ITエンジニアの成長の仕方!

エンジニアの成長に絶対欠かせない2つのこと

福井克明(編集長)

福井克明(編集長)

ENGINEER.CLUB編集長/ボールド経営戦略本部長/50歳/ボールド歴8年

エンジニアの皆さんが着実に成長するには2つのことが必要で、それは「環境が整ってさえいれば必ず成長できるという努力量」と「努力さえすれば必ず成長できるという環境」です。当たり前の話ではありますが、この両輪が揃っていると人は成長できると確信し、片方もしくは双方が欠如していると自分の成長に不安を感じるものです。今回はそこについてまとめてみましょう。


1.エンジニアとしての成長に必要な2つのこと

成長に必要な自分の「努力量」と、成長を可能とする「職場環境」、この2つが整っている時、エンジニアは自分の成長にある一定の自信というか明るい展望を持つことができます。ところがこの2つが同時に揃って、どんどん成長しているという人は案外少ないものです。

1-1.努力

エンジニアには勤勉な人が多いので、「努力量」は担保できそうなものですが、とかく現場にある目の前の仕事を一生懸命やる勤勉さばかりになってしまいます。毎日同じような仕事をしており、結果として経験の数は増えているが、成長という意味では不安があるという人が散見されます。

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1-2.環境

エンジニアという職種の成長は、他職種に比べて、何を任されているのかという「環境」に左右されざるを得ない面が強いです。結果として、自ら意図的に成長できる環境を手に入れている人も少ないです。

卵が先か鶏が先かという話で、正しい努力をしていないから良い環境が得られずという面もあり、一方で環境が悪いから努力する気にもなれない、と感じている人も多いようです。

最もよろしくないのは、努力量が伴わないのに環境だけやたらと変える人で、それは問題解決に向かっておらず環境のせいにするだけのスパイラルに入ってしまうことがあります。

成長に欠かせない「努力量と環境」が揃うと、自分の成長に自信を持つことができ日常の仕事にも前向きに取り組めるようになります。逆にそれが整わないと漠然とした不安を抱えたままで日々を過ごすことになります。今現在、実際に不安に思っていると言う人も、そこまで不安でもないが自信に充ち溢れるような状況でもないという人も、ぜひ以下の手順に従って、自分がきちんと成長していけそうな状況か否かを分析し、それが叶うよう整えていきましょう。


2.自分の「努力量」を正直に受け止めて、対策してみよう

自分の限界まで全力で努力をしています!と断言できる人は少ないと思いますが、一方で、もっと努力した方が良いことも分かっているし、もっと努力もできるはずなのだけど、なかなか腰が上がらないという状態では、成長を望みようもありません。また、そういう状態であることが大きな不安となり、日常のパフォーマンスすら発揮できないという人も散見されます。まずは努力量を上げてみるというのは非常に大事なことです。

 

2-1.自身の努力量は適切か

エンジニアが出来る努力は大きく分けて以下の3つになると思われます。

  1. 現場での仕事に対する努力
  2. 技術や資格試験などに向けた努力
  3. 技術力以外の自己研鑽

一つ目は、現場での仕事に対して努力をしているか。二つ目は現場とは直接には関係がないが中長期で必要となる技術や資格試験などに向けて努力をしているか。三つ目は、技術力以外の自己研鑽をしているか、です。

これら三つの努力をバランスよく出来ている時、多くの人は自分の近い将来に対して前向きになれ、力を発揮するものです。バランスよくかつ足りている、と言い切れることは素晴らしいことですし、努力量が足りているなら後は職場環境に関して考察するだけです。しかし、多くの人は、正直な分析として足りていないと思っており、他人から聞かれれば「頑張っています」とか「足りています」という人も、心の中では不安を抱いているものです。

2-2.努力不足を解消するためには時間を三等分しよう

努力不足を解消するためには努力をしなさい、という話なのですがそれでは禅問答にもなりませんので、具体的な努力の方向性についてまとめます。2-1でも記したように、エンジニアの努力には大きくわけて3つの方向性があり、それぞれバランスよく努力を始めると継続性が高まります。

まず、平日1日における自分が投入できる(無理のない、継続可能な)範囲で最も多めに時間数を決めます。例えばそれが90分なら90分でもいいし、60分なら60分でもいい、極端に言えば30分でもいいです。ただしあまり短い場合には、せめて休日のどちらか1日でも良いので少し長い時間を確保することを自分にコミットしましょう。

例えば90分であれば、それを30分ずつ3つに均等に分けます。そこに21で示した3つの努力を割り当てていくのです。現場の仕事が少しでも順調に進むための努力、自分のスキルアップのための資格勉強、人間力やビジネス能力などの自己研鑽の努力。

3つに分けることには意味があります。何かひとつのことに偏った努力をしていると、せっかく努力をしているのに他の項目が全く成長しないことが気になって不安になるという非効率を排除できますし、また、たかだか90分と言えども毎日毎日努力をするのは大変だし飽きやすいものですが、3つのことに30分ずつだと飽きにくいです。(これは皆さんが想像している以上に飽きにくいので本当にやってみてください)。ただし、ひとつひとつのことに投入する時間量は短めになりますので、その分、集中力は切らさぬように注意しましょう。

バランスよく努力を始めると、思っている以上にそれが自信になり、職場での発言や顔つきまで変わってきますし、時間が経過すれば実際に努力の成果も出始めます。半年もすれば、何が不安だったのか分からないくらいになってきます。そうなってきたら、今度は不安を払拭するためではなく、もっともっと成長できるためにという前向きな気持ちで投入時間を増やしてみましょう。


3.「職場環境」を冷静に分析して、対策してみよう

職場環境を構成する要素は沢山ありますが、大きく分けると、何をやらせてもらえるているかという「職務内容」と、どんな人に囲まれているかという「人間関係」が挙げられます。

エンジニアの世界は「何をやらせてもらえるか」で経験値が変わり、自分の市場価値も変わっていくものです。自分で勉強するだけではスキルとして評価してもらえず、実際にやったことがあるか否かで判断されるプロの世界ですので「いま何をやっているか」が非常に重要なファクターになるのは言うまでもありません。

また、職場の人間関係は必ずと言ってよいほどエンジニアのパフォーマンスを左右します。同僚、部下、上司…、特に上司との折り合いが悪い場合には自分の評価やスキルアップに関し大きな不安となりますし、上司に恵まれると、持っている最大限の力が発揮できたりするものです。努力もしていて、職務内容も悪くないのに自分のキャリアアップ(スキルアップ)に不安が残る場合は、往々にして人間関係であることが多いものです。

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3-1.職場環境(職務内容)に関する考察と対策

職場環境の中でも、エンジニアの成長に直結しやすい「職務内容」ですが、職場にはスキルアップできる良い職務もあるのだが自分が評価されておらず、そういう職務に就けていない場合は努力で解決できるが、問題は、職場にスキルアップできる道が全くなく、多くの先輩は今の自分と同じような仕事を何年もしており先が見えないという場合。前者の場合には、1章でも述べた通り、適切な努力量を投入することで解決することが多いのですが、問題は後者の場合です。

たとえば監視と保守のフェーズに特化している企業に在籍している場合など、自分は監視の2年目に入ったばかりなので今年一杯くらいは監視でもいいとも思うが、同じ現場には監視をしている人しかおらず最年長のリーダーはもう9年目に入っている。そのリーダーが、マネジメントに前向きに挑戦していればまだ救われるが、覇気も全く感じられず、絶対にこんな風になりたくないという現場。たまに他の現場に行く人もいるが、運用の仕事までが限界で、構築だの設計だのというフェーズに上がった人は見たことがないというような状況。そういう職場、あるにはありますね。ちょっと極端な例ではありますが、どうしても環境のせいにしたくなるし、大いに不安になることと思います。

このような環境においても、努力をしてみるべきです。あなた自身が不安になるような環境というのは、他の人も多いに不安であったり、場合によっては諦めの心境で続けている人もいるはずです。そういう集団においては、努力することがより一層際立つので、客観的に努力の成果を示しやすい(認めてもらいやすい)とも言え、資格取得のような明確に他人に判断してもらえる努力がお薦めです。会社から命じられてもいないのに資格を取得すれば、君だけは向上心があるねと思われますし、そう思われると自分の位置からは見えていなかった全く別の案件にアサインされることもあるでしょう。また、同じ運用の現場でも、リーダーとして運用改善や運用設計のフェーズに上がれれば、それもまた大きな成長につながります。簡単な初級資格に留まらず中級資格あたりまで頑張ると、あなたをアサインさせるための新たな現場を取ってきてくれることすらありえます。

3-2.職場環境(人間関係)に関する考察と対策

エンジニアは組織の中で仕事をする訳ですので、大なり小なり人間関係には悩まされるのが常です。特に上司が自分と性格の合わない人になると、本当に辛いものです。この人とはどうやっても分かち合えない!と思ってしまうと、もう台風が過ぎ去るのを待つかのごとくに、おとなしく事なかれ主義で日々を過ごすことになります。波風は立たないので問題勃発はしにくいのですが、その分、自分の将来は不安に駆られることとなってしまいます。いったいいつまでこの状態が続くのだろうか、と。

人間関係というものは性格とか価値感の不一致のような根本的な問題に見えるので、とかく諦めがちではありますが、実は「仕事上の」という限定的な人間関係においては大幅に改善することも可能です。まずはあなたの仕事に対する(もしくは上司に対する)スタンスを変えてみましょう。

上司のことが嫌いでも、もうとっくに慣れてしまったレベルの仕事でも、いったんスタンスを「前向きで仕事に積極的な人」に全面的に変えてみましょう。そうすると、相手の受け入れる姿勢やあなたに対する言動が必ず変わってきます。プライベイトはともかく、仕事上の関係であればそれだけで最悪状態は脱却できるはずです。

スタンスについては、下記リンク先の記事「なぜ目標設定が大切なのか?エンジニアが見逃しがちな2つの着眼点」で具体例も挙げて詳細に触れていますので、参考にしてみてください。

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4.それでもダメなら転職を考えよう

さて、努力量も上げ、資格も取得し、スタンスまで変えた場合、実はほとんどの不安は解消し、成長に向かって進んでいける職場が多いです。あなたはきっと評価も上がり、自分も不安なく前向きに取り組めていることと思います。職場環境や人間関係など、一見簡単には変わらない(変えられない)と思いがちな懸案まで含めて全て解決する場合すらあります。

転職者の面接をしていると、「前の会社にはスキルアップできそうな良い案件が一切なかったので」と語るエンジニアが多いですが、よくよく聞くと大した努力もしておらず、仮に良い案件があってもアサインされる人にならないじゃない、というタイプによく出会います。そう思われてしまっては良い職場環境の企業への転職もままなりません。

資格取得は転職をする場合にも有利に働きますし、どこに言ってもある一定以上には評価が受けられる客観的指標のひとつです。取って損はありませんので、まずは資格を取得して、社内での成長の限界点を見極め、それでも成長が全く見込めない環境なのか否かを見極めるべきです。

4-1.目安は6か月~1

そうは言うけど、どれくらい頑張ったらいいの?という疑問は当然あると思います。絶対的な量や期間は断言できませんが、不安が解消するまでおよそ6カ月くらい、どんなに長くても1年かからないです。半年後にはほとんどの不安が解消に向かっており、自分も自信に満ち、かつ評価も上がっているはずです。自分の努力とスタンスの変化によって、今いる会社そのものが好きになったり、同じ現場なのに違う仕事を任されて意欲的になれていたり、以前は何をくよくよ不安に思っていたのだろう?と不思議な気持ちになることすらあります。不安は無事解消され、この記事の目的も完遂です。

ところが、この6カ月~1年の努力をもってしても、問題が浮き彫りになるばかりで不安が全く解消されない場合があります。それは、本当に環境が悪い時です。

4-2.本当に転職すべきタイミング

世の中のエンジニアの方々は、何か自分が評価されなかったり、上手くいかなかったり、希望が通らない時に転職活動を始められますが、実は転職活動というのは、やるべき努力を丁寧に行い、自分の評価を上げた際に、それでも成長が手に入らなそうであったら、その時こそが転職活動を始めるタイミング、と言えます。

全ての対策も行い、それでも何一つ良化しない場合、それは本当に環境が最悪なわけで、もしそうなったら躊躇なく転職しましょう。自分は努力も研鑽もしているし、資格も取得している、仕事に対するスタンスも良い。何なら評価も一定以上受けている。だけれども、まったく成長できない。なので転職せざるを得ないのです。そういう人は必ず面接でも高い評価を受けますので、転職は必ず上手く行きます。

逆に環境や人間関係のせいにしたまま努力をしないで転職するのは、採る方から言えば躊躇があります。なので、努力とスタンスで不安を取り除く行為というのは、そのまま直球の解決策にもなりますが、正しい転職の準備期間とすら言えるのです。

これは非常に重要かつ皆さんの関心事でもあると思いますので、また別の機会に「転職について」だけを深堀して記事にしてみたいと思います。

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5.まとめ

結論をまとめますと、エンジニアの成長に必要な2つのことは、適切な「努力量」と適切な「環境」であり、その両方が整っていないいけません。

まずは自分の努力量を上げ、「現場の職務」「中長期の技術力」「技術力以外の自己研鑽」の3つをバランスよく配分して努力するのがよいです。

職場環境を構成する2大要素である「職務内容」と「人間関係」ですが、前者は努力量を上げることで改善したり見極めたりすることができ、後者はスタンスを変えることで改善できます。少なくともビジネス上は解決できる可能性が高いです。およその目安として半年か1年すれば結果があらわれ、実は今のままの環境にいても成長できるという展開になることが多いです。

もし全く効果が見えないようであれば転職を考えざるを得ないのですが、これまでの努力とスタンスの変更で、転職の成功確率が上がっているはずなので、結果オーライという話しです。

要は正しい方向に努力量を上げ、仕事のスタンスを変えることによって人間関係の不安を払拭し、充実したエンジニアライフを送りましょう!ということですね。これをきっかけに、努力量やスタンスが改善され一流のエンジニア目指して成長が加速する人が、一人でも多くなることを祈っています。

  • エンジニアの成長には「努力量」と「職場環境」が大事
  • 「職場環境」は職務内容と人間関係で決まる
  • 職務内容は資格取得などの他人が評価しやすい「努力」で解決することが多い
  • 人間関係は「スタンス」を変えることで解決することが多い
  • 正しい改善を試みたが「職場環境」がどうにもならない場合には転職も視野に入れるのが良い
  • ただし、その改善期間で転職が成功する確率もあがっている
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