
統合開発環境(IDE)とは?初心者におすすめの統合開発環境7選
統合開発環境とは、コーディング作業を効率化し、開発の質を高めるためのアプリケーションです。
現代のプログラミングにおいて、統合開発環境は必須のものです。
ですが、プログラミングの経験が無い方には、どのようなものであるのか、イメージが湧きにくいものです。
この記事は、統合開発環境について解説し、具体的なイメージを持ってもらうことを目的としています。
統合開発環境について知ることは、プログラミング学習の第一歩とも言えます。この記事を読むことで、一歩目を踏み出しましょう!
1.統合開発環境とは何なのか?を知ろう!
統合開発環境は、決して難しいものではありません。
むしろ、プログラミングのハードルを下げてくれるものです。具体的に説明していきましょう。
1-1. そもそも統合開発環境とは?
これは、統合開発環境の1つであるEclipseの画面です。
ほとんどの統合開発環境は、似たような画面構成になっています。統合開発環境は、この画面のようなアプリケーションだとイメージしてください。
統合開発環境は、様々な機能が統合されています。機能が統合されているため、効率的に開発を行うことが出来ます。
主な機能には、エディタ機能、コンパイラ機能、デバッガ機能等があります。
1-2.統合開発環境の機能
統合開発環境の主な機能を解説します。
・エディタ機能
エディタ機能は、コードの記述を補助してくれる機能です。
記述されたコードを解釈し、付随する情報を自動的に表示します。構文ルールに違反したコードを記述してしまった場合は、警告が表示されます。変数名・関数名を途中まで入力すると、入力する変数名・関数名の候補が表示されます。エディタ機能を使用すると、ストレスを感じず、スムーズにコードを記述することが出来ます。
・コンパイラ機能
コンパイラ機能は、記述されたコードを実行出来る状態に変換する機能です。
記述したコードをすぐに変換し、実行することが出来ます。開発作業は、コードの実行を何度も繰り返す必要があります。そのため、コンパイラ機能を使用すると、開発効率は格段に向上します。
・デバッガ機能
デバッガ機能は、実行中のプログラムの動作を確認する機能です。
プログラムを実行途中で一時的に停止させ、段階的に徐々に実行していくことが出来ます。デバッガ機能を使用すると、プログラム内の問題がある箇所を短時間で発見することが可能になります。
1-3.機能が統合されていることによる効果
統合開発環境を使用することによる最大のメリットは、統合開発環境一つで開発作業を進められることです。
開発作業は、統合開発環境を使用せずに行うことも可能です。
ですが、エディタ・コンパイラ・デバッガ等の機能を持つアプリケーションを複数立ち上げ、使い分けながら進める必要があります。
統合開発環境は、これらの機能が統合されているため、一つのアプリケーションで効率的に開発を進めることが出来ます。
2.実際の開発現場で統合開発環境をどう使われるのか?を知ろう!
開発現場に入って実際に開発を始めると、まず、統合開発環境に触れることになります。
統合開発環境の使われ方を見ていきましょう。
2-1.統合開発環境は開発に必須
統合開発環境は、ほぼ全ての開発現場で使用されています。
これは、統合開発環境を使用せずに行う開発は、効率が著しく低下するためです。開発現場でスムーズに作業に入るためには、事前に操作を学習しておくことが効果的です。
2-2.無償版と有償版
統合開発環境には、無償版と有償版があります。
無償版も、多くの現場で使用されています。有償版は高機能ですが、多くの開発は無償版で十分に対応が可能です。
また、有償版は無償版に機能が追加されたものであり、画面構成や操作方法は大きく変わりません。
開発作業に備えた学習を行う場合、無償版の学習で十分に効果があります。敢えて有償版を学習する必要はありません。
ほぼ全ての統合開発環境は、無償版が存在します。有償版しか存在しないものは非常に稀です。有償版の例としては、以下のようなものがあります。
| 統合開発環境名 | 有償のEdition名/ライセンス名 | 金額 (2025/6 現在) |
| Visual Studio | Professional Subscription | 年間 ¥154,095 |
| PyCharm | Pro (個人利用) | 年間 \13,860 |
| IntelliJ IDEA | Ultimate (個人利用) | 年間 \23,660 |
| Xcode | Apple Developer Program | 年間 $99 (\13,860) ※$1=\140で計算 |
2-3.統合開発環境とフレームワーク
フレームワークも多くの開発現場で使用されています。
フレームワークがない場合、各開発者のコードはバラバラな書き方になる傾向があります。フレームワークは、コードのばらつきをなくし、統一された開発ルールを提供するものです。
フレームワークの真価は、統合開発環境と組み合わせることで発揮されます。統合開発環境上でフレームワークを使用すると、エディタ機能やデバッグ機能がより効果的に働き、開発効率は飛躍的に向上します。
3. 統合開発環境、どれを使えばいいのか?を知ろう!
統合開発環境には、様々な状況に対応した多様な種類があります。一部をご紹介します。
| 統合開発環境名 | 言語特化型orマルチ型 | よく使用される言語 |
| Visual Studio | マルチ型 | C#, C++, F#, VB.NET, Python, JavaScript, TypeScript, ASP.NETなど |
| Eclipse | マルチ型 | Java, C++, PHP, Python, JavaScript, Ruby, Perlなど(プラグインにより拡張) |
| PyCharm | 言語特化型 (Pythonに特化 | Python |
| RubyMine | 言語特化型 (Rubyに特化) | Ruby, Ruby on Rails |
| IntelliJ IDEA | マルチ型 | Java, Kotlin, Groovy, Scala, Python, JavaScript, TypeScript など |
| Android Studio | 言語特化型 (Android開発に特化) | Java, Kotlin, C++ |
| Xcode | 言語特化型 (iOS/MacOS開発に特化) | Swift, Objective-C, C, C++ |
3-1.統合開発環境には、言語特化型とマルチ型があります!
・言語特化型
特定のプログラミング言語専用の統合開発環境です。Python専用のPyCharm、Ruby専用のRubyMine等があります。専用であるため、言語固有の細かい仕様にまで対応したものとなっています。
・マルチ型
様々なプログラミング言語に対応した統合開発環境です。Visual Studio、Eclipse等があります。複数の言語を使い分けながら開発することが出来ます。
3-2. C#,C++ には Visual Studio を使おう!
C#・C++ を学習したい方は、Visual Studio を使うのが最適です。Visual Studioは、Microsoft社製の統合開発環境です。
また、C# はMicrosoft社が開発したプログラミング言語です。そのため、C# の開発では、Visual Studioが広く使用されています。C++ はMicrosoft社が開発したプログラミング言語ではありません。
ですが、C# と同様に、C言語をベースにして開発されており、C# と構造が似ています。そのため、Visual Studio との親和性が高く、C++ の開発でもVisual Studioが広く使用されています。
【Visual Studio ダウンロードはこちらから】
https://visualstudio.microsoft.com/ja/
3-3. JavaにはEclipseを使おう!
Javaを学習したい方は、Eclipseを使うのが最適です。
EclipseはJava専用の統合開発環境として開発がスタートしたものです。現在は他の言語にも対応していますが、Javaの構造に最適化されています。そのため、Javaの環境設定をスムーズに行うことが出来ます。
Javaの解説書はEclipseを使用して解説しているものが多くなっています。また、ネット検索で手に入る情報も、Eclipseに関するものが多くなっています。これは、Eclipse が Java の統合開発環境として長く使用されてきた歴史があるためです。
【Eclipse ダウンロードはこちらから】
https://willbrains.jp/
【Eclipseの画面】

3-4.Python には PyCharm を使おう!
Pythonを学習したい方は、PyCharmを使うのが最適です。PyCharmは、Python専用の統合開発環境です。
PyCharmに対応しているフレームワーク、ライブラリの種類は非常に豊富です。機能的にも、Python用の統合開発環境では最も高機能です。
PyCharmは、初学者にも学習を始めやすくなっています。これは、基本機能に絞って提供している無償版が存在するためです。
【PyCharm ダウンロードはこちらから】
https://www.jetbrains.com/ja-jp/pycharm/
3-5.他の統合開発環境
統合開発環境は、他にも様々な種類が存在します。一部になりますがご紹介します。
・IntelliJ IDEA
近年、次世代のJava用統合開発環境として頭角を表しています。現在は、新規開発・個人開発で使われるケースが多くなっています。
長く続いている大型プロジェクトでは Eclipse が使われているケースが多いですが、その分野でもEclipseに取って代わろうとしている存在です。
【IntelliJ IDEA ダウンロードはこちらから】
https://www.jetbrains.com/ja-jp/idea/
・Android Studio
Androidアプリ開発用の統合開発環境です。Kotlin、Java等に対応しています。Androidを開発したGoogle社によって開発された統合開発環境で、Androidアプリ開発において標準となっています。
【Android Studio ダウンロードはこちらから】
https://developer.android.com/studio?hl=ja
・Xcode
iOS/MacOSアプリ開発用の統合開発環境です。iOS/MacOSアプリ開発に使われるSwift等に対応しています。iOS/MacOSを開発したApple社によって開発された統合開発環境で、iOS/MacOSアプリ開発において標準となっています。
【Xcode ダウンロードはこちらから】
https://developer.apple.com/jp/xcode/
3-6.統合開発環境の共通性
最初にどの統合開発環境を使うか、迷うことはありません。
なぜなら、たとえ異なる種類の統合開発環境であっても、画面構成・操作方法が非常に似ているからです。
そのため、どれか一つを使いこなせるようになれば、他の統合開発環境を初めて操作する場合でも、ある程度扱うことが出来ます。
最初に選んだものが何であっても、その経験は必ず将来の役に立ちます。
4.さいごに
ここまで読み進めて来ることで、あなたの中で統合開発環境のイメージは、ぼんやりとしたものから明確なものに変わっています。
そして、「実際に使ってみたい」という気持ちになっているはずです。その気持ちを大切にするべきです。今すぐ、PCにインストールして、実際に使ってみましょう!
ほとんどの統合開発環境は、無償版が存在しています。迷う理由はありません。










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