
セールスエンジニアとは?営業との違い・仕事内容や年収について解説
皆さんはセールスエンジニアという仕事をご存知でしょうか?
「エンジニアなのにセールス?」と思われた方も多いかもしれませんが、実際に営業活動を行う中でエンジニアとしての知識と経験が必要とされる場面があるのです。
今回はそんなまだまだ日本では知られていないセールスエンジニアの仕事内容から年収、求められるスキルなどを、分かりやすく説明します。
目次
1.セールスエンジニアとは?
エンジニアの経験を活かし、顧客の質問に答えたり、システムの導入・運用面での詳細な説明をしたりするセールスエンジニア。
エンジニアとしての経験や知識が結果的には顧客の不安を解消し、顧客満足や継続受注にもつながる非常に重要な仕事です。
1-1.セールスエンジニアの仕事内容とは?
セールスエンジニアには様々な役割がありますが、主な仕事はお客様が自分たちの商品を正しく活用できるように営業ではカバーできない専門的な視点で商品を説明し、営業を手助けすることです。
具体的な仕事内容は「営業のサポート」「導入支援」「アフターサポート」の三つです。
まず一つ目の「営業のサポート」は、営業とともにお客様のもとに出向いて、技術的な視点で自社の商品を紹介したり、お客様の要望をヒアリングして、それにあった商品あるいはその活用法を提案したりします。時には商品の価値を伝えるために、お客様に合わせたサンプルプログラムを数日で書くといった速さが求められるような仕事もします。
二つ目の「導入支援」は、システムを導入する際、そのシステムの使い方をお客様にレクチャーしたり、テスト運用のサポートをします。システムを正しく活用してもらうためにサポートし、お客様を満足させるのもセールスエンジニアの仕事です。
また導入後の不具合などに対応する「アフターサポート」もセールスエンジニアの仕事の一つになります。
1-2.セールスエンジニアの年収
セールスエンジニアの平均年収は約617万円となっており、総合的な平均年収より200万ほど高くなっています。
また年代別に見ていくと、20代が380〜430万円、30代が550〜600万円、40代が590〜640万円です。他のエンジニア職と比べてもセールスエンジニアの平均年収は高くなっています。ここから、セールスエンジニアは高い技術と知識が要求されることが分かります。
2.セールスエンジニアになるには?
2-1.セールスエンジニアに必要な知識
もちろんITエンジニアとしての高度な知識が必要とされます。ITに詳しくないお客様にも商品のことを理解してもらえるよう、豊富な知識とシステムに対する深い理解が求められるのです。
またお客様が困っていることをIT技術で解決するために、IT技術の活用法なども学んでおくと役立ちます。そしてセールスエンジニアは営業のサポートなので、自分の会社がどういった分野を得意としているかを把握しておくことも大切です。エンジニアリングに関する知識に常に関心を持つように心がけましょう。
2-2.セールスエンジニアに必要なスキル
セールスエンジニアには「コミュニケーションスキル」と「エンジニアリングスキル」の二つのスキルが求められます。
エンジニア系の職業と聞くと、一人で黙々とプログラミングをしているイメージがあると思いますが、セールスエンジニアでは特に「コミュニケーションスキル」が重要になります。IT技術に詳しくない人間にも分かりやすく商品とその活用方法を説明する能力や、お客様が困っていることや要望をヒアリングし、適切な商品やその組み合わせを売り込むプレゼンテーション能力が求められるのです。
またセールスエンジニアの仕事にはデモ実演というものがあり、お客様の要望に一つ一つ合わせて設計し、実際に作動するサンプルプログラムを作らなければなりません。数日や数週間で作らなければならないので、品質よりも早さに特化した「エンジニアリングスキル」を身につけておきたいです。
関連記事2-3.セールスエンジニアの求められる現場
先ほども説明したようにセールスエンジニアは、お客様に専門的な視点で商品を提案し、正しく活用してもらうように説明するのが仕事です。
皆さんも高い買い物をするときには、多くの情報をもとにどの商品にするか判断するのではないでしょうか?例えば洗濯機を買うとき、電気屋さんの家電専門スタッフに、どういった洗濯機が自分に合っているのか?洗濯機のどういった点に注意して購入するべきなのか?とアドバイスをもらうと安心して購入できると思います。
それと同じで業務システムに大規模に組み込むようなソフトウェア製品など、営業が持ってくる商品カタログでは判断のつかないような商品を売り込む際に、専門的な知識を持つセールスエンジニアが求められるのです。
2-4.セールスエンジニアに求められる専門性
お客様に商品を正しく活用してもらうには、技術的な説明だけでなく、ビジネスの視点でも商品を説明しなければいけません。
セールスエンジニアには「このシステムを導入することで、どれくらい儲け、どれくらいコストを削減できるのか」というような技術とビジネスの二つの知識が必要とされるのです。
近年では、大量のデータを効率よく扱う技術的な視点とデータを活用して売り上げに反映させるビジネスの視点の二つの視点が要求されるビッグデータに関連する分野で、二つの知識を備えているセールスエンジニアが活躍を見せています。
2-5.セールスエンジニアに生かせる資格
先ほど説明したようにセールスエンジニアにはIT技術に関する豊富な知識が必要です。ですから「基本情報処理技術者」「応用情報処理技術者」といった体系的にIT技術を学べる情報処理技術者の資格を取っておくといいでしょう。
またビジネス面の知識を取得するために「ITストラテジスト試験」の受験をおすすめします。こちらはIT技術を会社経営に活用するコンサルタントを対象にした、より上位の情報処理技術者資格で、「ITストラテジスト試験」を取得していることでよりセールスエンジニアとしての実力をアピールできるでしょう。
関連記事2-6.セールスエンジニアに向いている適性
セールスエンジニアはお客様一人一人に合わせて、適切な商品を紹介しなければならないので、お客様の業界ごとの知識をそれぞれ頭に入れておく必要があります。ですから、常に新しい技術や幅広い分野の知識を積極的に取り入れている人でなければなりません。
またお客様のもとに出向いて不満や要望をヒアリングしたり、導入後もお客様の相談窓口となるので、コミュニケーションをとるのが好きな人に向いています。そして導入支援・アフターサポートなどお客様の支援をすることが多いので、世話好きな性格の人が向いていると思います。
3.セールスエンジニアの将来性
3-1.セールスエンジニアは今後も増える?
現在IT技術は日々目まぐるしいスピードで進化していますが、ITに疎くて「IT技術をどう取り入れれば効率的で、コストが削減できるのか」が分かっていない潜在顧客はまだまだ多いです。
そこで商品を専門的な視点で説明し、活用方法まで実用的に説明できるセールスエンジニアの需要は高まっていくと思われます。また海外や外資系のIT企業ではメジャーな職業ですが、国内でセールスエンジニアに従事している人はまだまだ少なく、国内での需要が今後急激に高まると予想されます。
3-2.今後求められるスキルとは?
今後はビッグデータについての知識が必要になります。大量のデータを効率よく扱う技術的な視点とデータを活用して売り上げに反映させるビジネスの視点の二つの視点が要求される分野なので、技術とビジネスの両方の知識を持つセールスエンジニアの独壇場といえるでしょう。
4.まとめ
豊富な知識と高度な技術、コミュニケーションスキルまで要求されるセールスエンジニアは、エンジニアの中でも非常に高度なスキルを求められます。
しかしお客様とのコミュニケーションの中で、自分がお客様に適切な商品を紹介できた時には大きな達成感が得られる仕事です。
また、お客様からの感謝の声を直接聞けるのもセールスエンジニアの魅力の一つでしょう。まだまだ需要が高まるこの機会にセールスエンジニアを目指してみてはいかがですか?
- セールスエンジニアの主な仕事は、お客様が自分たちの商品を正しく活用できるように技術的な視点で商品を説明し、営業を手助けすること
- IT技術の高度な知識とコミュニケーションスキル、エンジニアリングスキルが要求される
- 国内でセールスエンジニアに従事している人はまだまだ少なく、国内での需要が高まると思われる
コメント