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VBAのWithステートメントとは？構文や使用例、注意点を解説

ENGINEER.CLUB編集部

• 最終更新日:2024/9/1

VBAを作成する時に、同じもの（セルやシート等）に対して複数の設定を行うことはありませんか？Withステートメントを使用することで、複数の設定を簡単に見やすく作成することができます。ここでは、その説明をしていきます。

１．withステートメントについて

１-１．withステートメントとは

withステートメントとは、「単一のオブジェクトまたはユーザー定義型に対して一連のステートメントを実行します。」と書いてもわかりにくいと思うので、少し具体的に説明します。

セルの設定を説明をする場合、例１の説明では「このセルは、」が設定毎に登場してしつこくなります。例２のように説明すると、すっきりします。With「ステートメントは、例２のようにまとめる時に使用します。

１-２．withステートメントの構文

withステートメントの構文は以下の通りです。

With object
　　　statement
End With

２．withステートメントの使用例

２-１．基本的な使用例

下記は、選択しているセルの設定を変更するソースです。

sub sample01()
    With Selection.Interior		'セルの設定
        .PatternColorIndex = 3	'パターンンの色
        .Color = 65535		'塗りつぶす色
        .TintAndShade = 0		'色の明るさ
        .PatternTintAndShade = 0	'色の濃淡
    End With
end sub

２-２．その他の使用例

２-２-１．ネストを使った例

withステートメントでは、下記のようにネスト（入れ子）を使うことができます。

Sub sample05()
    
    With Worksheet(sample1) 	 '「sample1」シートに
        Range("A1") = "sample1"    'セルA1に「sample1」を設定
        Range("A2") = "aaa"     	 'セルA2に「aaa」を設定
        With Worksheet(sample2)		 '「sample1」シートに
            Range("A1") = "sample2" 	 'セルA1に「sample2」を設定
            Range("A2") = "aaa"     	 'セルA2に「aaa」を設定
        End With
    End With
End Sub

３．注意点

ネストを使う時には、注意することがあります。Withステートメントのネストは、階層が深い定義が有効になり、「End with」で抜けると一つ上のwithステートメントが有効になります。

下記のソースでは、セルA3に「AAA」を設定の処理は、「sanple2」シートではなく「sample1」シートに設定されます。Withステートメントの有効範囲は、「with」から「End  with」までの範囲です。Withで定義した「sample1」シートの有効範囲はWith Worksheet(sample1)から2回目のEnd Withまで、「sample2」シートの有効範囲はWith Worksheet(sample2)から1回目のEnd Withまでになります。

Sub sample06()
    
    With Worksheet(sample1) '「sample1」シートに
        Range("A1") = "sample1"     'セルA1に「sample1」を設定
        Range("A2") = "aaa"     'セルA2に「aaa」を設定
        With Worksheet(sample2) 
            Range("A1") = "sample2"  'セルA1に「sample2」を設定
            Range("A2") = "aaa"      'セルA2に「aaa」を設定
        End With
        Range("A3") = "AAA"     'セルA3に「AAA」を設定
    End With
End Sub

４．最後に

Withステートメントは、作成時のソース量を少なくするだけではなく、読みやすくする目的でも使用されます。有効に使用してください。