラスト)が多いものをお勧めします。ほとんどの参考書は、午前問題対策用、午後問題対策用に内容が別れています。

<午前対策用>

定番の「キタミ式」は図解も多く、飽きずに最後まで読み通せます。柏木先生シリーズからは、ドリルをお勧めします。

キタミ式イラストIT塾 基本情報技術者 令和04年

令和04年 栢木先生の基本情報技術者教室準拠 書き込み式ドリル (情報処理技術者試験)

 

<午後対策用>

午後のソフトウェア開発分野(プログラミング)は、どの言語を選択するかで書籍も別れますが、選択した言語についてある程度わかっている方は、一度過去問を解いて不正解の部分を見直す、を繰り返せば、あらためて書籍を購入しなくても大丈夫なのではないかと思います。「表計算しか選択肢がない、しかもよくわからない・・・」という方は、午後の表計算用で一冊購入しましょう。以下はソフトウェア開発分野以外の午後試験用のおすすめ書籍です。

令和04-05年 基本情報技術者 試験によくでる問題集【午後】 (情報処理技術者試験)

文系、非IT系が基本情報技術者を取りたいと思った時に読む本! 午後試験対策編(Kindle版)

目次がないのが難点ですが、午後試験への挑み方について丁寧に解説されています。初めて午後試験に取り組む方用。


8.受験日から受験後の注意

CBT試験に変更となったことで、試験問題の漏洩に関して厳しくなりました。うっかりSNSなどへ投稿しないようにご注意ください。

試験問題の注意

出展:IPA 令和4年度上期基本情報技術者試験について(https://www.jitec.ipa.go.jp/1_02annai/r04-1fe_exam.html

違反開示の例として「IPアドレスの問題について」と挙がっていますがIPv4IPv6とか細かく書けば漏洩かなという気もしますが、「IPアドレスの問題」だけでNGなのですね。結構厳しいです(毎回出ている気もしますが)

また、こういうご時世ですので、試験日までの体調管理も大切です。試験当日は必ず家で検温して平熱であることを確認してから出かけましょう。15分前に試験会場に到着することもお忘れなく。


9.さいごに

気がつけばコロナ対策とかで基本情報処理(FE)とセキュリティマネジメント(SG)もCBT方式の試験になっておりました。どこぞの大学の教室で「試験開始してください」の合図とともに問題冊子をめくりながらマークシートで回答する光景が懐かしいです。冊子があると、試験中は問題文に下線ひいたりマークつけたりできましたし、家に帰ってから問題見直して意味不明な書込み見つけて苦笑いしたりと、終わった後もちょっと楽しい感があったので少し残念です。

今回の改定でいろいろ調べていたらIPAからLINEスタンプ(https://www.jitec.ipa.go.jp/1_00topic/topic_20220425_2.html)発売されてました。もう少しIT用語っぽいのがあってもいいのでは?と、ちょっと微妙()な気もしますが、「合格」や「おめでとう」スタンプを送りあえるようにがんばってください。

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