未経験でAWS SAPro認定に合格する為にして良かった4つの事

未経験でAWS SAPro認定に合格する為にして良かった4つの事

ENGINEER.CLUB編集部

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先日、AWSの認定資格 Solutions Architect Professional(以下、SAPro)に合格しました。

試験の3ヶ月前まで試験内容も受験方法もわからない状態、しかもAWS業務未経験という条件の中で、AWSの高難易度認定資格を取得できたのは(運も良かったですが)自分に合った勉強方法を見つけ、効率よく学習できたことが大きいと感じています。今回は、SAPro取得のためにやってよかったと感じたことを4つ紹介したいと思います。「AWS認定を取りたいけれど、どうやって勉強すればいいかわからない」「とりあえず参考書を買ったけど、難しくて参考にならない」といった方の一助になればと思います。


1.AWS SAPro認定試験の概要

概要

※2024年4月以降、AWS認定の受験料が改定されます。
参考:https://aws.amazon.com/jp/certification/policies/before-testing/#Exam_pricing

1-1.SAProとは何か?

AWS認定は、Amazon Web Serviceが主催するAWSサービスに関する専門知識を有することを証明する資格です。2024年3月現在、「FOUNDATIONAL(基礎)」「ASSOCIATE(経験者向け)」「PROFESSIONAL(プロ向け)」「SPECIALTY(専門分野)」の4区分13種類の資格があり、SAPro「PROFESSIONAL」に属します。非常に広範囲のAWSサービスに関する知識と、複雑なユースケースに対する課題解決力が必要となり、全試験中でも上位の難易度です。

1-2.SAProの出題範囲

第 1 分野: 複雑な組織に対応するソリューションの設計
  会社組織の構造に見合う権限や制約の付与方法等を問う問題が出題されます。

第 2 分野: 新しいソリューションのための設計
  AWSを用いた現行課題の解決方法等が問われます。

第 3 分野: 既存のソリューションの継続的な改善
  使用中のAWSサービスを改善するための解決方法等を問われます。

第 4 分野: ワークロードの移行とモダナイゼーションの加速
  オンプレミスからAWSに移行する方法等が問われます。

この出題範囲はSAA(AWS Solution Architect Associate)レベルでも同じですが、SAAではシンプルな課題に対する解決策を問われるのに対して、SAProでは1つの複雑なユースケースに対する解決策が問われます。回答も明確ではなく、「これも間違いではないけどこっちのほうがより適切」のように、より正しい回答を選択する必要があります。

1-3.SAProを取得するメリット、取得すべき人

AWSは全世界でもトップのシェアを誇るクラウドサービスです。SAProは複雑で広範囲なAWSサービスに対するソリューションを提供できることを証明する資格なので、これからクラウドエンジニアを目指す人や転職を考えている人にとっては非常に強力なアピールポイントになります。今後のキャリア形成を考える上で、取得しておいて損はない資格です。


2.試験に向けてやってよかったこと4

筆者はAWS関連業務は未経験でしたが、SAProに合格できたのは試験前に有益な情報を入手でき、さらに自分に合った勉強方法を続けられたことが大きな要因だと感じています。ここではSAProの試験前にやってよかったことを4つに分けて紹介させていただきます。

 2-1.CLFSAAを予め受験する

CLF(AWS Certified Cloud Practitioner)AWSの基礎的な理解を証明する認定資格で、SAA(AWS Solution Architect Associate)AWSAWSに対する幅広い知識とスキルを証明する認定資格です。いずれもSAProの下位資格となり、試験難易度もそこまで高くありません。いきなりSAProを受験するのではなく、CLFSAASAProの順に試験を受ける事には2つのメリットがあります。

2-1-1.徐々に出題形式に慣らしていく

CLFもSAAも試験難易度は高くありませんが、出題形式はSAProと同じ(4つの回答から1択 または5つ以上の回答から複数選択)なので、AWS認定試験問題の出題形式に慣れることができます。また、CLFとSAAの出題内容はSAProの出題内容と重複するため、試験勉強の内容が無駄になりません。

2-1-2.受験料が半額になる!

SAProは受験料がかなり高額(300USD=約45,000円)なのですが、CLF、SAAに合格すると、公式から半額バウチャーが貰えます。CLFについてはたまに公式から割引クーポンが配布されることがあるため、タイミングが良ければ100USD(約15,000円)から値引き価格で受験することができます。CLF合格時のバウチャーでSAAを受験SAA合格時のバウチャーでSAProを受験すれば、SAProを半額150USD(約22,500円)で受験することが可能になります。

次は、試験勉強のためにやってよかったサービスの紹介です。

2-2.CloudTechを利用する

参考:https://kws-cloud-tech.com

 CloudTechはAWSに特化した有料のオンライン学習プラットフォームです。AWSの各種サービスを丁寧に解説してくれる動画講座、確認テストを受けることができます。この中で重点的に実施したのは確認テストです。

 2-2-1.豊富な例題と模擬試験

プランによりますが、CloudTechでは数百問ものAWS認定の例題が用意されており、解説も非常に充実しています。本番の試験と類似する問題も複数ありました。業務未経験の私にとって、例題を解き、解説を読み込むことで、ユースケースの経験を積む代わりになったと感じています。模擬試験も本番と同じ問題数、制限時間で受け、結果もすぐ見ることができますので、フィードバックや学習の足りていないサービスの把握に役立てることができます。確認テストを解いていき、分かりづらい点は動画講座を見て学習する、というのが学習パターンでした。

 2-2-2.可能なら断然、買い切り版がお得

CloudTechはいくつかのプランがあり、料金に応じて利用できるサービスが異なりますが、おすすめは買い切りプラン(49,800円)です。C\loudTechのすべてのコンテンツが追加料金なしで利用可能になりますので、他のAWS認定を取得したい場合そちらでも活用することができます。また、AWS認定は3年でライセンスが切れるので、3年後に再受験する必要があります。これからAWSの勉強を始める上では、一定期間ごとに利用料が発生するサブスクリプションプランより、買い切りプランのほうが断然お得です。余裕のある人は是非検討してみてください。

2-3.AWS Skill Builderを利用する

参考:https://skillbuilder.aws/jp

 AWS Skill BuilderはAWS公式のデジタルラーニングプラットフォームです。中にはゲーム感覚でAWSを勉強できるようなコンテンツや、本番同様の環境を実際に触って経験できるラボが充実しています。日本語対応の教材も豊富に揃っていますが、私が一番やってよかったと感じたのは本番同様の形式で受けられる模試です。

2-3-1.本番同様の模試が受けられる

本番同様というのは、出題形式や制限時間は勿論のこと、出題傾向や合否判定まで本番の試験と同じように判定してくれます。模試は1種類しかありませんが、本番の試験前にここで合格判定が出ればかなり自信が付きます。問題の解説もわかりやすく、何回も受けることができますので、繰り返し試験を受ければ知識の補強にも役立てることができます。

2-3-2.自分の得意分野、不得意分野がわかる

AWSの模試を受けた後出てくる結果は、正誤や前述の4つの出題範囲 (複雑な組織に対応するソリューションの設計、 新しいソリューションのための設計、既存のソリューションの継続的な改善、ワークロードの移行とモダナイゼーションの加速)でフィルタリングすることができます。模試結果にて、自分がどの分野が良く正解できていて、どの分野があまり解けていないかを把握することができるのです。自分自信の得手不得手が分かってから、ここで挙げたような学習サイトや書籍等を利用したことで、効率的に学習ができたと感じています。

2-4.AWS Black Beltで情報収集する

参考:https://www.youtube.com/playlist?list=PLzWGOASvSx6FIwIC2X1nObr1KcMCBBlqY

 AWS Black Beltは、正式には「AWS Black Belt Online Seminar」と言い、AWS公式のYoutubeチャンネルで視聴できるオンラインセミナー動画集です。様々なAWSサービスについての情報を得ることができます。公式の情報なので勿論正確で、AWS認定の勉強だけでなく、現在AWSのエンジニアとして働いている人も情報収集のために利用しています。

 2-4-1.無料で隙間時間に知識の補充ができる

AWS Black BeltはYoutubeで無料公開されているため、誰でも、いつでもアクセスすることができます。通勤時間等を使って勉強するのがおすすめです。私のAWS Black Belt利用方法は、まず前述のAWS Skill Builder模試で自分自身の苦手な分野やよく分かっていなかったサービスを洗い出し、その内容をAWS Black Beltで学習して知識の補充をはかっていました。AWS Black Beltも動画数がかなり多く、現在も追加され続けているため、一から順に見ていくよりもポイントを絞って視聴するほうが効率的です。

2-4-2.(番外)参考書も知識の補強に使う

私はオンライン教材をメインで使って勉強していましたが、AWS認定取得のための参考書や問題集も補助的に利用していました。使い方はAWS Black Belt同様、まずはオンラインで問題集を解いて苦手な分野やサービスを洗い出してから、書籍でサービスの詳細な内容を確認する、というように、辞書のような形で使っていました。ただ参考書を読むだけではなかなか頭に入ってきませんでしたが、オンラインの教材と組み合わせることで、知識の吸収力がかなり違った事は実感しています。


3.試験中の心構え

ここでは、AWS認定試験本番での動きと心構えについて説明させていただきます。試験難易度としてはかなり難しいと思います。AWSのほぼすべてのサービスが出題対象であることに加え、こちらのサンプル問題(https://d1.awsstatic.com/ja_JP/training-and-certification/docs-sa-pro/AWS-Certified-Solutions-Architect-Professional_Sample-Questions.pdf)レベルのボリュームの問題文・回答が75問続きます。試験時間は3時間とかなりの長時間ですが、それでも時間が足りなくなってきます。

3-1.得意な問題から解いていく

試験開始後、分からない問題にゆっくり悩んでいると最後まで解く前に時間切れになってしまいます。頭から問題を解いていくのではなく、1周目はぱっと見て解けそうな問題なら回答し、分からない問題はチェックをつけて後回しにしましょう。2周目で回答済問題の見直しをしつつ、落ち着いて分からない問題に取り組むようにすれば、最後まで手が回らずに正答率を落とすリスクを減らすことができます。

3-2.体力と根性は必須

上記サンプル問題を見て頂ければわかる通り、問題文だけで10行近くあり、内容も複雑で読むだけでもかなりの労力を要します。それが75問続くので、試験終了後はぐったりしてしまいます。試験中に疲れてしまって集中力を切らさないためにも、あらかじめ模試を繰り返し解く等して長文に慣れるとともに、体力と根性をつけておきましょう。

3-3.最後まで諦めない

SAProの試験問題は、75問中10問がダミー問題で、採点対象外の問題が混ざっています。これは今後採点対象の設問として使用できるかどうかを評価するためですが、裏を返せば10問は間違っていてもスコアに影響しない可能性があるのです。試験中に分からない問題が多くても最後まで諦めず、回答を進める事が肝心です。


4.最後に

SAProの試験はかなり難しい内容だと感じましたが、「とにかくいっぱい設問を解く」勉強方法のおかげで手応えを感じられる設問も複数あり、何とか1回目のチャレンジで合格することができました。業務未経験でも勉強方法によっては取得可能な資格ですので、これからSAPro取得を目指す方が自分にあったサービスや勉強方法を見つけるための参考になれば幸いです。

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