エンジニアに資格は必要?初級エンジニアにこそおすすめの資格7選
あなたは自分の履歴書を書いた時に、資格欄の白さにさみしさを感じたことはありませんか?
エンジニアになるためには必要な資格も免許もありませんし、沢山持っていれば良いというものでもありません。
しかし、経験も浅く、実績も少ない、でもこの仕事がしたい!と思ったときにアピール材料がないのでは、せっかくのチャンスも指をくわえて眺めるだけになってしまいます。
初級エンジニアにとって、資格は自分をアピールするための最大の武器です。
「自分はこれだけの知識があります」と、はっきり証明できるもの、それが資格です。
1.そもそもエンジニアに資格は必要?初級エンジニアこそ取得すべき2つの理由
繰り返しになりますが、エンジニアになるために必要な資格も免許もありません。
資格なんて持っていても意味がない、という人もいます。試験で問われる内容は実践的ではないし、今の仕事に資格がなくても不都合はない。経験あるのみ。というのがその理由のほとんどです。
1-1.熱意や実力を証明することができる
エンジニアになるために資格は必要有りませんが、経験も浅く、実績も少ない初級エンジニアが、
「自分はこのプロジェクトに参加したい!」
「開発がやりたい!」
「インフラ構築がしたい!」
と、いくら希望や熱意を語ったところで、実力を証明するものが無いがゆえに、「それだけでは・・・」という反応を返されてしまう可能性は否定できません。
そんな時に、資格があれば知識だけではなく合格するための努力もアピールできます。
そのうえ、転職時にも漠然と「IT関係に興味がありましたので」という志望動機よりも、「IT関係に興味を持ったので○○の資格をとりました。その際に△△について知り、現在はこちらの資格取得のために勉強しています」と、言えたほうが本気度が伝わってきませんか?
1-2.応用がきく土台となる知識が得られる
資格は取得するために受験費用や書籍代はかかりますが、資格手当てや報奨金を設定している会社もありますので、おサイフにやさしい自己研鑽です。
また、資格は取得することが目的になりがちで取得した後に活かせるかどうかわからないし、実務に役に立つことを覚えた方が効率もいい、と言われることもありますが、直接役に立つことだけを覚えていても「土台」となる知識が貧弱であれば応用力に差が出ます。
エンジニアになりたて、あるいはこれからエンジニアになりたい、と思われる方は、資格取得が目的となったとしても、取得のために学習することにより、よく使われる用語、コンピュータやネットワークのしくみ、OSの基礎知識はイヤでも覚えます。これらの知識は将来どの分野に進んでも必ず役に立ちますし、土台となる知識があればこそ、新しい知識も積み上げやすいのです。
初級エンジニアにとって、資格取得がマイナスに作用することは何一つありません。
自分の知識の「土台」を作るつもりで、是非チャレンジしていただきたいと思います。
2.まずはここから!初級エンジニアにお勧めの資格7選
エンジニアの資格は主に「国家資格」と「ベンダー資格」の二つにわかれます。
「国家資格」はIPA(独立行政法人 情報処理推進機構)が実施しており、合格すると経済産業大臣から合格証書が交付されます。特定のOSや製品に偏らない、IT関連知識が問われる試験です。
「ベンダー資格」は、企業が実施している資格で、特定の製品に関する知識が問われます。ベンダー資格を取得することで、その企業から特典を受けることができる場合があります。(特典内容は企業によって異なります)
どちらが有利、とは一概には言えませんが、まず基礎をおさえる意味で国家資格の中からひとつは取得することをおすすめします。
それでは具体的にお勧めの資格をご紹介しましょう。
2-1.ITパスポート[国家資格]
試験を実施しているIPAは受験対象者像として『職業人が共通に備えておくべき情報技術に関する基礎的な知識をもち、情報技術に携わる業務に就くか、担当業務に対して情報技術を活用していこうとする者』と、しています。
引用:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/ip.html
つまり、エンジニアだけではなく、ITを利用して仕事をする全ての方を対象とする試験ですので、今後どの分野に進んでも役に立ちます。
出題範囲はソフトウェア、ハードウェア、ネットワーク、セキュリティ、法務関連と幅広い試験ですが、『ITを利活用するための共通的基礎知識』です。覚えましょう。
☆お勧めの参考書・サイト
「キタミ式」は他にも出版されていますが、非常にわかりやすい解説です。
過去問、解説ともに充実しています。
試験概要、スケジュール、過去問題が掲載されています。試験終了後には解答が掲載されますので確認しましょう。
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2-2. 基本情報技術者試験[国家資格]
ITパスポートが「全てのITを利活用する方を対象」としていることに対し、基本情報技術者試験は、情報処理技術者、つまりエンジニアを対象とした試験です。
午前の試験はITパスポートとそれほど差はありませんが、午後の試験では、データ構造やアルゴリズム関連、ソフトウェア設計・開発に関する問題など出題されます。
プログラミング言語は、C、COBOL、Java、アセンブラ、表計算からの選択です。
☆お勧めの参考書・サイト
本文中のイラストを見るだけでも十分勉強になります。
アルゴリズムが苦手、という方におすすめです。
「過去問道場」は問題の解説も掲載されていますので、問題を解きながら疑問を解消できます。
試験概要、スケジュール、過去問題が掲載されています。試験終了後には解答が掲載されますので確認しましょう。
関連記事2-3.情報セキュリティマネジメント[国家資格]
2016年にスタートした比較的新しい試験です。
公的機関や企業ネットワークの不正アクセスやサイバー攻撃、企業の情報漏えいなどの事件が増加した社会的背景を反映した試験といえるでしょう。
また、マイナンバー制度が施行されたことにより、個人情報の取り扱いに関して法務知識だけではなく、システムの面からも適切に対応できるエンジニアが必要とされる世の中になりました。エンジニアにとって自身が取り扱うデータがどのような位置付けなのかを確認し、社会人としてのセキュリティリテラシーを向上させるための第一歩となる資格です。
☆お勧めの参考書・サイト
試験概要、スケジュール、過去問題が掲載されています。試験終了後には解答と解説も掲載されますので確認しましょう。
関連記事2-4.Excel VBAエキスパート(ベーシック、スタンダード)[ベンダー資格]
VBAとは「Visual Basic for Applications」の略でマクロで使用できる言語の一種です。(「マクロ」はExcelの機能のひとつです)
Excelがインストールされているパソコンさえあれば、Excelを起動するだけで学習が始められるうえに、VBAを使いこなせるようになることで、プログラムの基礎やデータベース設計に通じる知識が身につきます。
☆お勧めの参考書・サイト
VBAエキスパート公式テキスト Excel VBA ベーシック [模擬問題プログラム付き]
VBAエキスパート公式テキスト Excel VBA スタンダード
公式テキスト著者の田中亨さんはMicrosoftが優れた技術者へ授与するMVP(Most Valuable Professional)を、日本人で初めてExcel部門を受賞された方です。
各地でセミナーも開催されていますが、非常にノリのいい方です。著者を知れば、VBAも楽しく覚えられるかもしれません。
- 参考
2-5.MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)[ベンダー資格]
え?マイクロソフトオフィスってExcelとかWordでしょ?それ、エンジニアに必要な資格?と、思われるかもしれません。
しかし、Excelでデータ分析、システムのプレゼンにPowerPoint、議事録作成にWord、など使う場面は沢山ありますし、各ソフトの機能をまんべんなく知ることにより、先輩エンジニアが今まで思いつかなかった使い方を提案できるかもしれません。
また、エンジニアとは少々違いますが、MOS Expertは、MCT(マイクロソフト公式トレーナー)を取得するための資格のひとつでもあります。
Microsoft Office Specialist Microsoft Excel 2016 対策テキスト& 問題集 (よくわかるマスター)
Microsoft Office Specialist Microsoft Word 2016 対策テキスト& 問題集 (よくわかるマスター)
Microsoft Office Specialist Microsoft PoerPoint 2016 対策テキスト& 問題集 (よくわかるマスター)
2-6.MCP(マイクロソフト認定プロフェッショナル ) [ベンダー資格]
MCP試験ではマイクロソフトの製品とテクノロジーに関して、バージョンごとに試験が設定されています。
クライアントOSや、サーバOSの知識をおさえるには以下の2つがおすすめです。設定されている資格数が多いので、各試験の「試験番号」を確認して申し込んでください。
- Windows10 Installing and Configuring 試験番号:70-698
- Installation, Storage, and Compute with Windows Server 2016 試験番号:70-740
☆お勧めの参考書・サイト
下記の「赤本」と呼ばれる参考書は必須です。
MCP教科書 Windows 10
70-698 Installing and Configuring Windows 10(試験番号:70-698)
MCP教科書 Windows Server 2016
70-740:Installation, Storage, and Compute with Windows Server 2016(試験番号:70-740)
赤本だけで不安な方は「黒本」も合わせて学習することをお勧めします。
徹底攻略MCP問題集 Windows 10
[70-697:Configuring Windows Devices]対応
徹底攻略MCP問題集 Windows Server 2016
[70-740:Installation, Storage, and Compute with Windows Server 2016]対応
上記のMCP試験だけではなく、他のIT関連試験についても、他の人がどのような学習方法をしたのか参照できます。
MCP試験の概要、取得のメリットなど説明しています。
2-7.LinuC[ベンダー資格]
「Linux」というOSをご存知ですか?
Linuxはオープンソース、つまり無料で誰でも使用できるため、開発コストの削減に貢献しており、メールサーバやWEBサーバをLinuxで構築している企業は数多くあります。聞いたことが無い、という方もいらっしゃるかもしれませんが、実はスマホ、ゲーム機、家電、車などにも使用されていて、意外と身近なOSです。また、Linuxは需要が高いわりにエンジニアが不足している傾向がありますので、覚えて損はない知識といえるでしょう。
このLinuxの基本操作やシステム管理を行うための知識を問う資格が「Linuc」です。
レベル1は、101試験と102試験の2つの試験に合格することで認定されます。(従来の「LPIC」から、2018年3月より日本独自の試験「LinuC」が開始されました)
☆お勧めの参考書・サイト
まずは基礎から始めてみましょう
まんがでわかるLinux シス管系女子 (日経BPパソコンベストムック)
システム管理部門に配属された新人さんが、日々起こる事件を通してLinuxについて学んでいく・・・というストーリーです。
漫画といえども、ある程度コマンドやPC環境について理解がないと難しいと思ってしまうかもしれませんが、逆に理解するべき単語が浮き彫りになってきます。
(PDF版付)徹底攻略LPIC Level1問題集[Version 4.0]対応
無料でWeb問題集が利用できます。(101試験)また、受験者の「合格体験記」なども参考になります。
試験情報はこちらでチェック
3.さいごに
実務経験は、仕事をしていれば毎日少しずつでも積み重なっていきますが、どうしても知識に偏りが生じます。
たとえ浅くても、広く平らな土台を「資格取得」という手段で身に着けておくことで、今後のステップアップに必ず役に立つ時がありますし、資格を取得することでめぐってくるチャンスもあります。
あなたの努力と知識の証明、それが資格です。
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