ITコンサルタントとは?仕事内容や求められるスキル・成果を徹底解説

三国 竜治

インフラエンジニア/PM/PL/チーフリーダー/ボールド歴6年

ITコンサルタントとはIT業界の「専門家」を意味し、ITコンサルティング企業はコンサルファームと呼ばれています。IT企業が求めるITコンサルタントとは何か、ITコンサルタントとして活躍する為には、どの様な知識や技術が必要なのか、具体的に解説いたします。


1.ITコンサルタントとは

ITコンサルタントとは、IT企業が抱える経営問題などについて、解決する事を目的とした対策・改善・指導を提案し、その提案プロジェクトを成功に導く役割を持っています。

この役割を達成する為には、「専門家である事」と「お客様に寄り添うスタンス」と言った、IT企業が求めるものを理解し、そして実践出来なければなりません。

1-2.「評論家」ではなく「専門家」

IT企業には、様々な経緯による現状サービスが存在しており、そのサービスを支える為にシステムを構築してきたので、経営戦略やサービスやシステムの設計・動作・運用などに対し、良し悪しを評論若しくは批評する「評論家」を求めてはいません。

現状のサービスに対する問題対策や経営戦略の実現提案、そして何よりも、これらの提案を実現する実行力とマネージメント力を兼ね揃えた「専門家」が求められているのです。

1-2.お客様に寄り添うスタンス

IT企業が専門家を求める理由は説明しましたが、それと同じくらい求めるものがあります。

それは「お客様に寄り添うスタンス」です。

ITコンサルタントとして知識や技術を惜しみなく出すだけではなく、「お客様の立場になり、共に考え・共に苦しみ・共に発展させよう」と、歩み寄ってくれる存在を求めています。

つまりITコンサルタントとは、「お客様の立場になって寄り添い、評論・批評するのではなく、知識と経験を駆使して、お客様の様々な経営問題を解決する存在」となるのです。

1-3.ITコンサルタントとSEの違い

よくある質問の中で「ITコンサルタントとSEの違いは何か?」とありますが、大きな違いは「必要とされるきっかけ」と「求められる成果」です。

具体的には、ITコンサルタントを求めるきっかけは「企業が抱える経営問題」であり、SEを求めるきっかけは「システム要件」です。この様に求められるきっかけ「スタート地点」が異なります。その為、求められる成果も、ITコンサルタントの場合には「利益的な成果」であり、SEに求められる成果は「物理的な成果」と異なる訳です。

また、SEとはシステムエンジニアの略であり、「専門家」と「技術者」と言った存在の違いがあるとも考えられますね。厳密な違いが定義されている訳ではありませんし、求められるきっかけや成果が異なっていても、同じプロジェクトを達成に導くと言った「使命」や「責任」には大きく違いはないのです。

比較項目ITコンサルタントシステムエンジニア
必要とされるきっかけ企業における経営問題システムにおける各種要件
求められる成果利益的な目的の達成物理的な目的の達成
40歳における平均年収800万円656万円
40歳における平均月収50万円41万円

表1.ITコンサルタントとSEの違い

この様な違いではあるものの、それぞれの成果によってお客様が得られるものは大きく異なり、その結果として、ITコンサルとSEの報酬に、格差が生じていると考えられます。

※上記は年齢40歳における平均年収であり、年収の16分の1を月収としています。


2.ITコンサルタントの仕事内容

結論からしますと、ITコンサルタントの主な仕事内容は「問題解決」となります。ITコンサルタントに限らず、仕事とは問題解決だと言っても過言ではありませんが、特にITコンサルタントに求められる仕事と言えば、問題解決となるでしょう。

単に問題解決と言っても、様々な問題があるので一概には言い切れませんが、お客様が抱えられている経営的な問題に対し、現状把握・問題分析・リスク分析などを行い、課題を整理する事から始まり、どの様にして問題を解決するのか、どの様な体制と工数が必要となるのか等を、お客様の経営層へ提案し、実際にその指揮をとるケースが多く、必要な設計や構築作業などを実施したりもします。

2-1.問題解決とは

何かしらの理由により、期待値に達していない状態が「問題」と定義されています。つまり、問題とは現時点で既に発生している事実のことであり、理由となる根本的な原因を分析し、必要な対応や措置となる「課題」を、一つずつクリアしていく事が問題解決となります。

また、問題を放置した場合に引き起る「未来の問題」を「リスク」と呼び、問題・課題・リスクの分類が明確に行えていない場合、適切な分析が行えなくなるので、一度整理しておきましょう。

問題・課題・リスクの関係

図1.問題・課題・リスクの関係

2-2.ITコンサルタントの仕事例

あるECサイトを運営する企業にて、WebAPサーバの維持や管理コストが高く、また商品ラインナップやカテゴリ増加などにより、運用が煩雑かつコスト増が見受けられていました。

この経営問題に対し、何が問題の根本原因であるか現状把握を行い、現状からどの様に改善する事が重要なのか、未来に引き起る問題(リスク)を考慮し、改善提案を行う事がITコンサルタントとしての仕事となります。

改善提案までの流れ

図2.改善提案までの流れ

①現状把握

まずはシステム環境がオンプレミス・仮想・クラウドなど、インフラの基盤がどの様になっているのか調査します。そして全システムの物理的・論理的な構成、ネットワークの通信要件や制御、ミドルウェア・ソフトウェア・アプリケーションによるサービスなど、どの部署が管理しどの様なドキュメントが整備され、どの様に運用しているのか、システムの現状調査報告書を作成し、どこに問題が発生しているのか「問題の見える化」を行います。

この現状調査には多くの情報収集が必要となる為、(システムの規模にもよりますが)数か月かけて実施するケースが見受けられます。

②問題分析

問題の見える化を行った後には、その問題が発生する・発生しているメカニズムを分析します。問題分析についての詳細な説明は割愛しますが、問題を解決へ導く為には「仕組み」に着目する事がポイントであり、「どの様に改善する事で再発しないのか」を分析します。

問題分析の手法には、「トヨタ式なぜなぜ分析」などが有名であり、これまでにいくつもの問題を解決して来ましたが、このなぜなぜ分析は欠かせないものとなっています。

③リスク分析

問題を片っ端から解決して行くのは、多大なコストと時間が必要となってしまう為、問題を放置した影響度合い(リスク)から、解決すべき問題の優先度を定義します。この優先度の定義は、現場レイヤの問題意識と、経営レイヤの問題意識に乖離がある場合が多い為、有識者と決裁者間での意識合わせ会議などを開催し、間を取り持つ事がとても重要となります。

改善提案

いよいよ改善提案です。ITコンサルタントと言うと、この改善提案がメインと思われがちなのですが、改善提案を行うまでの上記①~③に、どれだけの時間と労力をかけ判断材料などの精度を高めて来たのかこそが、ITコンサルタントの質の高さとして現れます。

ここに、評論家と専門家の違いがあるのです。

⑤プロジェクトの達成

ITコンサルタントの契約としては、改善提案までを範囲とするケースも多いのですが、改善提案を具体的なプロジェクト計画に落とし込み、計画期間内にプロジェクトを達成へと導く事も、ITコンサルタントとしては重要な仕事となります。

⑥さらなる提案

改善すべき経営問題は決してなくなりませんが、一つの問題を解決した後に次の問題解決へと進むペースでは、いつまで経っても企業の発展が進まなくなります。問題の見える化や分析は常に継続され、経営問題をパラレルで改善していくなど、ITコンサルタントの仕事は繰り返し続いて行くのです。


3.ITコンサルタントになるには

IT全般に対する高い技術や知識があるほど、ITコンサルタントとして重宝される事は間違いないです。しかしながら、日々進化するIT技術の全てに対し、スペシャリストとなる事は非常に難しく現実的ではなく、ITコンサルタントになる方法としては、①IT技術のスペシャリストになる②ゼネラリストになる、の大きく2つが挙げられます。

3-1.IT技術スペシャリスト

特定の分野に対する専門性を高め、その分野においては誰からも認められるスキルを有しているエンジニアを示します。正しく専門家としてお客様から求められますが、特定のフェーズ(例えば設計や開発・構築など)での活躍を期待される事が多く、短期若しくはスポットとなるケースが見受けられます。(長期的に専門分野が必要となるケースもありますが、標準化・汎用化による内政が求められる現代の経営戦略としては、いつまでも専門家に頼る事を「良し」としないケースが多い為です)

3-2.ITゼネラリスト

広範囲に渡る業務フェーズ(要件定義・設計・構築・開発・運用など)に対応出来るITエンジニアを示し、代表的なゼネラリストとしてはプロジェクトマネージャ(PM)が挙げられます。

プロジェクトマネージャの業務に対する説明は割愛しますが、ゼネラリストとしては以下のスキルを持ち合わせている必要があります。

ゼネラリストが持ち合わせるスキル具体的な内容
1プロジェクトマネージメントプロジェクト計画・管理を行い、プロジェクトを成功へと導く事が出来る。
2要件定義/各種設計などのレビュー要件定義・基本・詳細設計書などが、お客様の要件に見合っているか、またはサービスに対する運用が適切に考慮されているかなどをレビューし、適切な指摘が行える。
3開発/作業手順書などのレビュー開発者若しくは作業者が作成するドキュメント類に対し、サービスやシステムに対する影響やリスクが考慮されているかなどをレビューし、適切な指摘が行える。
4成果物の検収お客様へ納品する成果物・作成物に対し、要件に見合ったものであるか、開発・構築工程とテスト結果から納品物として適切か判断出来る。

表2.ゼネラリストが持ち合わせるスキル

しかしながら、お客様が求めるITコンサルタントは、単なるスペシャリストでもPMでもなく、「経営問題を一緒に考え解決する専門家」となります。

3-3.経営問題を一緒に考え解決する専門家

スペシャリスト若しくはゼネラリストとして活躍し、広範囲に及ぶ問題解決力と、対策を実現させる事が出来るポテンシャルを併せ持ち、最善の結果を導き出すためにお客様の立場になって苦悩を共にする「プロフェッショナルエンジニア」を示します。ここで「エンジニア」と表現したのは、口先だけではなく自らが開発や技術支援を行い、問題解決に必要な対策を実現する「技術者」でもあり、評論家と専門家の違いを明らかにするためです。

比較項目評論家専門家
物事の見方主観的な見方。客観的でロジカルな見方。
発言の根拠自分の意見を軸に解釈や意見を述べる。精通した知識や技術に基づいた論理的な意見を述べる。
発言の責任評論・批評を行うが、改善や対策などに責任はない。評論・分析・提案を行い、改善や対策の実現に責任を持つ。
必要となる条件特になし。専門とする技術知識を有し、多くのステークホルダーからその実力を認められている。

表3.評論家と専門家の違い


4.ITコンサルタントに必要な技術力

ITコンサルタントとして活躍するには、①問題の分析と対策を打ち出す「問題解決力」、②より戦略的なアドバイスを行う「情報の収集・提供力」、③状況・状態を正確に伝え、対策の必要性や実現性をロジカルに説明する「コミュニケーション力」、④専門外の技術・知識を補える「様々な分野の人脈」が必要と考えられています。

その全てを一人で兼ね揃える事は非常に困難である為、専門家が専門家を支え合うコンサルティングファームが存在しているのです。

4-1.問題解決力

お客様が現状抱えている問題において、根本的な解決を目的とした改善・対策を見出し、実現へ導く能力を示します。プロジェクトマネージメントの領域でもあり、イメージを形にする為に最も必要な能力と考えられます。

4-2.情報の収集・提供力

広範囲に展開される情報を収集・整理すると共に、お客様に有益となる情報を提供する能力を示します。経営問題を打開する為の技術情報や、経営視点での戦略的な展開など、お客様に寄り添ったアドバイスを行う上で重要な能力となります。

4-3.コミュニケーション力

一般的な現場レイヤでのコミュニケーション力とは異なり、改善・対策・戦略などをお客様の経営レイヤ(主に上層部)へ説明を行い、実現に向けた決済や承認を取得する能力です。ITコンサルタントとしての信頼を築く上で最も重要なヒューマンスキルと言えます。

4-4.様々な分野の人脈

幅広く展開される経営戦略において、IT技術・知識のみではなく、法令・経理・人員リソース確保など、様々な分野の専門家と連携する人脈が必要となります。これらの人脈を個人で培う事は非常に困難であり、ITコンサルファームに属したITコンサルタントが多いのです。

また、お客様のパートナーや関連企業、若しくは専門家を紹介・引き合わせて貰えるかどうかも、ITコンサルタントとしての能力とも言えます。


5.ITコンサルタントに必要な資格

ITコンサルタントとして必須となる資格はありません。しかしながら、幅広いIT業界の中で活躍するには、多くの技術知識が必要であり、高度なITの専門分野を持つ証明として「ITストラテジスト」、「プロジェクトマネージャ試験」、「ITコーディネータ」などがコンサルタントとしてお勧めの資格となります。

資格受験対象者
ITストラテジスト試験(ST)

企業の経営戦略に基づいて、ビジネスモデルや企業活動における特定のプロセスについて、情報技術を活用して改革・高度化・最適化するための基本戦略を策定・提案・推進する者。また、組込みシステムの企画及び開発を統括し、新たな価値を実現するための基本戦略を策定・提案・推進する者。

IPA 情報処理推進機構】より引用

プロジェクトマネージャ試験(PM)

システム開発プロジェクトの責任者として、プロジェクト計画を立案し、必要となる要員や資源を確保し、計画した予算、納期、品質の達成について責任をもってプロジェクトを管理・運営する者。

IPA 情報処理推進機構】より引用

ITコーディネータ

真に経営に役立つIT利活用に向け、経営者の立場に立った助言・支援を行い、IT経営を実現する人材。

ITCA ITコーディネータ協会】より引用

表4.ITコンサルタントにお勧めする資格

またスペシャリストとして必要な資格は数多くありますが、いずれの資格も「取得するだけ」では意味がなく、お客様からも評価されにくいものです。IT技術資格を取得し実務に活かし、そして「更新する」事で初めてスペシャリストと評価されると言っても過言ではありません。


6.さいごに

過去、私が共に仕事をして来たコンサルタントは、口先だけでお客様を含めエンジニアをかき回し、最後にはいなくなるというケースが多かったのですが、近年、コンサルティングファームの成長や発展に伴い、非常に優秀な方々とお仕事する機会が増えました。莫大な情報量と日進月歩で進化する技術を、個人の能力だけで収集し把握する事は不可能な為、ITコンサルティングファームに属して自己研鑽する方々が増えているのだと感じています。

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