
未経験からサーバーエンジニアになるには
未経験OKなサーバーエンジニアの求人があるけど、実際のところどうなの?
そんな疑問を持つ方も少なくないのではないでしょうか。
私自身、転職時はピカピカの未経験者でしたが、現在は楽しく中堅サーバーエンジニアとして従事しています。
ですので、未経験でもサーバーエンジニアになれると断言できます。
この記事では、未経験からサーバーエンジニアになるために行うべきステップについて解説をさせて頂きます。
目次
1.未経験でもサーバーエンジニアになれる理由
冒頭でも記載しました通り、未経験でもサーバーエンジニアになることが出来ます。
この章では、その理由ついて解説します。
1-1.IT業界の人手不足
未経験でもサーバーエンジニアになれる一番の理由は、ずばりIT業界の人手不足です。
年々各所でIT化が広まりIT技術の需要は高まる一方ですが、その需要に対して人材の確保が追いついていないのが現実です。
また、IT業界=ブラックという印象は未だに完全には消え去ってはいないものの、働き方改革に伴って、今までのように過度な残業や休日出勤で何とか無理くり対処する、といったことも出来なくなりました。
ですので、これからもITエンジニアの需要が高い状態は継続されます。
なお、以下は経済産業省で発表されている公式情報です。
【IT人材の供給動向の予測と平均年齢の推移】
https://www.meti.go.jp/shingikai/economy/daiyoji_sangyo_skill/pdf/001_s03_00.pdf より
1-2.サーバーエンジニアの需要
前項にて、IT業界全体の人手不足について記載させて頂きました。
では、サーバーエンジニアはどうなのか?の観点に移ります。
結論から言いますと、これからもサーバーエンジニアの需要が絶えることはなく、人手不足は続くでしょう。
まず、サーバーエンジニアの主な仕事は、システムを形成する環境の設計~構築、そして運用・保守です。
どんなに便利なシステムにも土台は必要不可欠であり、サーバーエンジニアは正にその土台作り~メンテナンス・サポートがメインの業種です。
昨今では「DX化」「AI化」といった言葉をよく目にすることも多いかと思いますが、これらを実現するためにも、大元の土台作りは欠かせません。
また、システムが完成してからも、システムを正しく安全に使い続けるには適切な管理業務、つまり運用・保守が必要です。
このように需要がなくならないにも関わらず、サーバーエンジニアを含むIT業界全体は人手不足が継続される=サーバーエンジニアの需要は高いままです。
加えて運用・保守や構築の業務は比較的、経験の浅い方や未経験の方でも取り組みやすく、未経験であっても意欲的な方は歓迎されます。
2.未経験からサーバーエンジニアになるためのステップ
未経験でもサーバーエンジニアになれる理由がお分かり頂けたかと思いますので、ここからは実際に未経験からサーバーエンジニアになるために行うべきステップを解説します。
2-1.自分が求める条件をリストアップ
まずは、就職・転職するにあたってご自身が求める条件をリストアップしましょう。
引っ越しの物件選びの時にも「駅から徒歩5分以内が良い」「駅から離れていても良いのでコンビニが近くに欲しい」等など、好みは人それぞれです。
未経験OKのサーバーエンジニア求人は数多にありますので、勤務地や就業形態等、絶対に譲れない条件~出来れば満たしたい条件を順番にリストアップしておくことで会社選びがスムーズになります。
特に未経験者の場合は、研修や資格取得の応援制度が充実している会社を選ぶようにするとより安心ですね。
2-2.希望に合った会社をピックアップ
リストアップが完了したら、各求人媒体や会社の公式ホームページから希望に合った会社をピックアップします。
もちろん複数の会社に絞ってもOKですが、求人情報に記載された使用環境や使用技術はあまりバラけていない方が次項のスキルアップ時に悩まないと思いますので、ピックアップ時には使用するOS種別やオンプレ/クラウドといった情報があれば押さえておいて下さい。
2-3.出来ればしておきたい、資格取得でスキルアップ
基本的に、サーバーエンジニアになるために特別な資格は要りません。
しかしながら、IT技術は日々目まぐるしく進化しています。
そのため、一度学習・経験したらおしまい。とはならず、継続的な学習・成長が求められる世界です。
この「継続的な学習・成長」を「自分で進んで出来る人間である」と、最も確実に証明することが出来るのが資格です。
資格そのものは必須ではありませんが、資格取得は知識習得や証明だけでなく自信にも繋がりますので、希望の会社での採用をより勝ち取りやすくするためにも、是非とも希望企業に応じた資格を取得してから応募頂けたらと思います。
ただし、求人の掲載内容に具体的な使用環境や使用技術の記載がない場合や、多く記載されすぎていてどれを勉強すれば良いかわからない場合もあると思います。
以下で「全般的に通じる資格」と「2-2で押さえた情報に応じた資格例」を紹介させて頂きますので、資格選択の参考にして頂ければと思います。
※受験料等、2024年12月時点の情報です。
■全般的に通じる資格
【ITパスポート】
・受験料:7,500円
・受験日:随時
・受験会場:全国47都道府県の各会場
この資格は、ITを利活用するすべての社会人・これから社会人となる学生が備えておくべき、ITに関する基礎的な知識が証明できる国家試験です。
内容はITに纏わる用語が多いので、取得しておくことで入社後の会話や勉強の飲み込みスピードアップにも繋がります。
受験料も比較的安価かつ全国で随時実施しておりますので、挑戦のしやすさも魅力です。
公式ページで過去問題の公開もしていますので気になる方はまず過去問題を解いてみるのもいいですね。
【基本情報技術者試験】
・受験料:7,500円
・受験日:随時
・受験会場:全国47都道府県の各会場
この資格は、「情報処理の促進に関する法律」に基づき経済産業省が、情報処理技術者としての「知識・技能」が一定以上の水準であることを認定している国家試験です。
IPパスポート同様に用語関連の問題もありますが、IPパスポートよりも思考力を要求されるような実践向きの内容が多いイメージで良いと思います。
こちらも公式ページで過去問題を公開しておりますので、難易度確認がしやすいですね。
■2-2.で押さえた情報に応じた資格例
【Azure Fundamentals】
・受験料:1科目 13,200円(社会人/一般の方)、1科目 7,700円(学生の方)
・受験日:随時
・受験会場:全国47都道府県の各会場
この資格は、クラウドの概念、Azure のコアサービスおよびAzureの管理とガバナンスの機能とツールに関する基本的な知識を証明する資格です。
Azure知識の需要がある会社を希望する場合は是非取得しておきたい資格ですが、Azureの知識と共にクラウドの基本も学ぶことが出来ますので、Azure環境を使う場合以外でも活かせる知識と言えるでしょう。
公式ページでトレーニングの提供もありますので、こちらも活用頂ければと思います。
【AWS認定:Foundational】
・受験料:15,000円
・受験日:随時
・受験会場:全国47都道府県の各会場
この資格は、業界で認められている資格情報を使用してクラウドの専門知識を認証することで、学習者が信頼性と自信を築くことと、組織がAWSを使用してクラウドを主導していくスキルのあるプロを識別する資格です。
AWSは非常に範囲の枝分かれが多いため、AWS認定の中には12種類の資格があります。
どれを選択すれば良いかや難易度、トレーニング情報は公式ページで案内がありますが、まずは初級のFoundationalの取得から入るのがおすすめです。
Azureと同様、クラウドの基本も学ぶことが出来ますので、AWS環境を使う場合以外でも活かせる知識と言えるでしょう。
12種類もあるので、自分の得意は範囲に特化するのも良いですね。
【LinuC(Linux技術者認定資格):LinuCレベル1(101試験/102試験)】
・受験料:各16,500円
・受験日:随時
・受験会場:全国47都道府県の各会場
この資格は、クラウド・DX時代の即戦力の証明となる、Linuxプロフェッショナルのための世界共通の認定資格です。
取得には101試験と102試験の2つをクリアする必要があるため取得までの難易度は上がりますが、その分、Linux知識の需要がある会社では特に強いアピールポイントとなるでしょう。
また、WindowsとLinux環境の両方を使用する会社であってもWindowsに比べてLinuxの有識者は少なかったりするので重宝されやすいです。
登録制ではありますが、こちらも公式ページでのサポートがありますので是非覗いてみて下さい。
3.面接対策用のテクニック
さあ、いよいよ応募の段階です。
応募先を決めたり履歴書を書いたり資格を取ったり、準備万端!と言いたいところですが、採用に向けてもう一押し。
書面上であなたの魅力をアピール出来ても、避けられないのが面接の壁です。
せっかく順調に面接まで進んでも、緊張してカチカチになってしまったり焦って頭が真っ白になってしまったり等であなたの印象がダウンしてしまうのは勿体ないです。
ですので、この章では面接対策についてのアドバイスをさせて頂きます。
まず大前提となりますが、会社に入る=組織に所属する以上、人とのコミュニケーションは必ず発生します。
つまり、技術レベルがどうなのか以前に人柄の良し悪しの判断目線は必ず発生します。
「サーバーエンジニアは技術職なんだから、そんなの関係ないのでは?」と考えてしまわれるケースもありますが、サーバーエンジニアも技術者である前に社会人です。
どんなに技術力があったとしても、社会人として1人前でなければ未熟と言わざるを得ません。
ですので、コミュニケーション能力はあればある程良いですし、人柄=印象が良いということも大切な能力です。
また、コミュニケーション力は筋肉という言葉もあるように、繰り返し鍛えることでいくらでも伸ばせる力です。
とはいえ元々のコミュニケーションの得意不得意や現在の能力には個人差がありますので、以下のポイントから自分に向いていそうなものを活用してみて頂ければと思います。
【印象アップするために】
・いつも笑顔でいる
好感度の高い人ってどんな人?というと、いつもニコニコした人をイメージする人も多いのではないでしょうか。
表情が暗いと話し方も暗くなりがちですので、まずは笑顔でいることから始めてみるのがおすすめです。
また笑顔は表情筋ありきなので、毎日鏡を見て練習/チェックするとより良いですね。
・ゆっくりハッキリ発声
早口すぎたり声が小さく聞き取りづらい人と会話していて疲れてしまったことはないでしょうか。
逆に、優しく聞き取りやすい話し方をする相手との会話は心地よいと感じませんか。
相手との距離に応じて、相手に届くよう声のボリュームを調整し、ゆっくり丁寧に話すように心がけるだけでグッと印象が良くなります。
姿勢が悪いと呼吸が浅くなり必然的に声も小さくなってしまうので、姿勢も意識しながら話す癖をつけると良いですね。
・要点を押さえて話す
話す内容が整理されておらず、長文を話した割には要件が伝わっていなかったり、「要は何が言いたいの?」と言われやすい人は要注意です。
面接では、限られた時間内の会話から人柄を判断されます。
主語と述語を近くし一文を短くすることで、相手に内容が伝わりやすくなります。
「私は〇〇です。実は〇〇なんです。」のように、一文を一文を短くするイメージで話す練習をしておくと良いですね。
・ドッグワードを排除
ドッグワードとは「あー、えー、あのー」といった、人前で話すときに無意識に出てしまう言葉です。
ドッグワードが入るとテンポが悪くなりますし、自信がなさそうに見えたり説得力が低下したりします。
大幅な印象ダウンにはならないポイントではありますが、余裕があれば克服しておくとワンランク上の話し方が出来ます。
・数を重ねる
繰り返し人と会話することで、会話能力のアップをはかります。
同じ人とだけ会話していても、上がるのは「その相手との会話力」です。
ですので、趣味の集まりや友人の友人等、初対面の相手とたくさん会話する機会を作ってみることをおすすめします。
【自分のアピールポイントを見つけよう】
もう印象アップはばっちりだと思いますので、あとは自分のアピールポイントを伝えるだけです。
資格を取得したのであれば、全般的に通じる資格でその努力を、2-2で押さえた情報に応じた資格でその努力と戦力感をアピール出来ます。
ですが、あなたの魅力は他にもたくさんあると思います。
サーバーエンジニアが未経験であっても、これまでの人生で培ってきた自分の強みを見つけていきましょう。
・今までの経験から得られたものは?
文字通り、これまで経験してきた中で身に付けたものです。
例えば、「お客様の笑顔に繋がる仕事が好きで接客業をやってきた。なので、相手の要望を汲み取るのが得意。」「製造業で、精密な作業を1日中行っていた。なので、集中力と忍耐力に自信がある。」のようなものです。
「何が得意で、その根拠は何か」を端的に伝えられることが理想的ですね。
・マイナス面をポジティブにとらえ直す
控え目な人ですと、なかなか自分のいいところをピックアップするのが難しかったりしますよね。
そんな時は、ネガティブをポジティブに変換しましょう。
例えば、「あの人はケチだ」⇒「あの人は節約家だ」、「あの人は口うるさい」⇒「あの人はよく気がつく」のような変換です。
自分の弱点をリストアップしてから全部ポジティブ変換すると良いです。
自分1人では難しい時は人に聞いてみるのもおすすめです。
いかがでしたでしょうか。
是非とも自分の良いところをいっぱい見つけ、面接時にどれをアピールするか厳選しておきましょう。
4.最後に
最後まで読んで頂きありがとうございます。
未経験からサーバーエンジニアになれることはお分かり頂けたかと思いますので、あとは扉を開くだけです。
未経験での挑戦には不安もたくさんあると思いますが、どんな仕事も初めは誰しもが未経験です。
どうか臆せず、ご自身の「やってみたい」の気持ちを大切にしてサーバーエンジニアを目指して頂けたらと思います。
いつか、この記事がきっかけでサーバーエンジニアになった方にお会い出来ることを心待ちにしております。
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