ネットワークエンジニアに資格は必要?検討すべきおすすめの資格3選
インターネットの普及が世界規模で拡大し、IoT化が進む現代においては、ネットワークトラフィックの輻輳や、サイバー攻撃に対するセキュリティ強化など、目に見えないネットワーク技術の需要が高まっています。IT分野のインフラとなるネットワーク技術を駆使し、進化し続ける技術を支えるネットワークエンジニアになるには、プロトコル規格や通信レイヤ毎のシーケンスなど、基礎となるTCP/IPからセキュリティの要となる通信制御(ACL)に至るまで、様々な知識と技術が必要となります。ここではネットワークエンジニアとして活躍したい方に、資格が絶対必要なのか、資格を取る場合はどんな資格を取ればいいのかをご紹介致します。
目次
1.ネットワークエンジニアに資格は必要?
人気のネットワークエンジニアになるには、必ずしも資格が必要というわけではありません。一番重要なことは、ネットワークエンジニアの仕事に求められるスキルと知識を普段の仕事で積み上げながら、独学でも学ぶ姿勢です。企業としてはネットワークエンジニアとしての機能を果たしてもらえれば良いわけですから、ネットワークエンジニアに求められる具体的技術内容やノウハウを意識し、現在の仕事にその要素があれば重点的にスキルアップしましょう。もし仕事でカバーできない領域がある場合、Webサイトや書籍を購入したり、ネットワークエンジニアとして働いている方に話を聞くのも効果的です。
2.企業に評価されるネットワークエンジニアの資格とは
資格はネットワークエンジニアになるための絶対条件ではありませんが、資格を持っていることで以下のような有利なポイントがあります。
- 資格内容の知識を持っている証明になる
- 自発的に技術を習得しようとする姿勢があると、就転職時の面接官に評価される
- 資格を取得したということが途中で諦めずに成し遂げる力があると、就転職時の面接官に評価される
2-1.Cisco技術者認定
世界最大のコンピューターネットワーク機器開発会社シスコシステムズが実施する、業界内で非常に認知度が高い認定試験です。Cisco認定の資格はネットワークエンジニアに直結する資格と言っていいでしょう。おすすめのポイントを、以下に記します。
- 1993年に始まったCisco技術者認定は、エンジニアの正確なスキルレベル判定のために誕生した
- 資格取得を通じて、エンジニア個人のスキルアップを高めることにつながる
- 2~3年ごとに最新技術の知識レベルを確認する再認定試験を受験する必要があり、資格が陳腐化しない
★アソシエイト「CCNA」
CCNAはネットワークエンジニアとして評価される基礎レベルの知識が問われます。指示を受けながら作業できるレベルのスキルを証明できます。ネットワークの導入・運用、トラブルシューティングに関する知識・技術が求められます。
★プロフェッショナル「CCNP」
CCNPはネットワークエンジニアとして評価されるCCNAよりも上位レベルの知識が問われます。受験にはCCENTかCCNAの取得が必須条件であることに注意です。自主的に仕事をするにはこの資格が必要になります。1人で作業ができるレベルであることを証明できます。
★エキスパート「CCIE」
CCIEはネットワークエンジニアにとして世界的に評価される最上位の資格です。専門的知識・技術を持ってネットワーク業界を牽引するスキルがあることを証明できます。すべての国家資格とベンダー資格の中でCCIEの評価は別格です。
2-2.ジュニパーネットワークス認定資格
筆記試験と実践的な試験から構成されたプログラムです。業界内での評価も高く、おすすめです。その理由を、以下に記します。
- 2010年から日本語試験が提供され、認知度が高まっている
- 近年ジュニパー社独自のOS「JUNOS(ジュノス)」を搭載したミドルレンジのルーターやL3スイッチが発売されたことにより、一般企業で使用されるケースが増えてきた
★アソシエイトJNCIA-DevOps
自動化ツールとベストプラクティスに関する基本レベルの知識を持つネットワークプロフェッショナルを対象にした資格です。デバイスおよびネットワーク機能の自動化を通じて、スクリプティング言語とツールを活用して能力を証明します。この資格を持つことで、Junosデバイスとネットワークへの自動化の適用方法を理解していることを証明できるメリットがあります。
★スペシャリストJNCIS-DevOPS
自動化ツールとベストプラクティスの中級レベルの知識を持つネットワークプロフェッショナルを対象にした資格です。
★アソシエイトJNCIA-CLOUD
この資格は、マルチクラウドやSoftware-Definedネットワーク、SD-WANなどのクラウドネットワークに関する初級レベルの能力を証明できるメリットがあります。合格すると、ジュニパーネットワークスの各種クラウド技術の導入、実装、設定について理解している証明になります。
★スペシャリストJNCIA-CLOUD
上記の中級レベルの能力を証明できる資格です。
2-3. LPIC
LPICは、Linux技術者認定機関が実施するLinux技術者認定の世界的な資格です。サーバーをはじめとする多くのIT機器がLinuxをOSとして使用しているため、企業からの評価は高く、転職やキャリアアップに有効です。LPIC-1〜LPIC-3の3つのレベルに分かれています。LIPCはネットワークエンジニアとしても役立ちますが、こちらはどちらかというとインフラエンジニアとして取得すると有利です。
3.ITエンジニアとして必要な資格
3-1. ITパスポート
国家試験である情報処理技術者試験の中のひとつです。基礎レベルの資格とはいえ、基本情報技術者やCCNAの勉強は初心者には難しく感じるかもしれません。そんな時はITパスポートの勉強から始めてみるとよいかもしれません。エンジニアとしてではなくIT企業に就職する場合、ITパスポートを持っていると評価されますが、エンジニアとして就職する場合は履歴書に書く必要もないといった入門的なレベルになります。勉強期間の目安は1~2か月です。
関連記事 関連記事3-2. 基本情報技術者
国家試験である情報処理技術者試験の中のひとつです。ITエンジニアの登竜門的存在であり、ネットワークエンジニアだけでなくITエンジニアとしての基礎的な知識が幅広く身につきます。ネットワークエンジニアとしてのスキルを証明するものではありませんがIT業界でエンジニアとして働く為の基礎を学ぶために取得を目指しましょう。勉強期間の目安は6か月です。
関連記事3-3.応用情報技術者
企業経営が直面する課題に対し、技術だけでなく、情報技術を活用した戦略を立案できる能力を証明できるメリットがあります。またシステム設計開発を行ったり、汎用製品の組み合わせも活用したシステム構築や安定的な運用も領域に入ります。
※参照サイト/クラウド時代のエンジニアを支えるシスコ技術者認定
http://jibun.atmarkit.co.jp/ad/fyi/96cisco/04/01.html
4.まとめ
これからますます需要が高まるネットワークエンジニアですが、できるだけ早くネットワークエンジニアになるためには、日頃の自己研鑽とネットワーク業界の企業の評価が高い資格を取得することがベターでしょう。転職を機にネットワークエンジニア職に応募して活躍したい方、現職で頑張りながらキャリアアップとしてネットワークエンジニアを狙う方など様々なパターンがあると思いますが、ネットワークエンジニアとして活躍できる根拠作りとしての知識、経験、資格取得は大きな3本柱です。是非、頑張って下さい!
- ネットワークエンジニアになるためには、資格は絶対的な条件ではない
- 普段の仕事でネットワークエンジニア領域と重なる部分は意識して技術を学び、同時並行で独学でも学ぶ
- ネットワークエンジニアになるためのオススメ資格は、Cisco技術者認定とジュニパーネットワークス認定資格
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