FTPソフト|初心者におすすめの代表的な無料FTPソフト3選
ホームページを作成する時などによく使われる代表的な言葉の一つが、FTPです。
最近はワードプレスに代表されるCMS(コンテンツマネジメントシステム)の普及でファイルを転送する作業は昔ほど多くはありませんが、それでもWebの制作、管理、更新の現場ではFTPはまだ重宝されています。
FTPはもともとインターネット初期の時代に誕生した歴史ある技術ですが、その仕組みや機能について理解されてない人も多いと思います。
そこで今回はFTPについて、IT初心者の方でもわかりやすく理解できるように説明していきます。
特に無料で使えるおすすめFTPソフトを把握することで、ホームページを自分で立ち上げたり、もしくはホームページ制作関連の仕事をする時にも非常に役立ちます。是非御活用下さい!
目次
1.初心者におすすめの代表的無料FTPソフト
インターネットの歴史上、FTPソフトは日本で開発された「FFFTP」というフリーソフトを使用することが一般的でした。ところが、FFFTPソフトは2011年8月31に開発は終了しました。しかしその後オープンソースプロジェクト「SourceForge.JP」によって、2011年10月に新バージョンのFFFTP1.98がリリースされました。ただ転送速度が遅いといったアップロードのトラブルが多発していました。そこで今回、初心者の方でも安心して使えるFTPの無料ソフトをご紹介したいと思います。
1-1.FileZilla(ファイルジラ)
FileZilla(ファイルジラ)の大きな特徴は、ずばり「高速+ハイスペック+FTPS/SFTP対応」です。つまり転送スピードがめちゃめちゃ早く、比較的容量の大きいファイルでもエラーが出ることはありません。もちろん、サーバー(リモートサイト)からドラッグ&ドロップで簡単に自分のパソコンにダウンロードでき、自分のパソコンからリモートサイトにアップロードもできます。
セキュリティ面も充実しており、複数起動もできます。複数起動は、複数のサーバーを借りている場合は嬉しい機能です。
アメリカの「Life hacker」が選んだベストなFTPアプリが、FileZilla(ファイルジラ)でした。世界的に利用ユーザーが多いのも納得できます。その機能と特徴を、以下に記します。
- ドラッグ&ドロップ機能をサポートする設定自由度の高いインターフェイス
- 設定オプションが豊富で、FTPの上級者は転送スピードの最適化などカスタマイズできる
- 4GBを超えるファイルの転送をサポート
- 複数接続のタブ機能
- ファイル名のフィルタによる検索機能
- ディレクトリの比較と同期化
- リモートファイル編集機能
1-2.Cyberduck
FileZillaの次に便利なのが、このCyberduckです。WindowsでもmacOSでも作動します。またドラッグ&ドロップでファイル転送ができます。日本語にも対応しているシンプルなインターフェイスは初心者でも使いやすく、Amazonなどのクラウドサービスにも対応しています。ただ、FTPクライアントとしてはFileZillaほど機能が多くありません。
1-3.WinSCP
WinSCPは、機能満載のFileZillaとシンプルで使いやすいCyberduckの中間的なFTPアプリでWindowsで作動します。オープンソースで開発・公開されており、ファイルを暗号化しコンピューター間でファイル転送するアプリケーションなので、セキュリティ面で安心です。自分のPCとサーバーとの間でファイル転送が簡単なデュアルペインビューが使用可能で、コーディング作業に便利なテキストエディターも便利です。2010年に発生したマルウェアによるアカウント情報の窃取問題時においても、最新のWinSCPは多大な被害を免れたという実績を持っています。
2.FTPとは
FTPを一言でいうと、インターネット回線を使ってファイルを送受信する仕組みのことです。ここでは、そもそもFTPとはどういった仕組みなのか、FTPはどんな機能を持っているのかについて、わかりやすく解説していきます。
2-1.FTPの仕組み
FTPとは、File Transfer Protocol(ファイル・トランスファー・プロトコル)の略です。日本語に訳すと、ファイル転送規約といったニュアンスの意味になります。FTPのPのプロトコルは、約束事という意味です。FTPは、ネットワーク経由でファイルを送受信する時によく使われる手法です。
まずその仕組みを理解するために、ファイルを送る側と受け取る側を説明します。コンピューター間でやりとりをする時に、サービスや機能を使用する側を「クライアント」といいます。依頼主といったニュアンスです。
そして、その相手をする側がサーバーになります。普段は待機していて、クライアントからファイル送信やファイル受信の依頼が来た時に反応する側がサーバーです。そしてファイル転送のルールにのっとって接続される側のコンピューターが、FTPサーバー(エフティーピーサーバー)というわけです。FTPの接続先ですね。ちなみにFTPで接続する側のコンピューターは、「FTPクライアント」といいます。
「FTPで、ファイルの送受信のやりとりしましょうよ!」と依頼する側が「FTPクライアント」で、「わかりました!対応します」と反応する側が「FTPサーバー」です。これらが、FTPの仕組みなのです。
2-2.FTPでできること
Webサイトを立ち上げるためには、大量のテキストデータや画像データをWebサーバーに転送する必要があります。その時FTPソフトを使って、FTPサーバーに接続します。そうすると、Webサーバーにファイル一式が表示される状態になります。その後手元にあるファイルを転送して上書きしたり、新たに追加したり、削除もできます。FTPは歴史が長く、最近ではより簡単に使いやすく、セキュリティの点でも進化してきています。ちなみにFTPは通信経路が暗号化されていないので、そのセキュリティ面を強化したSFTPというものもあります。
・アップロード/パソコンからサーバーにファイルを送ること
例えば、簡単に外からログインしてWebデザイナーではない個人が文章や写真をアップしたり、修正できるワードプレスで自分のブログを運用するとします。アメブロなどの事業会社のブログサービスを使用しない場合、独自にドメインを取得し、レンタルサーバーサービスを利用するケースがほとんどです。
コンテンツを表示したい場合、まずは自分のパソコンでアップしたい文章を作成したり画像を選びます。そして自分のパソコンからレンタルサーバーにファイルを送ります。この作業を、アップロードといいます。レンタルサーバーには、ネット上で公開されるために必要なテキストデータや画像データが置かれているのです。
・ダウンロード・バックアップ/サーバー上に置いてあるFTP内ファイルを、自分のPCにダウンロード・保存する
上記のワードプレスによるブログ運用の場合、自分が申し込んだレンタルサーバー上に情報があります。しかしエラーが出た場合、復元する必要があります。そういった状況に対応するために、自分のPCにエラーの出ていないファイルをバックアップをとって保存しておくのです。
その時、FTPソフトを使用します。簡単な操作で自分が申し込んだレンタルサーバー上に置いてあるファイルデータを、自分のPC内にコピーできるのです。
2-3.レンタルサーバーでのFTP運用について
自社で大規模なECサイトを運用するような場合を除いて、多くの場合は自社の企業ホームページを運用したり、小規模なECサイト、個人ブログなどを運用するケースが多いと思います。そういった時によく使われるのが、レンタルサーバーです。「エックスサーバー」や、「ロリポップ!」といったレンタルサーバーのサービス名を聞かれたことがある方は多いと思います。
レンタルサーバーサービスでは、サービス開始時にFTPは設定済ですぐ利用できるようになっています。それはレンタルサーバー事業会社側が、事前にFTPサーバーのアプリケーションをサーバーにインストールして利用できるように設定しているからです。レンタルサーバーを利用する場合、レンタルサーバー事業会社から通知された設定情報をFTPソフトに設定します。すると、次回以降はクリック一つでFTPサーバーに接続ができるようになります。FTPソフトの設定に必要な情報は、以下になります。
- FTPサーバーのホスト名
- FTPサーバーにログインするためのユーザー名とパスワード
3.さいごに
いかがだったでしょうか。IT初心者の方にとってFTPはホームページを制作運用する上での入門編的知識ですが、作業をスムーズに行ったり、セキュリティ面の重要さを学ぶ上で必要不可欠なものであることをわかって頂けたかと思います。ある程度作業に慣れてくると、自分自身でFTPソフトをカスタマイズし、より快適に仕事ができる環境作りも可能になります。
これからは副業する社員の方も増え、自分自身でブログやECサイトを立ち上げる方も増えてくると思います。そういった時にこのFTPソフトの知識が役立つので、是非活用して頂ければ幸いです。
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