
ゲームエンジニアとは?仕事内容、年収、将来性やスキルについて解説
人気を誇るゲーム開発をするゲームエンジニア。
ゲームエンジニアには家庭用ゲーム機用のゲームエンジニアや、ブラウザゲームを作るゲームエンジニア、3Dの大迫力画面を使用したりVRを使用するゲームエンジニアなど、いくつかの種類があります。
どれも共通して言えるのは、ゲームに関する知識と高度なプログラミング知識が必要不可欠ということです。
ここでは、ゲームエンジニアの仕事内容、現場で求められる知識やスキル、ゲームエンジニアになるにはどうしたらよいのか、そして将来性について徹底解説します。
目次
1.ゲームエンジニアとは
ゲームエンジニアは働く領域によって求められる知識やスキルは変わりますが、共通していえる求められる資質は企画者と上手にコミュニケーションを取りながら、ユーザーに支持されるゲームをカタチにする力です。デバイスのトレンドによってプラットフォームは変動しますが、ゲーム自体のニーズは高いので人気は将来も続くでしょう。
1-1.ゲームエンジニアの仕事内容とは?
ゲームエンジニアの仕事は、家庭用ゲームやスマホゲーム、SNS上にあるソーシャルゲーム等のゲーム開発が主な仕事内容です。最近では、3DやVR技術の発達に伴い、それらの技術を用いたゲーム開発も行われるようになってきています。ゲームエンジニアは、ゲームに使用されるBGMや背景の設定、更には登場人物を動かすためのプログラムを組むことが主な仕事内容になります。
その他の業務内容として、ゲームクリエイターとのコミュニケーションがあります。ゲームクリエイターはゲーム開発における企画案を考え、企画案ではゲーム内容や仕組み、仕様、ゲームのシステムについて検討します。ゲームクリエイターがプログラミングに詳しくない場合もあるため、ゲームエンジニアが企画案を一緒に練ることで実現性の高いゲーム企画を作成することができます。
1-2..ゲームエンジニアの年収
ゲームエンジニアの年収は、働く環境によって大きく左右されます。ゲームエンジニア全体の平均年収は、415万円前後です。任天堂やソニー等の大手ゲームメーカーでは、700万円以上の年収を見込むことができますが、中小企業やベンチャー企業では、300~500万円程度の年収が平均的です。一般的には大手企業になるほど、ゲームエンジニアの年収が高くなる傾向があります。
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2.ゲームエンジニアになるには?
2-1.ゲームエンジニアになるための必要な知識
ゲームエンジニアになるための必要な知識は、新卒と中途で変わってきます。中途の場合は即戦力が求められるため、先述したように働く環境ごとの特性に対応できる知識が要求されます。新卒でゲームエンジニアになるには、プログラミングと数学の知識が重要になってきます。キャラクターの動作など、ゲーム開発にはプログラミングだけでなく関数などの数学がかなり必要とされるため、数学の素養は重視されます。
関連記事2-2.ゲームエンジニアに必要なスキル
技術的なスキルについては、先述の通り、デバイスによって異なります。またゲーム開発ではチームで動くことが多いため、協調性やコミュニケーション能力は必須です。
ハード機用のゲーム開発では、CやC++のプログラミングスキルが必要です。ハード機のゲーム開発では、上記の2言語が主流となっています。スマホゲームではIOSとAndroidで主流となるプログラミング言語は異なっており、IOSではSwift、Androidでは、JavaやCといったプログラミングスキルが必要です。その他にもネットワーク関連のスキル(TCP/IP)も必要になります。
関連記事2-3.ゲームエンジニアに求められる現場
ゲームエンジニアが求められる現場は、基本的にゲーム会社となります。ゲーム会社といえども、家庭用ゲーム機用のゲームソフト開発をしている企業や、スマホやタブレット向けのゲームアプリやソーシャルゲームの開発を行っている企業と、多岐に渡ります。特に最近ではアプリゲームの人気が高く商品サイクルが短いことから、ゲームアプリ分野でのニーズは高まっています。
2-4.ゲームエンジニアに求められる専門性
ゲームエンジニアの現場で求められる専門性は、全種類共通なものと働く領域によって変わるものに分かれます。共通のものとしては、キャラクターの座標計算や銃弾の動きを計算する関数計算、攻撃力を計算するアルゴリズムといったものがあります。次に働く領域ごとの特徴をみていきましょう。
家庭用ゲーム機のゲームエンジニアの場合は、ハードに関する知識がメインになります。ハードにはどのような機能があり、機能を動かすためのプログラミングスキルが求められます。多くの場合は、C言語もしくはC++を使ってプログラミングします。インターネット上のゲームとは異なり、完全製品として出荷されるため、バグは決して許されないという環境が大きな特徴です。
ソーシャルゲームやブラウザゲーム、通信型格闘技系ゲームなどのインターネット系のゲームエンジニアは、Webの知識も必要になってきます。回線の混み具合によって動作環境が左右されないようにするといった知識は、ユーザーの満足度に大きく影響するため非常に重要です。インターネット系のゲームエンジニアに求められるスキルとしては、C言語、Ryhon、Java、Ruby、JavaScriptなどのWeb系言語と呼ばれるプログラミング言語がメインになってきます。
3DやVR系のゲームエンジニアは、新しい技術のために高度で専門的な知識が必要です。この分野では海外の最新状況に追いつくための英語力も必要です。求められるスキルとしては、C言語、C++、JavaScriptなどがあります。またアルゴリズムの記述といったスキルも求められます。
関連記事2-5.ゲームエンジニアに活かせる資格
ゲームエンジニアは、基本的に経験や実力を重視するため、ゲームエンジニアになるにあたって必要な資格はありません。しかし、最低限持っておくと良い資格が2つあります。それは、「基本情報技術者」と「TOEIC」です。
「基本情報技術者」は、IT系の国家資格で、情報処理理論やネットワーク理論、更にはマネジメントと幅広い知識が問われ、IT業界に携わる人なら確実に必要となる資格です。専門学校では、取得が必須になっている場合もあります。大学生や転職、独学でゲームエンジニアを目指す人にも必要な資格です。
「TOEIC」は、ビジネス英語の資格で最も人気のある資格の一つです。ゲームエンジニアでは、キャッチアップのために最新の技術資料を読んだり、時には、海外の人と英語でやり取りをしたり場合もあります。最新の技術資料は、基本的に英語のため、ビジネス英語だけでなく技術英語・専門英語の知識も必要になりますが、これは資料を読み続けることで、自然と身につけるができるでしょう。
関連記事2-6.ゲームエンジニアになるための有利な学校
ゲーム業界では、志望者でもある程度の経験(シナリオ執筆やゲームのディレクション)を求められる場合があります。その場合は、ゲームの専門学校に通学することがおすすめです。もちろん、独学でも学習が可能ですが、デメリットとしては、自ら探して動かないと人脈を増やすことが難しいです。また、挫折をしてしまう可能性もありま。一方専門学校では、ゲーム業界で仕事をしている(していた)プロの講師から教えてもらうことができるため、効率的に必要な知識を学ぶことができます。その他にも、友人や講師の人脈を使って、ゲーム業界の人脈を増やすことができます。さらに求人票や就職サポートも手厚い専門学校もあります。
代表的な専門学校としては、日本電子専門学校やバンタンゲームアカデミーといった学校があります。期間は学部にもよりますが、基本的には2~3年かかります。またトータルの学費も200~300万円かかるため、金銭的・時間的なコストはかかりますが、実践でも身につくスキルや知識を第一線で活躍するプロから教えてもらうことができ、更には人脈形成ができると考えると、元がとれると考えられます。また、大学進学の場合は、情報系の学部に入学しプログラミングを学ぶことで、ゲームエンジニアへの道が開けることもあります。
3.ゲームエンジニアの将来性
3-1.ゲーム業界の成長性
ゲーム業界全体としては、現在衰退の一途をたどっているという意見があります。これは一部の企業でゲームエンジニアをはじめ、ゲーム開発に携わる関係者の労働条件や待遇が悪く、社員を大切にする文化がなかったことが挙げられます。これにより、優秀なゲームエンジニアが退職してしまい、人材の流出がみられました。現在では、労働環境を改善しようとする企業も増えてきているため、そうしたネガティブな要素は払しょくできるとゲーム業界を再び盛り上げることができるかもしれません。
更に、DSやPlayStationといったハード機や専用ソフトの売り上げが徐々に落ち始めているのも衰退の原因に一つと考えられます。しかしその一方では、スマホゲームやソーシャルゲームの人気があります。そのため、今後はゲーム業界の成長を担うのは、スマホゲームやソーシャルゲームかもしれません。ゲーム業界は、今までにない斬新なゲームが発売されることで世間の注目を集めることができます。
更に、3D技術やVR・AR技術の発達により、ゲーム開発が可能なデバイスが増えてきています。今後も技術革新によって新しいデバイスが登場する可能性は大いにあります。そのため、ゲーム業界の成長性・将来性は高いとみることができます。
3-2.ゲームエンジニアに今後求められるスキル
ゲームエンジニアに求められるスキルとは、いったい何でしょうか。一つは、複数の言語を扱えるスキルです。先述の通り、デバイスによってゲーム開発のプログラミング言語が異なります。そのため、複数のデバイスでゲーム開発ができるスキルが必要です。また、3Dや仮想現実といった新たな技術が生まれてきています。ゲーム業界でも、これに対応できるゲームの開発を急いでいる企業もあります。そのため、3D関連の知識や仮想現実(AR・VR)の知識を持っていると、今後役に立つと考えられます。
4.まとめ
以上、ゲームエンジニアの仕事内容やなり方、将来性についてみていきました。ゲームエンジニアでは高度なプログラミングスキルとゲームに対する熱意が求められます。また、経験重視でもあり、就職・転職面接では、ポートフォリオの提出が必要になる場合もあります。そのため、ゲームエンジニアに興味がある方は、プログラミングスキルを磨き、自分で試しにゲームを作って、実績を積み重ねていくことが重要だといえます
- ゲームエンジニアは、大きくハード依存系、インターネット系、3DやVR系に別れる
- ゲームエンジニアに求められる知識やスキルは、タイプによって大きく異なる
- 3D、AR系は海外の情報を収集する英語力も求められる
- ゲームエンジニアには、今後複数のデバイスでゲーム開発できるスキルが求められる
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