「システムエンジニアはきつい」は本当か?現役SEが解説します

「システムエンジニアはきつい」は本当か?現役SEが解説します

和田 康宏

和田 康宏

開発エンジニア/新卒6期/ボールド歴4年3ヶ月

システムエンジニアが「きつい」というイメージを多くの人が持っているようです。インターネット上の記事やSNSYouTubeなどでもこのトピックが取り上げられ、非常に様々な意見があります。ただ、この話題になると、どうしてもきついというイメージが先行し、システムエンジニアのやりがいなどが置き去りにされてしまっていると感じています。

私は文系出身かつプログラミング未経験の状態でSES業界に飛び込んで3年が経過しました。まだ経験は浅いかもしれませんが辛いことも楽しいことも経験し、素晴らしいエンジニアの方々にたくさん出会ってきました。これを踏まえた私の意見は「きついと感じることもあるが、やりがいも非常に大きい」ということです。そこで、本記事では、きついと言われる理由、きついと感じにくい・感じやすい人の特徴、困難を乗り越えるために必要なことなどついて説明します。本記事が皆様のキャリア選択の参考になれば幸いです。


目次

1.結論、システムエンジニアはきつい

いきなり結論を書いてしまいましたが、「きつい」か「きつくない」のどちらですかと聞かれれば、「きつい」というのが私の意見です。少なくとも楽だと思ったことは少なく、厳しい状況を何度も乗り越えた経験のほうが多いです。その一方で、厳しい状況を乗り越える過程での自身の成長とか、乗り越えた後に得られる周囲からの感謝とかがやりがいにつながります。そこで、なぜシステムエンジニアがきついかを理解することで、後述するシステムエンジニアのやりがいについても理解できると思うので、まずはシステムエンジニアがきついと言える理由から説明します。

1-1.高品質とスピード感が求められるから

システムエンジニアは決められた納期までに、決められた品質の成果物を納品することが仕事ですが、高品質でかつスピーディな開発が求められることがほとんどです。また、何らかの都合で成果物の仕様の変更が告げられたり、思わぬ不具合が発覚して大幅にプログラムの作り直しになったりすることもあります。すると、プロジェクトが山場を迎えると残業するなどして追い込みをかけながら成果物を作り上げます。このため、粘り強く考え続けるガッツを求められる場面が多いです。このような高品質とスピードが求められる中で努力して業務をこなすことによって、どこのプロジェクトでも役に立つ技術力を身に付けることができます。

1-2.役割によっては、夜間や休日の作業が発生することがあるから

全てのシステムエンジニアに当てはまることではありませんが、担当する役割によっては夜間や休日での作業が発生することがたまにあります。例えば、メンテナンス作業や、新システムを本番公開する作業は、ユーザーがシステムを使っていない時間帯で作業をしないといけないので、夜間や休日に行うことが多いです。また、予期せぬシステム障害などで、深夜だろうが休日だろうが緊急出勤して対応する場合もあります。このため、そのような役割を任された場合は、生活リズムの維持や心身の疲労回復に普段以上に気を配る必要があります。

1-3.高度な技術や知識が求められるから

システムエンジニアとして働き続けるためには、業務時間外や休日などの時間を沢山使って自己研鑽を続ける必要があります。というのも、今の職場で求められている技術力を身に付ける必要がありますが、とてもハイレベルなものを要求されることが多いです。また技術の進歩は極めて速く、今身に付けている技術が数年後には役に立たなくなるということが常に発生ます。それらを身に付けるためには、一朝一夕ではなく毎日の自己研鑽の積み重ねが必要になるので、システムエンジニアになるにはその努力をやり続ける覚悟が必要です。


2.システムエンジニアがきつい理由の補足

以上でシステムエンジニアがきつい理由について解説しましたが、すべてに当てはまる話かというとそうではないので、以下で補足します。

2-1.環境や時期によってきつさは異なる

システムエンジニアは必ずどこかのプロジェクトに所属して作業を進めるのですが、そのプロジェクトのマネジメント体制や集まったエンジニアのスキルによって業務負荷に大きく違いが出てきます。しっかりと顧客折衝や工数管理、リスク管理ができているプロジェクトに関しては、最小限の労力でプロジェクトを完遂できるので、きつい状況にはなりにくいです。一方、そのような完璧なマネジメントはなかなか難しく、どこかで余計な工数がかさんでしまうトラブルが発生し、エンジニアが疲弊しながらなんとか対処を重ねていくという状態になり得ます。また、想像に難くないとは思いますが、どのようなプロジェクトも、開始時点では残業の必要はあまりないですが、最後のリリース時期が近づくにつれて忙しくなりやすいです。したがって、環境や時期によってきつさは異なります。

2-2.他の職種と比べてきついかは人それぞれ

私はほかの職種で働いたことはないのですが、あくまでシステムエンジニアがほかの業種と比べてきついかどうかは人それぞれだと思います。きついことが全くない職種や業種がこの世に存在するとは考えにくいです。すでに述べた沢山勉強することや、粘り強く考えることはあくまでもシステムエンジニアがきつい理由であって、ほかの業種・職種と比べてどうという話ではないので、誤解のないようにしていただけると幸いです。


3.システムエンジニアがきつくてやりがいを感じにくい人はどんな人か

システムエンジニアの仕事がどれだけきつくて、どれだけやりがいを感じるかは人それぞれ違ってきますが、きつくてやりがいが感じにくい人はどのような人かをまとめたので、解説します。ただし、それに当てはまったからと言って、システムエンジニアに向いていない、というわけではありません。実際に業務に取り組みながら価値観が変わることも十分にあり得るので、もし今当てはまりそうだと思ってもあきらめないようにしてください。

3-1.努力が苦手な人

業務と両立しながら自己研鑽を積み重ねなければいけなかったり、粘り強く考え続けなければいけなかったりするので、苦しいと感じることは誰でもあります。また、新しい案件に配属されるたびに、今まで経験したことのない技術が求められると、それをキャッチアップするのに数か月はかかり、その間努力し続けることになります。従って、このような困難を努力して乗り越えていくことに苦手意識が強い人は、システムエンジニアの仕事がきついと感じやすいのではないかと思います。

3-2.仕事の目的が「給料をもらう」だけである人

システムエンジニアを続けるためには、給料以外に何かしら自分のモチベーションとなるものが必要です。すでに述べたように、キャッチアップするためなどに努力して自己研鑽を重ねる時間がとても多いので、給料だけがモチベーションになってしまうと、必ずどこかのタイミングで「割に合わない」と感じてしまうのではないかと思います。従って、「自分で世の中の役に立つシステムを作れるようになりたい」といった給料以外の仕事の目的を持つことが必要になってきます。

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4.システムエンジニアがきついと感じにくい人はどんな人か

ここまでは、システムエンジニアがきついと感じにやすい人について解説しましたが、当然エンジニアの仕事がきついとは感じにくく、楽しくやりがいを持って働くことができる人もいます。どのような人であればきついと感じにくいのかについて説明します。

4-1.勉強が好きな人

すでに述べたように、多くの時間をスキルアップのための努力に充てることになるので、勉強が好きな人であれば、きついと感じにくく、むしろモチベーションを高く保てるのではないかと考えられます。システムエンジニアとして業務や自己研鑽を重ねていくと、使ったことがないライブラリの使い方や、よりバグが発生しにくかったり、仕様変更に対応しやすかったりするプログラムの書き方など、常にわからないことや新しい発見の連続です。また、特にシステム開発においては、エンドユーザーの業務をシステムに落とし込むので、当然IT関連の知識だけでなく、エンドユーザーの業界や業務に関する知識も求められます。従って、勉強が好きな人は、上記で述べたスキルや知識の習得をすべて勉強と捉えることによって、楽しくやりがいをもってシステムエンジニアとして活躍できるのではないかと思います。

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4-2.好奇心旺盛な人

システムエンジニアの仕事に、好奇心は欠かせません。勉強が好きな人と似ているのですが、「もっとこうしたらきれいなコードにできるのではないか?」とか、「このような観点で調べてみよう」とか、「〇〇について知りたい」とかといった好奇心を心の中にたくさん持っている人は、業務知識やプログラミングなどのITスキルのキャッチアップに楽しく取り組むことができます。また、このような好奇心旺盛な人が作成する成果物は、普通と比べて様々な工夫加えられており、品質の高いエンジニアとして高評価を得ることが多いです。従って、好奇心旺盛な人はシステムエンジニアとして充実した毎日を送れる可能性が高いと言えます。

4-3.誰かに貢献したいという意欲が強い人

これは意外かもしれませんが、他人のために貢献したいという意欲が強い人はエンジニアがきついと感じにくいのではないかと考えています。時にはきついと感じるかもしれませんが、やりがいを感じながら活き活きと仕事に取り組めるはずです。というのも、例えばシステム開発の場合は、当然誰かに使ってもらうためのシステムを作るので、そのような意欲が強い人は、必ず「もっと便利な画面処理をどうやって開発しよう?」とか、「もっと処理速度を上げるためにはどのように書くべきだろうか?」といったことを考えながら開発業務に取り組みます。すると、それらを全く考えない人よりも圧倒的に高品質な成果物を作り上げることができるので、周りのエンジニアやユーザーから感謝され、やりがいを持って働くことができるのです。このように、誰かに貢献したいという意欲が強い人は、システムエンジニアの仕事にたいして「きつい」といったネガティブな感情を感じにくく、やりがいを感じながら働くことができると言えます。


5.きついだけではなく、やりがいも大きな仕事である

これまでは、システムエンジニアのきつさとか、きついと感じやすい人・感じにくい人について説明しましたが、ここからはシステムエンジニアのやりがいについて説明します。冒頭でも述べましたが、システムエンジニアはきつい部分もありますが、やりがいの大きな仕事です。実際に働いてみてどのようなやりがいがあるかを幾つか紹介します。

5-1.努力すればするほど成長でき、それを実感しやすい

努力すれば成長できる、というのはエンジニアに限らずすべての職種に言えることかもしれませんが、システムエンジニアに関してはそれが実感しやすいのではないかと思います。その理由は、全てではないですが勉強したことを活かして成果物を作るなど、努力がそのまま結果につながることが多いからです。例えば、プログラミングをする際は、未経験のプログラミング言語を取り組むときや、プログラミングそのものの経験が浅いときなどは、簡単なプログラムを組むこともかなり苦労しますが、数か月間努力すると、「最初のころに比べてかなりできるようになった!」と感じる瞬間が必ず訪れます。するとそれがやりがいとなり、さらに努力して技術力を向上させたいという意欲を掻き立てます。このように、努力次第でいくらでも成長し、それが実感しやすいことがやりがいの1つではないかと考えています。

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5-2.自分たちが作り上げたシステムが、社会を支えていることを実感できる

言わずもがなですが、今やITシステムは人々や企業、社会全体を支えています。世の中には様々なプロジェクトがありますが、どのようなプロジェクトに所属していても、自分たちが作ったシステムが多くの人が使い続け、役に立っていることを実感すると、システムエンジニアの仕事が誇りに思えてきます。例えば、企業の基幹システムの開発・運用に携われば、その企業の業務全体を支えていることになりますし、ショッピングサイトや申し込みサイトの構築に携われば、自分が開発したシステムを日本(世界)中の不特定多数の人が操作し、そのサイトを運営している企業の売り上げを左右することになります。このように、非常に多くの人々の縁の下の力持ちとなれるので、そこに携われること自体がやりがいになります。


6.困難を乗り越えるために必要なこと

これまで紹介した通り、システムエンジニアはきつい点とやりがいが両方存在しますが、ここからは私が日々業務に取り組みながら感じている、システムエンジニアとしての困難を乗り越えるためにどのようなことが必要なのかについて説明します。

6-1.正当な評価と周囲のサポートが受けやすい環境を選ぶ

システムエンジニアのきつさを乗り越えるためには、環境選びが重要なポイントの1つです。システムエンジニアは努力すればするほど成長することができますが、その努力に対して正当に評価をしてくれる環境で働くことができれば、モチベーションを高く取り組むことができます。また、わからないことがとても多く発生するので、有識者のサポートが受けやすい環境であれば、そうでない環境よりも速くスキルをキャッチアップすることができます。客先常駐やリモート勤務になることが非常に多く、同じ会社の人がすぐそばにいるとは限りません。そのような中でも、どれだけ客観的に社員を評価しようとしているか、またどれだけ社員同士のつながりを大切にしているかは会社によって様々なので、それらが充実している会社を選ぶことがとても重要になってきます。

6-2.たまには気分転換する

システムエンジニアは非常にたくさん勉強しないといけないため、休日の時間も自己研鑽に充てることが多くなります。しかし、休日の時間をほぼすべて使って努力しないといけないかというと、そうではありません。むしろ自分の趣味の時間もある程度は確保しないと、ずっと気を張り詰めてしまい、精神が不安定になってしまいがちです。従って、全ての社会人に言えることでもありますが、気分転換はシステムエンジニアにとっても重要なことの1つです。

6-3.毎日1日を振り返り、小さな成長を実感する

努力すればするほど成長できる職種ではありますが、大きな成果を出せるようになるには時間がかかります。そのため、毎日少しずつ1日を振り返り、新しく学んだことを振り返る習慣を身に付けることがお勧めです。日記のような形で記録していくと、振り返るときにより成長を実感しやすくなります。少し伸び悩んでいると感じたときに振り返りの習慣があると「大丈夫、これまで頑張ってきたのだから今後も頑張れる」と自分自身を奮い立たせるので、とてもお勧めの習慣です。


7.困難を乗り越えたその先で経験できること

ここからは、システムエンジニアが困難を乗り越えた先でどのような経験ができるのかについて説明します。システムエンジニアの仕事は、きついことばかりでは決してありません。本記事の前半部分を読んで少し不安になってしまった方でも、これから説明することを読んでいただくと、システムエンジニアという仕事に対してワクワクするのではないかと思います。

7-1.プロジェクトが成功したときは、想像以上の感動を得られる

自分が従事しているすべての工程が無事に終了し、プロジェクトの成功が実現したときは、想像以上の感動を得られます。予期せぬトラブルや難しいロジックの構築が求められ、それを何度も粘り強く考えて乗り越えられたときに得られる達成感は非常に強いです。それだけでなく、エンドユーザーの偉い方など、非常に多くの方から直接感謝や労いの言葉をいただいたり、最高のパターンだと感謝状などもいただけたりすることも本当にあります。そのような経験をすると、「頑張ってきて本当に良かった」と思うことができ、システムエンジニアの人生において貴重な財産となります。

7-2.どこのプロジェクトでも頼られる人材となれる

幾多の苦労を前向きにとらえて乗り越えていくうちに、必ずどのようなプロジェクトでも頼られる人材となることができます。プロジェクト内で発生する問題は様々ですが、それらを粘り強く考えて解決してきた経験や、日々の業務や自己研鑽の積み重ねで培ってきた技術力を次の現場でアピールすると、必ず歓迎されます。そして、それは必ずしも経験豊かな技術力が高い人だけではなく、まだ経験が浅い人でも実現可能です。そのような人でも、なりたいエンジニア像に向かって日々の努力と困難に立ち向かう姿勢を見せることで、プロジェクトマネージャーから「あなたはのびしろがあるからぜひ私たちのプロジェクトで頑張ってもらいたい」などと言われ、頼りにされることも本当にあります。従って、技術力が高くないと充実した日々を送れないということは全くなく、日々の困難に立ち向かい努力を通じて乗り越えることで、年齢や経験に関係なくどのプロジェクトでも頼られる人材となることができます。

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8.さいごに

本記事ではシステムエンジニアがきついと言われていることについて解説しました。確かに様々な理由できついと感じる部分もありますが、やりがいも大きな仕事でもあります。ですから、システムエンジニアに興味がある人は、「エンジニアはきついよ」という声を耳にしたとしても、それだけで諦めてはもったいないです。困難を乗り越えれば必ず誰からも頼られて充実した日々を送れるので、少しでも頑張りたいと思ったのであればぜひチャレンジしてみてください。

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