AWSのEBSストレージとは?3つの特徴やS3との違いを解説
「Amazon EBSってなに?」
「EC2を起動したとき、勝手に作成されてけど、EBSってなんだろう?」
今回はそんな疑問にお答えします。
Amazon EBS(Amazon Elastic Block Store)はAWSのブロックストレージサービス(ボリューム)で、Amazon EC2と一緒に使用することが出来ます。一口にストレージサービスと言っても、用途にあわせて4種類のボリュームタイプがあり、適切に使わないと真価を発揮しません。このサイトではそんなAmazon EBSも特徴や種類、S3やEFSといった他のストレージサービスとの違いを解説していきます。
目次
1.Amazon EBSとは?
Amazon EBSはEC2 インスタンスで使用出来るブロックストレージです。逆に言うとEC2以外では使用することが出来ません。EC2にEBSをアタッチ(割り当て)することによって、CドライブやDドライブと使うことが出来ます。次は同じストレージサービスである、Amazon S3・EFSとの違いを解説します。
コラム:ブロックストレージ 記憶領域をボリュームという単位に分け、ボリュームをさらにブロックという単位に分けてデータを保存するストレージ。 HDDやUSBメモリーがこの形式です。
1-1.Amazon S3との違い
Amazon S3はAWSが提供しているオブジェクトストレージです。AWSで一番有名なストレージサービスかもしれません。EBSには保存出来る容量に上限が有りますが、S3には上限がありません。やろうと思えばいくらでもデータを保存出来ちゃいます。ただ、EBSだとEC2に直接アタッチ出来ますが、S3では出来ません。
EC2で使うならEBSか、次に解説するAmazon EFSを使用することになります。
1-2.Amazon EFSとの違い
Amazon EFSはAWSが提供しているファイルストレージです。最大の特徴は複数のEC2インスタンスで共有が出来ることです。EBSでは特定のボリュームでしかEC2インスタンスで共有出来ません。なお、EFSはEC2インスタンス以外にもコンテナやオンプレミスのサーバーでも使うことが出来ます。
一つ落とし穴ですが、EC2インスタンスでEFSを使う際はLinuxベースのEC2でしか使えません。Windowsベースにしかアタッチ出来ないので注意が必要です。
2.Amazon EBSの3つの特徴
ここからはEBSを使用する際に知っておいた方が良い3つの特徴を解説していきます。
2-1.高い可用性と耐久性
Amazon EBSは自動で同じAZ内に複製されているため、ユーザー側で冗長構成をする必要がありません。ありがたいですね!そのため、EBSは99.999%の可用性を提供しています。
99.999%の可用性ってことは年間で約5.2分しか停止しないという事です!
2-2.暗号化によるセキュリティ強化
Amazon EBSは自動で暗号化し、セキュリティを強化することが出来ます。(暗号化しないようにも出来ます)この暗号化はAWS Key Management Service (KMS)というサービスを使って行われ、暗号時に使用したキーをAWS側で管理してくれます。
暗号化する対象が多くなっても暗号化キーをユーザー側で管理しなくていいのは楽ですね!
2-3.EBSスナップショット
EBSスナップショットというのはEBSのバックアップのことです。利用目的としては、以下のようなものがあります。
- スナップショットを別リージョンにコピーしておいて、メインで使ってるリージョンで障害が発生した時にリカバリー出来るようにする。
- スナップショットを公開してチーム内で共有出来るようにする。
また、この暗号化は保存時だけではなくEC2インスタンスとEBS間のデータ転送時も暗号化してくれます。
3.EBSの4つの種類
EBSには4つの種類があり、用途に合わせて選んであげないとコストが無駄にかかったり、性能不足でイライラしてしまいます。最適なEBSを選択出来るように以下の4つのEBSをそれぞれ解説していきます。
- 汎用SSD(gp3)
- プロビジョンドIOPS(io2)
- スループット最適化HDD(st1)
- コールドHDD(sc1)
3-1.汎用SSD(gp3)
汎用SSD(gp3)は3,000IOPSが保証されているEBSです(IOPSとは1秒間に読込みと書込みが出来る回数)。そのため、仮想デスクトップやMySQLサーバー、開発環境を構築する時に最適なEBSです。容量は1GB〜16TBまでの間で設定可能です。
3-2.プロビジョンドIOPS(io2)
プロビジョンドIOPSは最大64,000IOPSものデータを読み書きすることが出来る高性能なEBSです。高性能な分、費用は他のEBSより高くなってしまいますが、高いIOPSを要求されるアプリやデータベースにも対応することが出来ます。また、EBSの中で唯一マルチアタッチといって複数のEC2インスタンスで同時に使える機能を持っています。容量は4GB〜16TBまでの間で設定可能です。
3-3.スループット最適化HDD(st1)
このEBSは500IOPSで他のEBSより読み書き出来る量は控えめですが、その分低コストで使えるのが特徴です。また、IOPSは低いですがスループット(処理能力)のコストパフォーマンスは一番高く、ログの処理やビッグデータ解析などの大量のデータを処理するのに向いています。容量は125GB〜16TBまでの間で設定可能です。
3-4.コールドHDD(sc1)
コールドHDDはEBSの中で一番低コストで使用出来ます。その代わり、250IOPSとIOPSがスループット最適化HDDよりさらに低くなっています。そのため、コールドHDDはアクセス頻度の低いログデータやバックアップデータの保存に適しています。容量は125GB〜16TBまでの間で設定可能です。
4.EBSの料金
Amazon EBSには無料枠があります。無料枠と通常の料金について紹介します。
4-1.無料枠
EBSの無料枠は以下の範囲となってます。
- ストレージ:30GB
- IOPS(読み書き):200万回
- EBSスナップショットストレージ:1GB
4-2.有料枠
EBSの有料枠は以下のようになっています。(下記の料金は東京リージョンの料金です)
- 汎用 SSD(gp3):1ヵ月あたり0.096USD/GB
- プロビジョンド IOPS SSD(io2):1ヵ月あたり0.142USD/GB
- スループット最適化HDD(st1):1ヵ月に割り当てたストレージあたり0.054USD/GB
- Cold HDD (sc1) ボリューム:1ヵ月に割り当てたストレージあたり1GB あたり0.018USD/GB
- EBS スナップショット(スタンダード):1ヵ月あたり0.05USD/GB
5.さいごに
今回はAmazon EBSについて解説しました。EC2インスタンスを作成する時にほぼ必ずアタッチすることになるEBS。何となくアタッチするだけでなく、それぞれの性能を理解することでその真価を発揮します。用途にあったEBSを選んで良いAWSライフを!
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