インフラエンジニアが転職を成功させるために準備すべきこと・会社の選び方

ENGINEER.CLUB編集部

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インフラエンジニアは転職先によってすすめるキャリアが大きく変わる職種です。

監視からフェーズを上げたい!と思って面接に行き、面接では「構築が出来るよ」と言われたのに、実際入社してみたら構築の仕事はほとんどなく「これから開拓していく予定だから、最初は出来ることからやってもらうよ」と言われ、希望するキャリアを積んでいけなかった、なんてことがかなりの確率で起こっているのです。

このことから自分が今回の転職でどんな業務に就きたいのか、入社してしばらくたってから何にチャレンジしたいのかによって入社すべき会社も変わってきます。

また、自分の希望する仕事に転職する為にやるべき事は会社選びを慎重に行えばいいだけではありません。関わる業務のフェーズを上げたり新しい領域にチャレンジしたりする為には、様々な面においての入社前の事前準備が非常に重要なのです。

今回はインフラエンジニアが希望の仕事に就く為の転職を成功させるにはどんな事前準備が必要、そして会社の選び方で注意すべき点は何かを解説していきます。

One dayインターン

1.フェーズを上げる為の転職で事前に準備すべき事と会社の選び方

インフラエンジニアが転職して業務のフェーズを上げる為に必要なのは、「現職で次につながる経験を積む」「次のステップに進む為の自己研鑽」「正しい会社選び」です。

転職すれば希望する仕事に就ける、スキルアップ出来る、と言うのは大きな間違えです。

転職先が経験したことが無い業務を新人に任せるのは、その人に期待するからです。期待してもらう為には、現職での実績と自己研鑽が重要なのです。

ここでは転職前にどんな経験を積めばいいのか、自己研鑽すべき内容は何かを希望する業務に分けて説明し、それをした上でどのような企業を選ぶべきかをご紹介します。

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1-1.監視から運用保守へフェーズアップしたい場合

転職して監視から運用保守へフェーズアップしたいと言うインフラエンジニアは非常に多いです。非常に多いからこそ、誰よりも自己研鑽で成果を残し、前職で優秀な成果を収めた人から順にフェーズアップのチャンスを掴めるのです。具体的にどんな事前準備をすべきか、そしてどのような企業を選ぶべきかをご紹介します。

1-1-1.転職前に経験すべき事

監視の業務でリーダーを任される

転職する前に、業務で信頼を勝ち得た人しか任されないリーダーを経験しましょう。

監視業務は単調であるものの、チームを組んでシフトを回していくいく為リーダーポジションが多く必要な仕事です。しかし、リーダーになれるのはプロジェクトの中で信頼を得た人だけです。

転職する際に、監視の業務を行っていたことだけではスキルアップの環境を掴む為のアピールになりませんので、リーダーを任される程積極的に業務に取り組み信頼を得ていた事、リーダーとしてメンバーの面倒を見ていたことを伝えられると企業にポジティブな印象を与える事が出来ます。

1-1-2.次のステップに進む為に行うべき自己研鑽

ネットワークもしくはサーバーに特化した資格を取得する

監視の仕事が完璧に出来るからと言って、運用保守が出来るようになったわけではありません。自己研鑽で運用保守の業務で活かせるような知識をインプットしていきましょう。ただテキストや実機で学習するだけではどれだけ知識があるかのアピールになりませんので、インフラに特化した資格を取得してみて下さい。

オススメの資格は『CCNA』『LinuC level1/leve2』『MCSA』です。

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1-1-3.転職先選びで企業に確認すべきこと

監視からスキルアップしたくて転職したのに、結局監視の仕事を任されたといった事は良くあることです。面接では運用保守を任せると言うかもしれませんが、実態は入ってみないとわかりません。

面接では、以下の点を確認してみましょう。

監視から運用保守にスキルアップした人の事例を具体的に聞く。

自身と同じ境遇の方がどのように監視からフェーズアップしていったのかを聞いてみましょう。その際に、より具体的に話をしてくれる企業は、社員の努力や成果をしっかりと把握するぐらいスキルアップを大事にする企業であるので、フェーズアップが実現しやすいです。

各フェーズの案件割合を確認する。(運用保守以上のフェーズの案件が7割以上ある企業が望ましい)

運用保守や設計構築の案件割合が7割程あれば、運用保守以上の仕事に関われる可能性が高まります。

『オペレーション』『サポート』等の言葉が社名に入っている会社は危険。

社名に『オペレーション』『サポート』等の言葉が入っている企業は、監視やサポート業務をメインで行う事を目的に設立された企業です。ですので、監視業務の割合が非常に多いです。

今後それ以外の業務を拡大していきたいという方針で採用活動をしていたとしても、その場合は運用保守や設計構築の経験がある方でなければ、新規で案件を開拓してくることは難しく、監視経験しかない方は監視のポジションへアサインされてしまいます。

1-2.運用保守から設計構築へフェーズアップしたい場合

出来上がったものをサポートしていく立場から、自分で作り上げる立場に行くことはエンジニアであれば誰しも憧れるキャリアだと思います。監視や運用保守の経験を積むことは、設計構築を担当する際に保守性を意識した設計が出来るようになる為とても重要です。とにかく早く作る側にと考えるのではなく、運用保守の経験をいかに今後に生かすかを意識しながら様々な業務を経験していきましょう。その上で、設計構築のポジションにチャレンジしていきましょう。

1-2-1.転職前に経験すべき事

ドキュメント作成の経験を多く積んでおく

設計構築のポジションは、設計書を作成したり保守チームへの手順書を作成したり、ドキュメントを作成する機会が増えますので、運用保守の段階でドキュメント作成には積極的に関わり、相手に分かりやすい文章を作成するコツを掴んでおきましょう。

自走する事を意識して仕事に取り組む

どのフェーズでも言えますが、設計構築のように物をつくり上げていく立場は特にわからない事を自分で何とかする力が求められます。わからない事を自分で出来るようになるまで調べたり、周りからヒントをもらったりするためには、自分で行動しなければなりません。責任感とそれに伴う行動力を運用保守の段階から身に付けていきましょう。

1-2-2.次のステップに進む為に行うべき自己研鑽

コミュニケーション能力を高める

設計のフェーズはお客様から要件をヒアリングし、設計書を作成する事もありますので、コミュニケーション能力が必要です。ただ言葉のキャッチボールをする様なコミュニケーション能力ではなく、相手の言っていることを正しく理解し、それをまとめる力が必要です。

監視や運用保守とは違い、決められた内容を進めていくわけではなく、クライアント、保守チーム、監視チーム等様々なポジションの人と関わっていきますので、意思疎通が正しく出来て、それをわかりやすくまとめる力が求められます。

コミュニケーションが苦手な人は、セミナー等に参加しておくことをお勧めします。

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1-2-3.転職先選びで企業に確認すべきこと

運用保守から設計構築へキャリアアップするのは、かなり難易度が高いです。なぜなら技術力だけでなく人間性やビジネススキルの面も求められるからです。

そういった点を正しく評価してくれてチャンスを与えてくれる会社を探し出しましょう。

どの商流のプロジェクトが多いか確認する。

SES企業の場合、仕事を受ける商流が深いと設計構築等の仕事を受けるのは難しくなって今います。

受けられたとしてもプロジェクトの内容が劣悪だったり、短い期間だけの業務であったりする可能性が非常に高い為、経験がない人が参画する事はお勧めできません。よりエンドユーザーに近い立ち位置で働ける企業を選びましょう。

若手だけでなく30代後半~40代が活躍しているか確認する。

30代後半~40代のエンジニアとして経験を積んでいる会社に入社する事で、様々なノウハウを学ぶことが出来ます。

またそういった方がいるからこそお客様からチーム単位での案件を受注する事が出来、経験が無くても設計構築のポジションに就く事が出来るのです。

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営業マンに営業力があるか確認する。

運用保守のポジションで実績を出すと、その環境のノウハウも身に付き、代わりを育てるのにも時間がかかる為なかなかプロジェクトから抜け出すことが難しくなります。

営業力がない会社に入ってしまうと、プロジェクトを抜ける交渉が進まずに設計構築にチャレンジ出来ないという事も出てきます。営業力があり、社員のスキルアップの為に交渉してくれる会社を選びましょう。


2.意外と知らないインフラエンジニアの転職先とそこで身に付くスキルの違いとは

インフラエンジニアとして働く際は、働く企業の事業形態によって任される仕事も変わってきます。

自社で働く方が安心だから社内SEになりたいと思う人もいるかもしれませんが、社内SEになる事による弊害もあるのです。転職で何を軸にするかによって入社すべき会社の事業形態も変わります。

ここでは、事業形態別の仕事内容についてご説明していきます。

2-1.大手SIで働く事で得られること

大手SIに入社する場合は、要件定義~設計、保守・監視チームのマネジメントが業務内容になるケースが多いです。

大手SIはエンドユーザーやメーカーから直接業務を受ける為、プロジェクトの先頭に立って業務を進捗させていく立場を大手SIのプロパー社員が行い、構築や運用保守といった作業を下請け会社に依頼する構造となっています。また、大手企業や官公庁からの案件を多く扱う為、生活基盤を支えていくようなインフラ環境に関わることが出来ます。

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技術力が高まる      :★★★☆☆

マネジメント能力が高まる :★★★★★

安心して働ける      :★★☆☆☆

裁量権がある       :★★★☆☆

技術力が高まる     :★★★☆☆

PLPM等マネジメントが中心となる為、技術力は高めづらい環境です。要件定義や設計フェーズのプロジェクトが多いです。

マネジメント能力が高まる:★★★★★

PMPLとして活躍するケースが多く、チームメンバーも多い為マネジメント能力が高まります。自社社員だけでなく、様々な会社のメンバーをマネジメントする為、マネジメントの難易度が高いです。

安心して働ける     :★★☆☆☆

プロジェクトによってチームメンバーが入れ替わる為、安定・安心とは言い難い環境です。

裁量権がある      :★★★★☆

エンドユーザーと直接かかわる機会も多い為、自身の意見を伝える機会があります。しかし、最終的な決定はエンドユーザーとなります。

2-2.SESで働く事で得られること

SESは、大手SIの下請けとして業務を行う事が多い為、マネジメントよりも作業者として業務を行うケースが多いです。大手SIのリーダーの指示を受けながらの要件定義や設計、自身がプレイヤーとして行う構築、運用、監視のプロジェクトを対応していきます。大手SIから仕事を受ける為、大規模なインフラ環境を扱う事が多いです。

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技術力が高まる     :★★★★★

マネジメント能力が高まる:★★★☆☆

安心して働ける     :★☆☆☆☆

裁量権がある      :★★☆☆☆

技術力が高まる     :★★★★★

大規模なプロジェクトで様々なフェーズの経験を積むことが出来る為、自分次第で技術力をどんどん高めていくことが出来ます。

マネジメント能力が高まる:★★★☆☆

PMPLは大手SI等の上位会社が利用するケースが多い為、マネジメント経験は積みづらいです。しかし、評価を得るとPLまでは任されるケースもあります。

安心して働ける     :★☆☆☆☆

お客様先で常に働く為、その都度信頼関係を築いていく必要があります。また派遣契約を上位会社と結ぶ場合、自社から一人で常駐する事もあります。

裁量権がある      :★★☆☆☆

請負で業務を行う以外は、方針に従って作業を進めていきます。自分の担当している業務に対しての改善提案等は行うことが出来ます。

2-3.社内SEとして働く事で得られること

社内SEは自社内で同じ会社の社員と働く事から、気持ち的にも安定した働き方が出来ます。また社員に直接関わりながら業務を進めていくことから感謝される機会も多くやりがいを感じる機会も多いでしょう。

しかし、大手企業の場合は、ITを外注しているケースが多く、社内SEの仕事は要件定義やベンダーコントロールといった調整業務がメインになる可能性が非常に高く、中小企業の場合はそもそもIT専任を置くほど業務量が無く、総務等を兼任しながら働くケースが多いです。

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技術力が高まる     :★☆☆☆☆

マネジメント能力が高まる:★★★☆☆

安心して働ける     :★★★★★

裁量権がある      :★★★☆☆

技術力が高まる     :★☆☆☆☆

ITを外注する企業が多い為調整業務が中心になる事が多いです。このことから設計、構築、保守、監視等の業務に関わらない為、インフラエンジニアとしてのスキルが高めづらいです。

マネジメント能力が高まる:★★★☆☆

役職に就いた場合マネジメントを行うが、自社社員のマネジメントである為、協力会社のマネジメントを求められる大手SIと比べるとマネジメントがしやすくマネジメント能力の高まりは低いです。

安心して働ける     :★★★★★

自社内で業務を行い、自社の為に作業をする為、新しい環境へのストレス等を感じる事なく、安心して働く事が出来ます。

裁量権がある      :★★★☆☆

自社のインフラ環境を扱う為、役職が上がっていくと意思は通りやすいです。しかし中小企業の場合は、予算が低かったり、ITへの関心が低かったりするケースも多い為、会社の方針次第の部分もあります。

2-4.自社サービスの企業で働く事で得られること

自社サービスのインフラエンジニアの場合、サービスの内容により関わる業務が大きく変わってきます。

自社でデータセンターやインフラサービスを提供するような事業を運営している会社であれば、そこで提供しているサービスを導入する為にエンドユーザーと関わりながら業務を進めていくことになります。

アプリやパッケージ等のプロダクトを扱う企業であれば、そのプロダクトを開発する為のインフラ環境構築やお客様先に導入する際の対応を行うことになります。会社がどのようなサービスを展開するかによって自身がどんな技術を使えるかも変わってきますので注意しましょう。

技術力が高まる     :★★☆☆☆

マネジメント能力が高まる:★★★☆☆

安心して働ける     :★★★★☆

裁量権がある      :★★★★★

技術力が高まる     :★★☆☆☆

同じ技術を扱い続ける為、技術力は上がりづらいです。(最新の技術を扱うようなベンチャー企業は別)

また、自身が努力しても上が詰まっているとフェーズを上げることが出来ます。

マネジメント能力が高まる:★★★☆☆

役職に就いた場合マネジメントを行うが、自社社員のマネジメントである為、協力会社のマネジメントを求められる大手SIと比べるとマネジメントがしやすくマネジメント能力の高まりは低いです。

安心して働ける     :★★★★☆

お客様先へのサービス導入以外は、自社メンバーと共に働いていきますので、働きやすい環境です。

裁量権がある      :★★★★★

自社の製品が売れれば売れるほど会社の業績も伸びますので、基本的に良いアイディアや意見は取り入れられる傾向にあります。しかし、どの会社でも同じですが実績を残さないと意見は通りません。


3.さいごに

インフラエンジニアとして転職する場合は、何を目的として転職しようと考えているかによって入社すべき企業が変わってきます。

自分の希望通りの業務に就く為には、会社選びで注意する事と、自分自身の転職前の事前準備が重要になってきます。

また、会社の特徴はもちろんですが、どんな事業を展開しているかによっても任される仕事が大きく変わってきますので、イメージだけで選択するのではなく、働き方を冷静に理解してから入社を決めましょう。

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