全くの未経験でも大丈夫?異業種からIT業界に挑戦し活躍するために知っておくべきこと
現代の暮らしには欠かせなくなったIT技術。その発展に伴いIT業界への興味・関心が高まっています。そんな中、未経験だけどIT業界に転職したいと思う方も多いのではないでしょうか?しかし、「未経験でも就職は可能なのか?」、「しっかりキャリアアップできる企業選びができるか?」「就職するためには何をすればいいのか?」など疑問や不安を抱えている方もいるとおもいます。
本記事では、未経験からIT企業への就職を考えている方に向けて「未経験でも就職が可能な理由」「未経験者向けの企業選びのポイントやおすすめ職種」、「就職するためのコツ」などを紹介しています。本記事が少しでもIT業界への就職を志す方の助けとなれば幸いです。
目次
1.文系・未経験でも就職可能!その理由とは
IT業界には元々文系学部出身の方やIT業界未経験の方も多く働いています。その理由を解説していきます。
1-1.需要に対するIT人材の人手不足
経済産業省の報告によると、2030年には供給人数に対して不足人数が高く見積もって79万人、低く見積もっても16万人となります。IT需要が拡大する一方、高齢化による労働人口の減少が見込まれIT人材の需供ギャップは高くなる見込みです。そのため、理系(情報処理学部)や経験者に限らず積極的に採用する企業が多く存在します。
1-2.技術スキルや知識が全てではないから
もちろんIT企業で働くうえで技術スキルや知識はあるに越したことはありません。しかし、それだけが全てではありません。多くのIT企業では求める人物像としてコミュニケーション能力を挙げています。働くうえでチームメンバーとの仕事の現状確認や客先との要件定義などを行うため、「相手に正確に情報共有を行える」といったコミュニケーション能力が求められています。また、コミュニケーション能力のほかに納期内に成果物を作成するスケジュール管理能力なども求められます。
面接を行ううえで上記のようなヒューマンスキルも重視されるため、現時点で技術スキルや知識が無いことでIT業界への就職をあきらめる必要はありません。
2.未経験者の企業選びのポイント
未経験の方が入社するIT企業を選ぶうえでのポイントをご紹介します。
2-1.自分に合った企業か企業規模の観点で確認する
よくネットでIT企業について調べると「いきなり1人で業務を任された」「残業が多い」などネガティブな体験が出てきます。こうした自分に合わない企業を選んでしまう事態を避けるために、事前に企業規模を確認するのをおすすめします。
例えば、「最初は少しずつ経験を積んでいきたい」、「ワークライフバランスも大切にしたい」という方にはある程度規模の大きい会社がおすすめです。私や先輩SEの体感としても、従業員が100人以上いる規模であると「OJTなどで先輩SEと働きながら、少しずつ成長できる」、「チームで仕事を行える」、「体調不良などで欠員が出た際のフォローが行える」体制である確率が高いです。
また、「なるべく早いうちから様々な実務を経験したい」という方には、ベンチャーなどの小規模の会社もおすすめです。こうした企業では少数精鋭で仕事を行うため未経験でも様々な作業を任されます。しかし、こうした企業では、自分で率先して調べる能力が求められます。
2-2.研修制度があるか確認する
IT企業の中でも特にエンジニアを志望している方は技術スキルの経験不足により、業務についていけるかなどを不安に思う方もいると思います。そうした不安を解消するため、募集する会社に未経験者向けの研修制度がある企業を選ぶことをおすすめします。参考までに筆者が新卒入社した企業では、中途の方とも一緒に以下のような研修を受けました。
研修があることによって先輩や講師の方、同期と基礎的なプログラミングを学んでから現場に配属されるため、安心して業務に参加することができます。なかには特に研修を行わない企業もあるため、必ず研修制度があるか確認しましょう。
2-3.福利厚生が充実しているか確認する
離職率の低い企業は、福利厚生が充実している場合が多いです。一般的なポイントとして挙げられる「社会保険完備」はもちろん「休暇制度の充実」、「資格支援制度の有無」「自己啓発のサポート (勉強会やschooなど外部の学習サービス利用など)」の有無を事前にHPなどで確認しましょう。
特に「資格支援制度の有無」「自己啓発のサポート」がある企業ですと、入社後のモチベーションを継続しやすく、社員同士が切磋琢磨しながら働きやすい環境となっています。
2-4.自分の希望する業務内容かどうか確認する
こちらの確認も、入社後の自分のキャリアイメージとの齟齬を減らすためにも大切です。以下は技術職で募集する際の確認とはなりますが、筆者が企業選びをするうえでHPや求人、エージェント、実際の面接で確認した内容です。
- 開発やテストなど、どの工程の業務が多いのか
- 要件定義からテストまで一連の流れを経験できる案件はあるのか
- 案件は何次受けが多いか二次受けまでの案件が多いと、要件定義や開発に関われる機会が多くなります。
- 未経験でテストから入った場合、開発にキャリパスした人はいるか、開発にキャリパスした人の場合どの程度の年数や経験で実現できたか
こうした確認をすることで、「入社後は開発がしたかったけどテストばかり」、「スキルが身につかない」
などの可能性が少なくなります。また、IT営業やIT事務などの職種での応募の場合でも、事前に業務内容を確認することで自分の業務ボリュームなどを把握でき、事前のイメージとの齟齬を減らすことができます。
3.未経験者でも就職しやすい職種
IT業界には、様々な職種が存在します。今回は、その中でも比較的未経験者でも就職しやすい職種を技術職やその他の職種も含めてご紹介します。
3-1.技術職
技術職では、以下の4職種がおすすめです。
3-1-1.おすすめ職種:プログラマー
プログラマーは、システムエンジニアが作成した設計書を元にプログラミング言語を使用してコードを作成する職種です。エンジニアとしての最初のキャリアとして、プログラマーから始まる場合が多いです。
最初は既存システムの簡単な改修などから任されることも多く、未経験者の受け入れも多いため未経験の方にもおすすめの職種となっています。
3-1-2.おすすめ職種:インフラエンジニア
インフラエンジニアは、データベースエンジニアやサーバーエンジニア、ネットワークエンジニアなどの総称です。総じてITインフラの設計・構築・運用・保守を行います。最初は主に運用・保守から任されることが多いためインフラスキルの基礎となる知識が身に付けられるためおすすめです。また、こちらも未経験者からの受け入れも多い職種となっています。
3-1-3.Webエンジニア
Webエンジニアにはフロントエンジニアとバックエンドエンジニアの2種類がります。フロントエンジニアは、Webサイトの画面など目に見える部分の設計や開発を行います。バックエンドエンジニアは、「目に見えないシステムの内部処理やデータの受け渡しに関する開発を行います。
こちらも未経験者からの受け入れが多い職種となっているためおすすめです。特にフロントエンジニアの場合、使用するプログラミング言語の習得難易度が高くないのでよりおすすめです。
3-1-4.テストエンジニア
テストエンジニアは、システムにエラーが無いかテストし、品質担保を行います。主にテストの計画、設計、実施に役割が分かれています。最初はテストの実施部分を任されることが多く、テストを通してシステムへの理解が深めることができるためおすすめです。また、こちらも未経験者からの受け入れが多い職種となっています。
3-2.IT営業
IT営業には、「システムやサービスの販売」「人材の提案」「セールスエンジニア」の主に3つの種類があります。
「システムやサービスの販売」は、他業種の営業に最も近い職種です。顧客に自社のシステムやサービスを提案し、販売します。異業界からIT業界への転職の場合でも、転職しやすい職種となっています。「人材の提案」は、派遣先に対して自社のエンジニアの派遣提案を行う職種です。顧客から案件内容をヒアリングし案件に合った人材の提案や、派遣した人材の管理や単価交渉などを行います。「セールスエンジニア」は、顧客側の問題や課題を技術面から解決することを提案する営業職です。
こちらは技術スキルが無い未経験者でも就職しやすい職種となっているためおすすめです。しかし、就職後はITの知識を身に着けていく必要があります。
3-3.ITサポート
ITサポートは、ヘルプデスクとも呼ばれます。主にコールセンターのオペレーターやテクニカルサポートの担当者のことを言います。主にIT事務や総務の業務が多いですが、運用保守を行うこともあります。
転職時に専門的なスキルが求められることが少ないため、ExcelやWordを使用できる方なら就職しやすいためおすすめです。また、こちらも未経験者の受け入れが多い職種となっており、ITエンジニアになる最初の一歩として入る方も多いです。
4.未経験者が就職するためのコツ
ここでは、未経験者が就職するためのコツを紹介します。
4-1.就職・転職エージェントに相談してみる
初めての就職や未経験職種への転職となると、まずはプロに相談することをおすすめします。プロの目線から志望動機の整理や履歴書・経歴書の書き方、面接の練習などをサポートしてもらえます。
より詳細なエージェントの活用方法は、下記記事を参考にしてみてください。
関連記事4-2.IT知識を身に着ける
技術職はもちろんそのほかの職種でも、まずはIT関連の勉強をしてみることをおすすめします。私もこの経験の有無で、面接の通過率がだいぶ上がりました。また、実際に面接のフィードバックを受けた際に面接官の方から「未経験者の場合、面接をする段階で勉強を行っているかどうかで印象が異なる」と言われたことがあります。
4-2-1.おすすめ方法:実際にプログラミングをしてみる
最近では手軽にプログラミングを学べるwebサービスが存在します。初心者の方向けにおすすめするのが下記2つのサービスです。
・Progate:スライドでの解説とその後の実践問題がセットになっており、ブラウザ上でプログラミングを実行できます。そのため環境構築の手間が無く、インプットとアウトプットが同時に行えます。
・paizaラーニング:1本3分と短くまとまった動画と練習問題で効率的に学べます。こちらもブラウザ上でプログラミングを実行できるので環境構築の手間もありません。
プログラミング言語は何を勉強しても大丈夫ですが、個人的なおすすめはJavaとPythonです。Javaは多くの企業でも研修に採用されていますし、Javaを使用した案件も多いです。PythonはAI分野でよく使用されるイメージですが、Webや数学、事務処理など幅広く使われており文法が比較的シンプルで人気の言語です。
4-2-2.おすすめ方法:資格勉強を行う
合格という明確な目標を持ちやすいので、ITの知識を身に着けるうえで資格に挑戦するのがおすすめです。特におすすめなのはITパスポートです。ITパスポートはITに関する基礎的な知識を証明できる国家資格です。IT系の資格の中でも難易度が低い資格となっており、参考書と過去問題を中心に勉強すれば合格しやすいです。また、通年で試験を開催しているので自分の都合の良いタイミングで試験を受けられます。
ITパスポートがあれば就職できるわけではありませんが、初心者ならば面接時に「ITパスポートを取得しようと勉強中です」と一言添えるだけでも勉強意欲を伝えられると思います。さらに勉強状況を聞かれる場合もあるので「参考書の●●章まで勉強を進めているところです」「過去問の●●の分野が現時点で得点が低いので、そこを中心に勉強中です」まで言えるとよいと思います。
5.最後に
ここまで読んでくださりありがとうございます。未経験の業界への就職は不安が多くあると思います。筆者も文系の学部からIT企業へ就職する際は疑問や不安が多くありました。
未経験からのIT企業への就職では、特に現状の技術スキルや知識よりもヒューマンスキルや勉強意欲を見られます。本記事を参考の一つとして、是非IT業界に挑戦してみて下さい!
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