会議での発言を圧倒的によくする6つのこと
会議で上手に発言が出来ない。暇すぎて眠くなる。会議に出るくらいなら自分の仕事がしたい。
どれも会議についてよく聴くセリフです。
サラリーマン人生が四半世紀を超え、8業種8社でサラリーマンをしてきた私は、これらのセリフを同僚や部下の人たちからさんざん聴かされてきました。
そんな時「会議での発言が圧倒的に良くなり、会議に参加するのが楽しみになり、延いてはブランディングが良くなって場合によっては出世まで出来てしまう方法がひとつだけあるよ」と声をかけます。
実際に実践した人の多くが後に出世しているこの方法。端的に言えば、小中学生の頃、大っ嫌いだった「予習・復習」です。
そう、「予習・復習」はみんな大っ嫌いです。だから99%の人がやっていません。しかし、「予習・復習」をやると誰でも成果が出て楽しくなるのが会議なのです。
今回は、会議への参加の仕方を劇的に変える「予習・復習」の方法をお話しましょう。
目次
1.会議というものの本質への誤解
若いうち、特に役職に就く前のビジネスパーソンは会議の本質を誤解していることが多いです。単なる情報共有の場だと思っている人、各参加者が自分の業績や進捗を報告する場だと思っている人、上長の意見を聴き上長が何かを決定する場だと思っている人、それぞれ完全にズレている訳ではなく、そういう要素ももちろんあるにはあるのですが最も重要なことが欠落しています。それは会議というものが「そこに参加する全ての人の意見やアイディアを出し合ってより良い意思決定をする場」であるという当然のことです。
この会議とは何ぞやという定義は、古今東西多くの先達が語っておられますし、その定義そのものには皆さんあまり疑義がなく、それは分かるがどうすればいいの?という人ばかりだと思いますので、ここでは定義は深掘りしません。
会議に主体的に参加し、発言し、楽しめるようになるために必要なのは「予習・復習」である。そこだけを解説していきましょう。まずは予習からです。
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2-1.アジェンダを予想する
会議に対する予習とは何か。それは「アジェンダを予想する」ことです。一般的に会議のアジェンダというのは議長もしくは事務局が作成して送ってくるものと思っている人が多いですが、これが大きな誤りであり、参加する以上(毎回参加している以上)、次の会議で議長が何と何と何を決したいかくらい分からないようではお話になりません。最初のうちは、外れることも多いですが必ず予想をしましょう。
ではいつ予想すれば良いか。それは「アジェンダが配られるより前」であればいつでも良いです。何も見ないで予想することが大事で、一度アジェンダを見てしまうと「まあ、自分でもそんな感じだと思ってたよ」という感想しか出ませんが、見る前に仔細に予想さえすれば自分がどれだけ議長とズレているかも明確になります。そうでないと訓練になりません。なので最初のうちは予想は必ず文字で残しましょう。脳内でざっくり思考しているとズレていることが分からず自分に甘くなります。そこだけ注意してください。
アジェンダは、会議の場でいきなり配られることが多いですが、前日までにアジェンダが配布される会議もあります。その場合には前々日の夜までにやってしまいましょう。
2-2.発言者と発言内容を予想する
最初のうちはアジェンダの予想だけで結構ですが、慣れてきたら今度はそのアジェンダに沿って誰がどのタイミングでどんな発言をするか、どんな意見を言うかを予想しましょう。これが慣れるまでは案外と難しいです。アジェンダを箇条書きにするところまでは予想できても、具体的な発言者とともに議論の流れと帰着点を予想するのには繰り返しの訓練が必要です。ただ、この「発言者とその内容を予想する」ことこそが、自分の会議内での発言を促し、その内容を格段に良化させるポイントですのでチャレンジしない手はありません。何度失敗しても結構ですから、必ず明確に予想してから会議に臨みましょう。
2-3.自分の意見をYesかNoかくらいは決めてみる
発言者と発言内容を予想した訳ですので、自分の意見も決めましょう。アジェンダの全項目にわたって議論が予測してあり、発言者の意見に対してYesかNoかが決まっている状態。これが最低限、会議に出ても良い状態と言えます。このYesかNoかを考える過程で、必ずその理由とか根拠を思考することになりますので、その根拠くらいはメモしておきましょう。
2-4.それを補強する材料を準備する
最低限の予習としては前項のYesかNoかを決め、その根拠をメモする程度でOKですが、もし余裕のある人や向上心のある人は、もうひと準備進めましょう。自分の根拠を裏付けるデータなり事実なりを探してまとめておくと良いです。何も考えずに会議に臨んでいる人に比べれば、根拠と共に意見が述べられるだけで大幅なアドバンテッジですが、手元に数字や資料や他社事例まで持っていると、発言がより強固になります。場合によっては、もともとの発言者(その意見を提起した人)を助けるシーンすらあり得ます。ここまでくれば、おそらく発言してみたいと思うようになっているはずであり、そうなれば会議が楽しみにすらなってきます。基本的な予習はここまでです。
2-5.会議を楽しむ
さあ、いざ会議が始まります。アジェンダが配られた瞬間から、クイズの答え合わせを楽しんでいる感じで面白いです。最初のうちはズレまくっている自分のアジェンダも、回数を重ねるごとにだんだん議長の癖なども分かってきて的中率が上がります。それが楽しいです。
アジェンダの的中率が上がり始めると、発言者とかその内容もどんどん当たるようになります。それぞれの参加者の性格や特徴、事業部の現状なども含めて、口癖までセットで予想しておくと、あまりに当たりすぎて会議中吹きそうになることすらあります。そうなってくれば、どんなタイミングでどんな空気の時に自分の意見を言えば良いかなんて、自然と分かってくるものです。
予想通りの箇所、予想しきれなかった箇所、色々なポイントでメモを取りますので、眠くなる暇など一度もないはずです。
2-6.議事録で必ず振り返る
最後の仕上げは、復習です。予習のタイミングはアジェンダが配られるより前でしたが、復習のタイミングは議事録が配信されてからできるだけ早く、が良いです。会議の内容や発言の流れ、結論に至るまでの議論や、その時に自分が脳内で思考していたことなどが記憶として新しいうちに復習するのがコツです。何がどう予想と違ったのか、その違いはなぜ起こったのか。これを考え次回につなげるのです。この復習なくして、アジェンダの予想精度は上がりませんし、ましてや発言者の発言内容を予測するのは困難です。回を追えば追うほどに精度が上がって楽しくなっていく、そういう会議への主体的参加を可能にするのはこの復習です。復習の段階で、次回の予習の半分くらいはやってしまう感じです。
主体的でない多くのビジネスパーソンは、議事録に関して全く見ることすらなかったり、見ても自分のパートだけを次の会議の直前に慌てて読む感じの人が多いようですが、それでは一生、会議は楽しくなりませんし、まともな発言が出来るようにもなりません。議事録も前のめりに使ってなんぼなのです。
3.まとめ
- 会議のアジェンダは必ず予想し文字で残す
- 発言者と発言内容も予想する
- その発言内容に対してYesかNoかをはっきりする
- そのための根拠を思考する
- できれば根拠数字やデータ、他社事例など自分の意見の補強材料を探す
- 会議を楽しむ
- 自分の予想が当たっている箇所と当たっていない箇所をメモする
- 議事録が配信されたら本格的に復習し次の予習につなげる
このステップを踏めば、会議内での発言内容は圧倒的に良くなるはずです。是非チャレンジしてみてください。
4.さいごに
会議という場は、普段一緒に仕事をしていない人達にも自分がどんなビジネスパーソンであるかを最も伝えられる場です。また、世間でよく「ひとつ上の視線で仕事をしろ」と言われますが、それはまさに、ある会議の参加者全部門に責任を持っている議長の視線です。つまりアジェンダを完璧に用意して意見を持って参加するというのは議長の目を持っていることのアピールになり、抜擢や出世につながるブランディングを醸成できます。何より、会議がおもしろくなる。手元数字を使って皆を納得させ、自分がこうだと思う結論に会議全体を持っていく。これが会議の参加者の本来の醍醐味であり、裏を返せば最低限の出席条件でもあるのです。ぜひ、自分の日常の中に有意義な会議を増やし、周囲から一目置かれる存在になってください。
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