【初心者】AWS RDSとは?知っておくべき6つの利点と使い方

AWSのRDSとは?知っておくべき6つの利点と使い方

髙橋 瑛博

髙橋 瑛博

フロントエンジニア/エンジニア歴1年11ヶ月/サバゲー部

AWS RDSってどういうサービスなんだろう?」今回はこんな疑問にお答えします。

Amazon RDS(Amazon Relational Database Service)はAWSが提供しているデータベースサービスの一つで、mysqloracleなどの6つのDBエンジンから好きなものを選んで使うことができます。

この記事ではAWS RDSの特徴や種類作成方法を分かりやすく解説していきます。

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1.AWS RDSとは?6つの特徴

Amazon Relational Database Service (AWS RDS)は、AWSクラウドで使用できるリレーショナルデータベースです。知っておきたい以下の6つの特徴がありますので、分かりやすく解説していきます。

  • 高速化
  • 可用性と耐久性
  • 構築、管理が容易
  • 高いスケーラビリティ
  • 低コストのデータベース
  • 暗号化による高いセキュリティ

1-1.高速化

RDSでリードレプリカを使用してデータベースを高速化することが出来ます。リードレプリカとは読み取り専用のデータベースのことで、これを複数設置することにより大量の読み込みリクエストが来た場合でもパフォーマンスを落とさずに処理することが可能です。

1-2.可用性と耐久性

マルチAZ配置にすることによって可用性と耐久性を獲得出来ます。マルチAZ配置では、スタンバイレプリカ(バックアップ用データベース)をプライマリDB(元のデータベース)とは別のAZに配置します。もしプライマリDBに何らかの障害が発生した場合はスタンバイレプリカに自動的に切り替え、サービスへの影響を抑える事が出来ます。

1-3.構築、管理が容易

もし、従来のオンプレミス環境でデータベースを構築しようとすると莫大なリソースと時間がかかってしまいます。場所の選定、機材の発注、セキュリティの構築……。しかし、クラウドであるAWS RDSならその心配はありません。OracleMySQLなどのDBエンジンと必要なストレージを選択すればものの数分でデータベースを構築することが可能です。

1-4.高いスケーラビリティ

スマホに保存容量の上限があるように、データベースにも保存容量の上限があります。「気づいたらデータベースの容量がいっぱいになってしまった・・・」なんて頭を抱えることもあるかもしれません。。でも、AWS RDSなら大丈夫!容量の増加に合わせてストレージを追加することが出来ます。しかもデータベースを停止することなくストレージを拡張する事が可能なのでビズネスへの影響を心配する必要はありません。

1-5.低コストのデータベース

月額の従量課金制のため、使った分だけを支払う形になります。さらに初期費用は無料、また使わなくなったデータベースは削除すればそれ以上の料金は発生しません。また、1年間または3年間の契約で使えるリザーブドインスタンスというのもあり、これを使えば大幅な割引を受けることもできます。

1-6.暗号化による高いセキュリティ

AWS RDSではKMSAWS CloudHSMといった暗号化サービスを使うことも出来ます。これを使用してデータベースを暗号化し、指定されたユーザーのみがデータを閲覧出来るようにします。


2.種類と料金

AWS RDSでは複数のDBエンジンを使用することが出来ます。この章では以下のDBエンジンの特徴と料金、無料枠についてわかりやすく解説していきます。

  • Oracle
  • MySQL
  • MariaDB
  • SQL Server
  • PostgreSQL
  • Amazon Aurora
  • 無料枠

2-1.Oracle

Oracleはフルマネージド型のDBエンジンです。つまり、ユーザーがバージョンアップやバックアップをする必要がありません。なお、RDSでは以下のバージョンのOracleデータベースを使うことが出来ます。(2022/1/1現在)

  • Oracle Database 19c (19.0.0.0)
  • Oracle Database 12c Release 2 (12.2.0.1)
  • Oracle Database 12c Release 1 (12.1.0.2)

料金の一部を抜粋します。

〇DB使用料:1時間あたり0.352USD(ライセンス込み、マルチAZ、db.t3.mediumの場合)

〇DBストレージ使用料:1か月あたり0.138USD/GB(汎用SSDストレージの場合)

2-2.MySQL

MySQLはオープンソースのDBエンジンで、シンプルな操作性が特徴です。そのため、小規模から大規模の開発まで幅広い場面で使うことが出来ます。RDSでは以下のバージョンのMySQLデータベースを使うことが出来ます。(2022/1/1現在)

  • MySQL 8.0
  • MySQL 5.7
  • MySQL 5.6

料金の一部を抜粋します。

〇DB使用料:1時間あたり0.208USD(マルチAZ、db.t3.mediumの場合)

〇DBストレージ使用料:1か月あたり0.138USD/GB(汎用SSDストレージの場合)

2-3.MariaDB

MariaDBMySQL5.5から派生したリレーショナルデータベースです。MySQLとの違いはクラスター構成が出来るという点。クラスター構成とは複数のサーバを連携させて一つのサーバで動いているかのように振る舞うシステムの事で、こうすることで負荷分散と助長化(障害に備えること)をする事が出来ます。RDSでは以下のバージョンのMariaDBデータベースを使うことが出来ます。(2022/1/1現在)

  • MariaDB 10.5
  • MariaDB 10.4
  • MariaDB 10.3
  • MariaDB 10.2

〇DB使用料:1時間あたり0.208USD(マルチAZ、db.t3.mediumの場合)

〇DBストレージ使用料:1か月あたり0.138USD/GB(汎用SSDストレージの場合)

2-4.SQL Server

SQL Serverは、Microsoft社が開発したリレーショナルデータベースです。RDSではフルマネージドで使うことが出来ます。Windowsと開発元が一緒のため相性が良く、Windows環境でよく一緒に使われるデータベースです。RDSでは以下のバージョンのSQL Serverデータベースを使うことが出来ます。(2022/1/1現在)

  • SQL Server 2019 CU8 15.00.4073.23
  • SQL Server 2017 CU23 14.00.3381.3
  • SQL Server 2016 SP2 CU16 13.00.5882.1
  • SQL Server 2014 SP3 CU4 12.00.6329.1
  • SQL Server 2012 SP4 GDR 11.0.7493.4

〇DB使用料:1時間あたり2.236USD(マルチAZ、db.t3.xlargeの場合)

〇DBストレージ使用料:1か月あたり0.138USD/GB(汎用SSDストレージの場合)

2-5.PostgreSQL

PostgreSQLオブジェクトリレーショナルデータベースで、オブジェクト指向の一部を取り入れているのが特徴です。また、マルチプラットフォームに対応しており、LinuxWindowsMacOSなど多くのプラットフォームで使用することが出来ます。RDSでは以下のバージョンのPostgreSQLデータベースを使うことが出来ます。(2022/1/1現在)

  • PostgreSQL 13 バージョン
  • PostgreSQL 12 バージョン
  • PostgreSQL 11 バージョン
  • PostgreSQL 10 バージョン
  • PostgreSQL 9.6 バージョン
  • PostgreSQL 9.5 バージョン

料金の一部を抜粋します。

〇DB使用料:1時間あたり0.208USD(マルチAZ、db.t3.mediumの場合)

〇DBストレージ使用料:1か月あたり0.138USD/GB(汎用SSDストレージの場合)

2-6.Amazon Aurora

AWSが提供している、MySQLPostgreSQL との互換性があるフルマネージド型のデータベースです。標準的な MySQLと比べて 5 倍、標準的なPostgreSQL と比べて 3 倍の処理能力があります。また、リードレプリカを最大15個設置出来ます。RDSでは以下のDBエンジンと互換性のあるAmazon Auroraデータベースを使うことが出来ます。

〇MySQL

  • MySQL 5.7
  • MySQL 5.6

〇PostgreSQL

  • すべてのバージョン

料金の一部を抜粋します。

〇DB使用料:1時間あたり0.125USD(My SQL互換エディション、db.t3.mediumの場合)

〇DBストレージ使用料:1か月あたり0.12USD/GB

2-7.無料枠

RDSは以下の条件で無料で使うことが出来ます。

  • 750時間の使用時間(db.t2.microのみ)
  • 20GBのストレージ
  • 20GBのスナップショットと自動バックアップ

3.AWS RDSの作成方法

それでは実際にRDSを以下の順番で作成していきます。

  1. Elastic IPの割り当て
  2. VPCの作成
  3. プライベートサブネットグループの作成
  4. DBサブネットグループの作成
  5. RDSの作成

3-1.Elastic IPの割り当て

まず最初にElastic IPの割り当てをしていきます。

3-1-1.VPCダッシュボードに移動

VPCダッシュボードに移動

AWSログイン後のマネジメントコンソール画面左上に「VPC」と入力します。

サービス一覧の「VPC」をクリック

サービス一覧の「VPC」をクリック

3-1-2.Elastic IPに移動

Elastic IPに移動

VPCを作成する前に、Elastic IPを用意します。VPCダッシュボードの左側にある「Elastic IP」をクリック。

3-1-3.Elastic IPの割り当て

Elastic IPの割り当て

Elastic IPを割り当てる」をクリックします。 

3-1-4.Elastic IPの設定

Elastic IPの設定

特に追加の設定をせず、左下の「割り当て」をクリック。

3-1-5.Elastic IPの割り当て完了

Elastic IPの割り当て完了

Elastic IPを割り当てることが出来ました。こちらは後ほど使用します。

3-2.VPCの作成

VPCダッシュボードの「VPCウィザードを起動」をクリック

VPCダッシュボードの「VPCウィザードを起動」をクリック

3-2-1.VPCの設定の選択

VPCの設定の選択

左の4つの項目から「パブリックとプライベートサブネットを持つVPC」を選択して右下の「選択」ボタンをクリック。

3-2-2.VPCの設定

VPCの設定

以下の内容で設定します。

  1. VPC名:任意の名前
  2. パブリックサブネットのアベイラビリティゾーン:任意のAZ
  3. プライベートサブネットのアベイラビリティゾーン:任意のAZ
  4. Elastic IP割り当てID:先ほど作ったElastic IPを選択

設定が終わったら右下の「VPCの作成」をクリック。作成が完了するまで数分かかります。

3-2-3.VPCの作成完了

VPCの作成完了

VPCを作成することが出来ました。

3-3.プライベートサブネットグループの作成

VPCウィザードを使用してVPCを作成すると、自動でプライベートサブネットとパブリックサブネットが一つずつ作成されます。しかし、RDSを作成する際はプライベートサブネットが二つ必要なので、ここでもう一つプライベートサブネットを作成します。

3-3-1.サブネットの画面に移動

サブネットの画面に移動

VPCダッシュボードの左側の「サブネット」をクリック。

3-3-2.サブネットの作成

サブネットの作成

右上の「サブネットを作成」をクリック。

3-3-3.サブネットの設定

サブネットの設定


4.まとめ

今回はAWS RDSの種類や料金について、わかりやすく解説しました。まとめると、RDSでは次のDBエンジンを使用することが出来ます。

  • MySQL
  • Oracle
  • MariaDB
  • SQL Server
  • PostgreSQL
  • Amazon Aurora

それぞれに特徴があるDBエンジンですので、内容を良く理解してRDSを作成していただければと思います。

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