
フロントエンドエンジニアとは?仕事内容、バックエンドやHTMLコーダーとの違い
インターネット利用者の増加とともに、Webサイトなどを構築するフロントエンドエンジニアのニーズが高まっています。
フロントエンド(front-end)とはユーザーと直接データをやり取りする要素を指します。
皆さんがWebブラウザやスマートフォンで見る画面、検索する際にカテゴリーを選択できたり、クレジットカード情報を登録したりするような機能はすべてフロントエンドです。
逆にバックエンドとは(back-end)ユーザーから見えないところでデータ処理などを行う要素を指します。
購入した商品の在庫の数を減らしたり、カード情報から銀行への料金請求の見えない皆さんに見えない処理はすべてバックエンドと呼ばれます。
そのフロントを担うフロントエンドエンジニアとはどういったものなのか、具体的な仕事内容、役立つ資格などをここでは詳しく解説していきます。
目次
1.フロントエンドエンジニアとは
フロントエンドエンジニアとは、その言葉通りフロントエンドを扱うエンジニアのことを指します。
フロントエンドについて、このあと詳しく解説していきます。
1-1.フロントエンドとは
フロントエンドとは、特定のシステムにおいてユーザー側からスマートフォン、PCで見ることができるすべての画面や機能のことを指します。
Web上だけでなくスマートフォンアプリから見る画面もフロントエンドです。
例えば、Amazonでの商品の検索すると検索結果とともにオススメの商品が出て来ますし、その商品を購入するには、住所の登録、クレジットカードでの決済等も行います。
購入後はその商品がいつ届くのかどうかを確認する商品追跡機能など、皆さんが実際に利用している機能のすべてがフロントエンドと言えます。
それに対しバックエンドとはサーバー側、つまり皆さんが見えないところで処理する機能のことです。
商品を購入するとその商品の在庫数を減らしたり、クレジットカード情報からカード会社への照会、発送の手配など皆さんが操作したことによって発生する裏の処理をバックエンドと呼びます。
1-2.HTMLコーダーとの違い
そもそもフロントエンドエンジニアは最初、HTMLコーダーと呼ばれていました。
WEBが普及し始めた頃はデザイナーが作成したデザインをもとに画像や文章を実装するだけで、今のサイトのような動きは無く、HTMLを使った簡単なコーディングのみでした。
ですが、Web制作技術が進歩するにつれてバナーやフォント等のUI、サイト自身のデザイン、スマートフォン用のページデザイン等、沢山の機能の追加がされ、HTMLの知識のみでは良いサイトを作成できず、幅広い知識が必要になってきました。
CMSやCSS、JavascriptやPHPの知識が必要になり、1つページにたくさんの機能を実装する必要があるため、それに伴いコーディングの技術も高いものが求められるようになります。
そのため、HTMLコーダーとは分けてフロントエンドエンジニアと呼ばれるようになりました。
高度なフロントエンドエンジニアはCSSやJavascript等フロントエンドに関わる全ての作業ができますが、今ではHTMLコーダーも含めてフロントエンドに関わるエンジニアをフロントエンドエンジニアと呼びます。
2.フロントエンドエンジニアの仕事内容
フロントエンドエンジニアの仕事内容は大きく企画、デザイン、構築の3つになります。
2-1.企画
作成するサイトがなんの目的で作成されるのか、どういう印象を与えたいのかという要件に基づいてどんなサイトを作成するのかを決めていきます。今使用できる機能を把握し、サイトに必要なものを取捨選択する必要があります。また、バックエンドとの連携なども想定する必要があるため、サイトを作成する上での技術を網羅的に把握しなければなりません。サイトの大まかなデータの動き、構成が決まるとクライアントへ提案し、稟議を通す必要があります。
2-2.デザイン
企画が通ると企画書に基づいた機能を実装しつつ、どのようにユーザーに見せるかのデザインを作成していきます。
絞り込み検索、バナー、ポップアップなど様々な機能を駆使してユーザーが使いやすい画面になるようします。ユーザーにとってどんな機能があれば利用しやすいか、どう表示させれば使いやすいかをユーザー目線で考える必要があります。サイトのデザインはデザイナーが決める場合も多いです。ですが、フロントエンドエンジニアとして作成されたデザイン案から、実装できない箇所、新しい機能を使ってより良くできる部分のアドバイスができると良いでしょう。
2-3.構築
2-2で決まったデザインと同じサイトを作成していきます。CSSやJavascriptを使用し、ユーザーにとって利便性のあるサイトを作成する必要があります。
今は様々な機能が増えているため、Javascriptを使ったプラグインの導入やPHPを利用したサイトの動き等、どの機能を使えばユーザーの利便性が最適になるかを考え取捨選択していきます。
ここではただ画面を作成するだけでなく、バックエンドとの連携を行うための機能も同時に作成しユーザーが入力した情報を正確に早く処理できるようにしていきます。
3.フロントエンドエンジニアに役立つ資格
上記でも説明したようにフロントエンドエンジニアは、JavaScript、HTMLやCSS、PHPの設計・実装、CMSの構築・カスタマイズなどプログラミング言語を使っての作業が主になります。これらを駆使して働くための資格は特に必要ありませんが、資格取得をしておくことで就職や転職などではスキルをアピールするための大切なポイントになります。
フロントエンドエンジニアに役立つ資格には、主に3つあります。
・Webクリエイター能力認定試験
この試験はサーティファイWeb利用・技術認定委員会が主催しており、Webサイトを制作するデザインやコーディングスキルを測定する試験です。学生から現役のプロWebクリエイターまで誰でも受けることができます。
試験のレベルは「スタンダード」と「エキスパート」の2種類があります。これからWeb業界で働くために受験しようと考えるなら初級レベルの「スタンダード」がいいでしょう。現在Webクリエイターとして働いており、スキルアップを目指すなら「エキスパート」を受験してみるのがいいでしょう。
HTML5、XHTML1.0、HTML4.01に対応した3種類の試験から選択して受験ができます。スタンダードの合格レベルに達するまでの目安は24時間、エキスパートの合格レベルに達するまでの目安は38時間です。
・HTML5プロフェッショナル認定資格
この試験は特定非営利活動法人エルピーアイジャパン(LPI-Japan)が実施しています。試験内容はHTML5やCSS3、JavaScriptなどのマークアップに関する知識と技術を評価します。またHTML5はWebデザイナーやフロントエンドエンジニアには不可欠なスキルとなっているので、この試験はITエンジニアから人気のある資格でもあります。
試験のレベルは初級「レベル1」、上級「レベル2」があります。
- レベル1…HTML5を用いて使いやすい・見やすい静的コンテンツ制作、様々な端末に対応したWebサイト制作について問われます
- レベル2…動的コンテンツの作成、システム間連携を行うWebアプリケーションの開発といった上級者向きのテクニックが問われます
・PHP技術者認定試験
この試験は一般社団法人 PHP技術者認定機構が実施する民間資格です。試験内容はPHPの基本文法、データベースの操作、WebフォームなどPHPに関する基礎技術が問われます。
試験のレベルは「初級試験」、と「上級試験」があり、初級試験は社会人1~2年目を想定された資格で、合格率の70%。これからフロントエンドエンジニアを目指す場合は初級試験を目指すことをオススメします。上級試験はPHP言語を理解し、高度な技術を持っている人向けの資格です。今の業務でPHPメインに使っている場合はチャレンジしてみても良いかと思います。
関連記事4.フロントエンドエンジニアの将来性
プログラマーの人材が不足しているここ数年、フロントエンジニアの需要もまだ高いと言えます。またスマホの普及がまだ伸びると予想する大手企業のショッピングサイトは、アプリケーションに力を入れています。
スマホ用に作られたアプリでのショッピング画面は、操作も簡単で大変見やすいものになっています。ショッピングサイトだけでなく、見やすくオシャレにデザインされた観光ガイドのWebサイトを見ると「ここに行きたい」となります。当然これらは、スマホから閲覧することを想定して作成されています。
企業戦略としても宣伝広告や直接販売にも繋がるWebサイトの作成は、フロントエンジニアの腕の見せどころとも言えます。
今後、更にWEBサイトは多機能となり、コーディングも複雑化していくと思われます。フロントエンドエンジニアも今まで以上に新しい技術やスキルが必要になってくるので、Web業界に興味がある人は積極的にスキルを身に付けておくのがいいでしょう。
5.さいごに
インターネットは日常にはなくてはならない存在であり、Web業界は日々変化しています。ここ数年でスマホからの検索・閲覧が急増し、小さな画面越しでも見やすい・分かりやすいWebデザインや操作しやすいサイトが求められています。
またWebクリエイターの業務は細分化され、次々に新しい技術が登場しています。いくつか業務を受け持つこともあるので、フロントエンドエンジニアだけの枠に囚われず、即戦力となるスキルを身に付けておくことがいいでしょう。
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