AWS認定試験とは?AWS認定試験の種類や難易度、勉強方法を解説!
「AWSの試験って何があるの?」、「初心者はどの試験から受けるべき?」など疑問を持つ方は多いと思います。本記事では、「AWS認定試験とは何か」ということから11種類の認定試験内容の解説、初心者におすすめの試験と勉強方法などをご紹介します。
目次
1.AWS認定試験とは
AWS(Amazon Web Service)は、人気の高いクラウドサービスのひとつです。そのAWSにも運営会社のAmazon社が主催している公式な資格が存在します。AWS認定試験を受けるメリットは、下記が挙げられます。
- 資格勉強をしながらAWSの知識を学べる
- 専門知識を持っていることの証明になる
今後ますますクラウドサービスの導入が進む中、AWSのスキルは需要が高まっています。AWSの知識を学ぶ上で資格取得という目標に向け体系立てて勉強することは、知識を身に着けるうえで効率的です。また、AWSのスキルを持つ技術者を求める企業が多いため、AWSの知識を持っていることを証明する資格を所有することは就職や転職をするうえでも有利になります。
2.11種類のAWS認定試験の内容(概要、試験時間、試験形式、合格基準、受験料)
AWSの資格は11種類存在します。その中でも6つの資格が基礎レベル、アソシエイトレベル、プロフェッショナルレベルの3段階に分かれています。残りの5つはそれぞれの専門分野ごとに分かれています。各資格合格後の有効期限はいずれも3年までとなっています。再認定は有効期限内に再度受験して合格することが条件です。また、試験方法はいずれもテストセンターでの受験、またはオンライン受験の2種類が存在します。
参考:AWS認定について
https://aws.amazon.com/jp/certification/?origin=free-lance-aws-certification-kinds-level
2-1.基礎レベル
基礎レベルには、クラウドプラクティショナーの資格が存在します。
2-1-1.クラウドプラクティショナー
クラウドプラクティショナーは、AWSの基礎的な知識を問われる資格です。難易度は全資格の中で最も低く、AWS公式でも特に事前の経験は必要ないと説明されています。そのため、初めてAWSについて学ぶ方やIT未経験の方にもおすすめの試験です。
試験の試験時間、試験形式、合格基準、受験料は下記となります。
引用:AWS Certified Cloud Practitioner
https://aws.amazon.com/jp/certification/certified-cloud-practitioner/?ch=sec&sec=rmg&d=1
2-2.アソシエイトレベル
アソシエイトレベルには、ソリューションアーキテクト(アソシエイト)とデベロッパー、SysOpsアドミニストレーターの3つが存在します。
2-2-1.ソリューションアーキテクト(アソシエイト)
ソリューションアーキテクト(アソシエイト)は、幅広いAWSの知識とスキルを求められます。AWS公式ではコーディングの深い実務経験は不要とありますが、基本的なプログラミングの概念に精通していると有利だと説明されています。この資格は、クラウドプラクティショナーの資格を既に取得している方、またはある程度IT経験やAWSに触れたことがある方におすすめの資格です。
◇AWS公式で受験時にあると良いとされている経験やスキルの詳細
- AWS テクノロジーに関する経験。
- オンプレミス IT の経験、オンプレミスとクラウドの理解。
- 他のクラウドサービスでの業務経験。
試験の試験時間、試験形式、合格基準、受験料は下記となります。
引用:AWS Certified Solutions Architect – Associate
https://aws.amazon.com/jp/certification/certified-solutions-architect-associate/?ch=sec&sec=rmg&d=1
2-2-2.デベロッパー
デベロッパーは、AWS開発者を対象とする資格です。主にAWSを利用したクラウドベースのアプリケーションの開発、デプロイ、デバッグおよびサーバーレスアプリケーションのコードの記述についての知識が問われます。この資格は、既に業務などでプログラミング言語を用いて開発経験がある方にお勧めの資格です。
◇AWS公式で受験時にあると良いとされている経験やスキルの詳細
- 少なくとも 1つ以上のプログラミング言語の深い知識を持つ開発者として勤務した経験。
- AWS テクノロジーに関する経験。
- オンプレミス IT の経験、オンプレミスとクラウドの理解。
- 他のクラウドサービスでの業務経験。
試験の試験時間、試験形式、合格基準、受験料は下記となります。
引用:AWS Certified Developer – Associate
https://aws.amazon.com/jp/certification/certified-developer-associate/?ch=sec&sec=rmg&d=1
2-2-3.SysOpsアドミニストレーター
SysOpsアドミニストレーターは、AWSの運用担当者を対象とする資格です。セキュリティとネットワークの適切な運用知識を求められます。この資格は、既に業務などでクラウドサービスに触れている方や、セキュリティ業務経験のある方にお勧めの資格です。
◇AWS公式で受験時にあると良いとされている経験やスキルの詳細
- システム管理者としての業務経験。
- AWS テクノロジーに関する経験。
- オンプレミス IT の経験、オンプレミスとクラウドの理解。
- 他のクラウドサービスでの業務経験。
※こちらの資格は、試験の評価及び改善のため2023年3月以降から一時的に試験に含まれておりません。変更後は、試験形式は全65問、単一または複数選択、試験時間は130分となる予定だとアナウンスされています。
引用:AWS Certified SysOps Administrator – Associate
https://aws.amazon.com/jp/certification/certified-sysops-admin-associate/?ch=sec&sec=rmg&d=1
2-3.プロフェッショナルレベル
プロフェッショナルレベルには、ソリューションアーキテクト(プロフェッショナル)とDevOpsエンジニアの2つが存在します。いずれも実務経験が2年以上の方にお勧めの資格です。
2-3-1.ソリューションアーキテクト(プロフェッショナル)
ソリューションアーキテクト(プロフェッショナル)は、設計者を対象とする資格です。アソシエイトレベルのソリューション試験の上位版となっています。この資格は、アソシエイトレベルのソリューションアーキテクトの資格を既に持っている方や、最低でも2年以上AWSでシステム設計経験がある方にお勧めの資格です。
◇AWS公式で受験時にあると良いとされている経験やスキルの詳細
- 複雑な構成の設計。
- セキュリティ、コスト、パフォーマンスの最適化、手動プロセスの自動化に関する高度な知識。
試験の試験時間、試験形式、合格基準、受験料は下記となります。
引用:AWS Certified Solutions Architect – Professional
https://aws.amazon.com/jp/certification/certified-solutions-architect-professional/?ch=sec&sec=rmg&d=1
2-3-2.DevOpsエンジニア
DevOpsエンジニアは、AWSの開発者や運用の担当者を対象とする資格です。AWSのプラットフォーム上の分散アプリケーションシステムのプロビジョニング、運用、管理に関する知識が求められます。この資格は、最低でも2年以上AWSで開発や運用経験がある方にお勧めの資格です。
◇AWS公式で受験時にあると良いとされている経験やスキルの詳細
- 少なくとも 1つ以上のプログラミング言語でのコード開発経験。
- 最新の開発および運用のプロセスに対する理解。
- セキュリティ管理、ガバナンスプロセス、コンプライアンス検証の理解、実装、および自動化する能力。
試験の試験時間、試験形式、合格基準、受験料は下記となります。
引用:AWS Certified DevOps Engineer – Professional
https://aws.amazon.com/jp/certification/certified-devops-engineer-professional/?ch=sec&sec=rmg&d=1
2-4.専門知識認定
専門知識認定は、Data AnalyticsとSAP on AWS、Machine Learning、Security、Database、Advanced Networkingの5つの専門知識に関する資格が存在します。いずれもAWSの2年以上の実務経験に加え、各分野の5年以上の実務経験を持つ方にお勧めの資格です。
2-4-1.Data Analytics
Data Analyticsは、データ分析エンジニアを対象とする資格です。AWS のサービスを活用した分析ソリューションの設計、構築、セキュリティ強化、保守に関する経験と専門知識が求められます。この資格は、データ分析分野で5年以上、かつAWSでのデータ分析経験が2年以上の方にお勧めの資格です。
◇AWS公式で受験時にあると良いとされている経験やスキルの詳細
- 一般的なデータ分析分野における 5 年間の経験。
- AWS のサービスを使用して分析ソリューションを設計、構築、保護、保守する実践的な2年以上の経験と専門知識。
- AWSのデータ分析サービスでのデータライフサイクルの収集、保管、処理、および可視化についての知識。
試験の試験時間、試験形式、合格基準、受験料は下記となります。
引用:AWS Certified Data Analytics – Specialty
https://aws.amazon.com/jp/certification/certified-data-analytics-specialty/?ch=sec&sec=rmg&d=1
2-4-2.SAP on AWS
SAP on AWSは、SAP社が提供するビジネス向けソフトウェア「SAP」とAWS両方の経験者が対象となっています。この資格は、SAPに精通している5年以上の経験者、かつ1年以上のSAP on AWS での作業経験がある方にお勧めの資格です。
◇AWS公式で受験時にあると良いとされている経験やスキルの詳細
- 5 年以上の SAP 経験。
- 1 年以上の SAP on AWS での作業経験。
試験の試験時間、試験形式、合格基準、受験料は下記となります。
引用:AWS Certified: SAP on AWS – Specialty
https://aws.amazon.com/jp/certification/certified-sap-on-aws-specialty/?ch=sec&sec=rmg&d=1
2-4-3.Machine Learning
Machine Learningは、開発またはデータサイエンティストを対象とする資格です。この資格は、機械学習/深層学習の経験が5年以上、かつAWSでの機械学習/深層学習の経験が2年以上ある方にお勧めの資格です。
◇AWS公式で受験時にあると良いとされている経験やスキルの詳細
- AWSクラウドでの 機械学習/深層学習ワークロードの開発、設計、実行における、最低 2年の実務経験。
- 基本的な 機械学習アルゴリズムの基となる考えを表現する能力。
- 機械学習および深層学習のフレームワークに関する経験
試験の試験時間、試験形式、合格基準、受験料は下記となります。
引用:AWS Certified Machine Learning – Specialty
https://aws.amazon.com/jp/certification/certified-machine-learning-specialty/?ch=sec&sec=rmg&d=1
2-4-4.Security
Securityは、AWSのセキュリティエンジニアを対象とする資格です。この資格は、ITセキュリティの設計と実装経験が5年以上、かつAWSでのセキュリティ保護経験が2年以上の方にお勧めの資格です。
◇AWS公式で受験時にあると良いとされている経験やスキルの詳細
- ITセキュリティの設計と実装における、最低5年以上の経験。
- AWSでのセキュリティ保護における、最低2年以上の経験。
- AWS クラウドにおけるセキュリティソリューションの作成と実装に関する知識。
試験の試験時間、試験形式、合格基準、受験料は下記となります。
引用:AWS Certified Security – Specialty
https://aws.amazon.com/jp/certification/certified-security-specialty/?nc1=h_ls
2-4-5.Database
Databaseは、AWSのデータベース技術者を対象とする資格です。この資格は、一般的なデータベーステクノロジー分野での5年以上の経験、かつAWSでのデータベースに関する2年以上経験がある方にお勧めの資格です。
◇AWS公式で受験時にあると良いとされている経験やスキルの詳細
- 一般的なデータベーステクノロジー分野における 5 年間の経験。
- オンプレミスと AWS クラウドベースでの、データベースに関する2年間の実践的な経験と専門知識。
- AWS データベースサービスの各主要機能と、それぞれの違いの知識。
試験の試験時間、試験形式、合格基準、受験料は下記となります。
引用:AWS Certified Database – Specialty
https://aws.amazon.com/jp/certification/certified-database-specialty/?ch=sec&sec=rmg&d=1
2-4-6.Advanced Networking
Advanced Networkingは、AWSを活用したネットワーク環境を構築する知識を認定する資格です。この資格は、ネットワーク構築における5年以上の経験、かつAWSでのネットワーク構築に関する2年以上の経験がある方にお勧めの資格です。
◇AWS公式で受験時にあると良いとされている経験やスキルの詳細
- ネットワーク構築における5年以上の経験。
- 最良のAWSセキュリティの実施方法の知識。
- AWSを活用したネットワーク環境を構築する高度な知識。
試験の試験時間、試験形式、合格基準、受験料は下記となります。
引用:AWS Certified Advanced Networking – Specialty
https://aws.amazon.com/jp/certification/certified-advanced-networking-specialty/?ch=sec&sec=rmg&d=1
3.初心者向けおすすめ試験と勉強方法
まず初心者が最初にAWSの資格を取得する際には、「クラウドプラクティショナー」の資格から始めることをおすすめします。AWS認定試験の中では最も難易度が低く、勉強する中でAWSの基礎的な知識をまんべんなく学ぶことができます。クラウドプラクティショナーの勉強方法としては、下記がお勧めです。
・AWSの公式サイトのAWS Skill Builderの活用
AWSの公式サイトでは受験者向けに「AWS Skill Builder」というものが用意されています。各試験のサンプル問題集や練習問題、試験範囲の動画解説があるため、まずはこちらで試験範囲を1周するのがお勧めです。これらの勉強時間としては約3週間が目安となります。
・Udemyの問題集の活用
Udemyで公開されている「この問題だけで合格可能!AWS 認定クラウドプラクティショナー 模擬試験問題集(7回分455問)」というタイトルの問題集がお勧めです。こちらでは間違えた問題を中心に解説を読みながら理解を深めていきます。最終的には8~9割程度正解できるようになると良いと思います。これらの勉強時間としては約2~3週間が目安となります。
4.最後に
今後クラウドサービスの需要が高まるにつれ、AWSのスキルも需要が高まってきます。是非、AWSの認定試験に挑戦し、スキルアップを目指してみてください!
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