IT業界は文系でも就職できる?文理関係なく就職・転職が可能な理由
文系学部だけど、IT業界に就職したい。元々文系出身だけど、IT業界に転職したくなった。
そう考えるけど、文系であることで就職に不利になったりしないかなと、お考えになっていないでしょうか?
元々文系でIT業界に就職したが、今は設計や開発を行うシステムエンジニアとして業務を立派にこなしている方も存在します。
ですので、文系だからといってIT業界に就職できない訳ではありません。
そう言われても中々自信をもって就職活動はできないですよね?
そんなあなたに本記事では、文系でも就職できる理由、IT業界の主な業種や職種、就職する前の準備、そして就職してからの心構えを紹介します。
文系のあなたがIT業界就職への第一歩を踏み出すことができる内容になっています。ぜひ、最後まで読んでいってください。
目次
1.文系でもIT業界に転職できるこれだけの理由
文系でもIT業界に就職することができます。それにはいくつかの理由がありますので以下に紹介します。
1-1.IT業界は人手不足で文理関係なく採用している
IT業界は人材不足であると言われて久しいです。2021年10月11日に公開されたDX白書(IPAがIT社会の動向を調査・分析し、情報発信するための報告書)によると、企業の大小にかかわらず、IT人材は質・量ともに不足していると答えている企業が多い状況です。
(出典:DX人材白書)
国も小学校でのIT教育を必修化するなど、IT人材の育成に追われています。このような状況下で企業は人材を確保するために積極的に文理関係なく採用しているというわけです。
1-2.仕事内容は技術寄りだけでなく営業やマネジメントなど多岐にわたる
IT業界と一口に言っても、エンジニアのように技術寄りの職種だけではなく、セールスエンジニアやプロジェクトマネージャ等、営業やマネジメント能力が求められる職種が存在しています。ですので、自分の得意分野に合わせて職種を選ぶことができます。そこもIT業界の魅力の一つではないでしょうか。
1-3.必要な知識は就職してからも身に着けることができる
IT企業では入社してから3ヵ月程研修を実施している企業も多くあり、またOJTで実際の業務を通してIT知識を習得できたりと、未経験入社の方の面倒を見てくれる企業もたくさん存在します。それらの制度に頼りきりではいけませんが、IT知識を学習するのが難しい文系の方には、入社してから実践的な知識を習得できるのはありがたいものではないでしょうか。
2.あなたに合った業種、職種を探してみよう
どうでしょうか。文系の方でもIT業界に就職できるイメージが湧きましたか?では、ここでIT業界にはどういった業種や職種が存在するか見ていきましょう。あなたが興味のあるものを是非見つけていってください。
2-1.業種
IT業界は主に次の4つに大別することができます。ハードウェアを動かすためのプログラムを開発するソフトウェア業界、電子機器類を開発するハードウェア業界、法人顧客のシステム構築を一括して受託する情報処理業界、Webサービスを開発するWeb業界です。それぞれの業種について詳しく見ていきましょう。
2-1-1.最先端の技術を身に着けたい人はソフトウェア業界がオススメ
一つ目はソフトウェア業界になります。ソフトウェアとはハードウェアを動かすためのプログラムを言います。WindowsやMacOS等のOS、ExcelやWord等のアプリケーションも含まれます。あなたが今この記事を見るのもGoogleChromeなどのWebブラウザを使用していると思いますが、それもソフトウェアになります。私たちの普段の生活でソフトウェアを利用しないことはないので、身近に感じるのかなと思います。ユーザの要望に合わせたソフトウェアを開発するのがソフトウェア業界になります。
ソフトウェア業界では、クラウド化やIoT、ビックデータを活用したデータ分析など日進月歩で技術が進化しているので、最先端の技術を身に着けたい方はソフトウェア業界をオススメします。
2-1-2.電子機器の仕組みに興味がある人はハードウェア業界がオススメ
二つ目はハードウェア業界になります。ハードウェアとはPCやスマートフォン、タブレット端末等目に見える電子機器のことを言います。前述したソフトウェアとの違いは、電子機器本体のことをハードウェアと言い、ハードウェアにある目的のために内蔵されているプログラムをソフトウェアと言います。ざっくりと言えば、目に見えるものがハードウェア、目に見えない内臓されているものがソフトウェアとなります。
ハードウェアは電子回路の設計を行うので、Raspberry Piを使用した電子工作やパソコンを自作で組み立てするなど、電子回路やハードウェアそのものに興味がある方にハードウェア業界はオススメです。
2-1-3.法人のシステム構築や運用支援をしたい人は情報処理業界がオススメ
情報処理業界は企業の要望に応じて、業務内容に即するシステムの構築や運用支援を行う業界のことです。法人が顧客でその要望に応じたシステムを構築することに責任を持ちます。また、システム開発から運用保守まで一括して請け負うSIer(エスアイアー)企業と、その目的達成のためにエンジニアを提供するSES(エス・イー・エス)企業に大別することができます。
情報処理業界はお客さんである法人の問題解決のために存在するので、規模が大きいプロジェクトに携わりたいと考える方にオススメです。また様々なプロジェクトに関われるため、色々な技術に触れてみたいと考える方にもオススメです。
2-1-4.柔軟な働き方をしたい人はWeb業界がオススメ
Webサイトや、ECサイト、SNSなどインターネットを活用したWebサービスを開発する業界をWeb業界と言います。最近はお店に行かずに、インターネット上のECサイトでファッションや生活必需品を購入する人や、SNSを通じて友達や恋人を作ったりする人が増えてきたのではないでしょうか。そういったWebサービスを提供するのがWeb業界になります。
職務内容もインターネットを通じたものになりやすいので、昨今注目されているテレワークやノマドワーカーをしてみたい方にオススメの業界になっています。ワークライフバランスを重視したい方にもオススメです。
2-2.職種
業種の次は職種について紹介していきます。IT業界の職種は主に次の4つに大別することができます。システムを実際に構築するエンジニア、自社サービスの導入提案を行う営業・コンサルタント、プロジェクトの管理を行うマネジメント、自社サービスの売り上げ向上の活動を行うマーケティングです。それぞれの職種について、詳しく見ていきましょう。
2-2-1.文系から就職したい人はエンジニア(SE/PG)がオススメ
一つ目はエンジニア職になります。エンジニアは主に上流工程と言われる要件定義(システムの機能を決める)や設計(システム内部の動作を設計する)を担当するシステムエンジニア、下流工程と言われる開発(プログラムを作成する)やテスト(プログラムが正しく動作するか確認する)を担当するプログラマーに分かれます。これを建築に例えると、お客様の要望を聞いて建物の設計図を描く建築士がシステムエンジニア、建築士が描いた設計図を元に実際に建物を構築する大工がプログラマーに当たります。また、システムエンジニアはSE、プログラマーはPGと略されることがあります。
職種 | 職務内容 |
システムエンジニア(SE) | 上流工程(要件定義、設計)を担当する。 |
プログラマー(PG) | 下流工程(開発、保守)を担当する。 |
実際にプログラムを作成するので、文系の方には難しいかと思われますが、最初は既存システムの簡単な修正から行うことが多いので、会社での研修やOJTで学んだ内容で十分対処できると思います。そして、IT業界は実際にシステムを構築する人が足りていないので、未経験や文系でも受け入れてくれる企業が多くなっています。ですので、文系からIT業界に就職したい方に最初にオススメする職種です。
ですがエンジニアは専門知識が求められ、変化の早いIT業界では生き残っていくために自己研鑽が欠かせません。ですので、勉強に抵抗感がなく、本やWebサイト、エンジニア同士の交流会を通じて自ら積極的に学ぶことができる方にエンジニアは向いているでしょう。
関連記事 関連記事 関連記事2-2-2.顧客との交渉に携わりたい人は営業・コンサルタントがオススメ
二つ目は営業・コンサルタントになります。セールスエンジニアは自社のITサービスの導入をクライアントにしてもらうために交渉します。他方、企業が抱える問題点を解決するために自社のITサービスによる解決方法を提案するのがITコンサルタントになります。
職種 | 職務内容 |
セールスエンジニア | 自社のITサービスをクライアントに導入してもらうために営業を行う。 |
ITコンサルタント | 企業の抱える問題点を解決するために、自社のITサービスを活用した提案を行う。 |
どちらも顧客との交渉が主になりますが、自社サービスやIT知識に関する深い知識も求められます。ですので、エンジニア職から始めてその後セールスエンジニアやITコンサルタントに職種を変えるキャリアも考えることもできるでしょう。
関連記事2-2-3.プロジェクトの管理役を務めたい人はマネジメントがオススメ
3つ目はマネジメント職になります。プロジェクトマネージャーは、プロジェクトの達成に対して責任を負う役職です。チームメンバーの選抜から、スケジュールや進捗管理などプロジェクト管理に関わる業務を行うことになります。プロジェクトリーダーは、プロジェクトマネージャーの指揮のもと、プロジェクトを実行する役職になります。
職種 | 職務内容 |
プロジェクトマネージャー | プロジェクトの達成に対して責任を持つ |
プロジェクトリーダー | プロジェクトマネージャーの指示を仰ぎ、プロジェクトの実行を行う |
マネジメント職は年収も高くやりがいがある職務ですが、全くの未経験から就職するのは難しいでしょう。ある程度業務経験を積んでから、キャリアチェンジすることをオススメします。
関連記事 関連記事2-2-4.流行に敏感な人はマーケティングがオススメ
4つ目はマーケティング職になります。Webマーケターは、ウェブサイトやスマホアプリ、SNSなどオンラインを活用したマーケティングに携わる職種です。自社の製品やサービスをインターネット上の仕組みを利用して、売り上げ向上や事業拡大を実現します。他にもデータアナリストというマーケティング職が存在します。データアナリストは、ビッグデータを分析して消費者の興味や動向、そして将来のニーズを予測し、ビジネスの問題解決を図ります。
マーケティング職は、消費者の興味や時流を読んで、効果的な広告を打ち出したりする必要があるので、流行に敏感な人にオススメです。
3.就職するための準備
どうでしょうか。あなたが就職したいと思う業種や職種は見つかりましたでしょうか?では、次に就職する際に有利となる経験や資格を紹介します。これらの経験を面接でアピールしたり、資格を履歴書に記載することで、内定の確立も上がることでしょう。
3-1.プログラミングを経験してみる
IT業界で働いていくには、まずプログラミングを触れてみるのがオススメです。エンジニア職はもちろん、他の職種でもプログラミング知識を習得しておくのは、就職するのにとても有利になります。実際の業務でも役に立つことがあるでしょう。そしてプログラミングをしてみて、自分がIT業界に向いているか確認してみるのもよいでしょう。プログラミングに興味を持てないと、IT業界での仕事が苦痛になってしまう可能性があります。
プログラミングを習得するには、主に2つの方法があります。Webサイトで学習する方法と、書籍で学習する方法です。
3-1-1.Webサイトで学習
現在は、Webで学習できるサイトが増えています。Webで学習するメリットとしては、自分のPCに開発するための環境を整える必要がないことです。プログラミングをする上で必要になるのが、PCに開発するための環境構築をすることです。環境構築と呼ばれる作業ですが、これはプログラミングをしたことがない人にとってはハードルが高いものです。プログラムに触る前の入り口部分にあたるので、そこで挫折してはせっかくのやる気が削がれてしまいます。難しい環境構築をせずにプログラミングを学習できるのは、Webサイトで学ぶメリットでしょう。
以下にそれぞれ、環境構築をせずにプログラミングを学習できるサイトを載せていきます。
・Progate
Progateは、HTML&CSS、JavaScript、Ruby、PHP等のプログラミング言語を学習することができます。Web関係のプログラミングやツールを学ぶことができるので、Web開発に携わってみたい方にオススメです。初歩レベルのレッスンであれば無料で受講できますが、もう少し詳しいレッスンを受講したい場合は、有料会員になる必要があります。
・paiza
paziaもProgateと同様に、C言語、Java、Python等のプログラミングを学ぶことができます。特徴としてスキルチェック機能というコーディング能力を図るサービスがあり、これを活用してランクD~Sの実績を得ることができます。ランクを上げることで、企業への就職オファーもすることができますので、プログラミング学習と就職活動両方並行してやりたい方にオススメです。こちらも、初歩的な内容は無料で受講できますが、詳しいレッスンは有料会員になることで受講できます。
3-1-2.書籍で学習
書籍でプログラミングを学ぶことは、環境構築をする必要があるので、最初に学ぶ方法としてはハードルが高いかもしれません。ですが、体系的に知識を身に着けやすいのが本で学習するメリットです。インターネットを活用して、情報収集もできますが断片的な知識になりがちなので、その点で言えば書籍の方に軍配が上がるでしょう。以下、オススメの本を上げていきます。
・スッキリわかるJava入門
https://sukkiri.jp/books/sukkiri_java3
最初に紹介するのは「スッキリわかるJava入門」という本です。プログラミング自体が初めての方やJavaを学んでみたい方にオススメとなっています。JavaはIT業界で良く使用されておりWebやデスクトップやスマホアプリ、組み込み系にも用いられていて、非常に需要の高い言語となっています。また、オブジェクト指向言語というプログラミング言語ではスタンダードとなっている仕様なので、特に学びたい言語がないという方には、まずJavaを学習することで実際の業務にスムーズに入っていけるでしょう。
・独学プログラマー Python言語の基本から仕事のやり方まで
https://www.nikkeibp.co.jp/atclpubmkt/book/18/C92270/
次は「独学プログラマー Python言語の基本から仕事のやり方まで」という本です。Pythonは今流行りの機械学習やAIで良く使用されています。また、Webアプリケーションや組み込み系等、様々な領域で使用されています。PythonもJavaと同様に、最初に学習するプログラミング言語としてオススメです。
3-2.資格を取得する
IT業界に就職するにあたって、資格を取得しておくことはとても強みになります。ここで紹介する資格はどちらもITの基礎知識を問うものなので、取得しておいて無駄になったりはしません。取得した後は、自分が進みたい領域によって資格を取捨選択するようにしましょう。(例えばAI分野に進みたい人はG検定やE資格といった資格がオススメです)
3-2-1. ITパスポート
https://www3.jitec.ipa.go.jp/JitesCbt/index.html
ITパスポート試験は、IPAが実施している国家試験であり、合格することでITの基礎知識を理解していることを証明できます。IT資格の入り口となっており、エンジニアだけではなく営業職や事務職など幅広い職種のひとが受験しています。
関連記事 関連記事3-2-2.基本情報技術者試験
https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/fe.html
基本情報技術者試験はITパスポートより、難易度が高い試験です。その理由は問題にC言語やJava、Pythonなどのプログラミング言語とアルゴリズムといったより技術寄りの問題が出題されるからです。業務経験がない状態で合格するのは難しいですが、就職する前に取得しておけば他の志願者に差をつけられて有利になるでしょう。もし取得してみたい方は、アルゴリズムとプログラム問題が難しいので、下記の書籍等で学習してみましょう。
関連記事・うかる! 基本情報技術者 [午後・アルゴリズム編]
https://nikkeibook.nikkeibp.co.jp/item-detail/41564
・徹底攻略 基本情報技術者の午後対策 Python編 第2版
4.IT業界は就職した後が一番大事!
ここまでは就職するまでの話を展開してきましたが、ここからは実際に就職してから心がけておくことを記載していきます。IT業界は就職活動より、むしろ就職してからの方が本番です。私はSEやPGとしてIT業界で4年以上経験してきましたので、その中で重要だと感じている心構えを、これからIT業界に踏み出すあなたにお話ししたいと思います。
4-1.最新の技術を常にキャッチアップする
IT業界はとても変化の早い界隈です。流行っていた技術が廃れて、また新しいスタンダードとなる技術がでてきます。そうなると、最初に身に着けた技術がいつまでも通用するわけではありません。新しい技術を身に着けるために、日々勉学に励む必要があります。仕事中だけではなく、プライベートの時間で勉強をしなければいけなくなるでしょう。しかし、勉強を苦痛だと思う必要はありません。プログラミングやIT技術に興味があれば、最新の技術を学ぶことは苦にならないでしょう。
4-2.職場での人間関係を大事にする
営業やマネジメント職はまた違いますが、エンジニアとして就職した場合、仕事の大半がパソコンの画面をみながらの作業になります。エンジニアの仕事は一人でもできる作業が多いので、他人とのコミュニケーションがなくても成立してしまうことがあります。ですが、一人だけではやはり解決できない問題に遭遇することもあります。そういったときは周りに頼ることで解決できることがありますが、普段から信頼関係を築いておくことで他の人も助けの手を差し伸べやすくなるでしょう。
周りが困っていたら積極的に助けるなど、自分だけのことを考えずうまく仕事が回るように助け合っていきましょう。仕事で築いた信頼関係は、職場を離れた後でも貴重なつながりとなるでしょう。
4-3.自分が将来どうなりたいか計画しておくことも大事
仕事中は与えられた仕事をこなすことが大事ですが、将来自分がどうなりたいかという計画性も持っておくと良いでしょう。そうすることで自分が身に着けておくべき技術は何か、またどういった資格を取得しておくことがアピールポイントになるか等、自分のやりたいこととIT業界で生き残っていくこと両方考慮して、自分の価値を高めていけるでしょう。
5.まとめ
ここまで見ていただき、ありがとうございました。ここまで文系でも就職できる理由、IT業界の主な業種や職種、就職する前の準備、そして就職してからの心構えをお話しさせていただきました。ここから実際に行動に移していただけると嬉しいですが、こういった世界もあるのだなと少し興味を抱いていただけるだけでもうれしいです。
自分が文系であるからと言って、IT業界に挑戦してみたいという気持ちを潰すのはもったいないです。せっかくの人生一度きりなので、自分がやってみたいことはぜひ挑戦してみてください。元文系でエンジニアとして働いている私からも応援してます。
コメント