
Microsoft Certified Azure Security Engineer Associateとは?取得難易度や勉強方法
近年、サーバーエンジニアであれば、誰もが耳にする「クラウド」。クラウドサービスにおいて、Microsoft 社が提供する「Microsoft Azure」に携わっている方も多いかと思います。また、「Microsoft Azure」に関連する認定試験も存在し、「難易度:中級」かつ「Azureのセキュリティ機能全般」を問われる認定資格が「Microsoft Certified Azure Security Engineer Associate」となります。筆者も2023年6月にこの資格試験を受験し、無事、合格できました。今回、この資格を取得するために取り組んだ「計画」→「実践」について記載いたしますので、皆さんの一助となれば幸いです。
目次
1.Microsoft Certified Azure Security Engineer Associateとは
1-1.本資格概要
Microsoft Azure各項目におけるセキュリティ機能全般を問われる資格となります。例として各種ID(アカウント)及びパスワード、リソース(仮想マシン、仮想ネットワーク、ストレージ等)へのアクセス権・監視等があります。
1-2.試験難易度
Microsoft Azure認定試験の中で「Associateレベル」として公開されており、「難易度:中級」に分類されます。尚、同レベルの代表的資格として「Microsoft Certified Azure Administrator Associate」がありますが、これと「Microsoft Certified Azure Security Engineer Associate」は試験構成及び難易度の感覚が非常に近いです。
初級 | 中級 | 上級 |
Microsoft Certified Azure Fundamentals | Microsoft Certified Azure Administrator Associate | Microsoft Certified Azure DevOps Engineer Expert |
Microsoft Certified Azure Developer Associate | ||
Microsoft Certified Azure Security Engineer Associate | Microsoft Certified Azure Solutions Architect Expert |
表1-2.1 Microsoft Azure認定試験難易度
1-3.本資格取得におけるメリット
正直、本資格取得における絶対的なメリットはありません。企業で資格取得を推奨している、資格取得に伴い手当が支給される、他の資格と合わせて取得し、自身の努力・勤勉さをアピールすることが資格取得を目指す理由になると思います。また、本資格に関する知識・技術につきましても実務で充分、身につけることが可能です。
2.試験合格のために ~計画編~
2-1.受験日を先に決定
まず、受験日を先に決めてください。理由は、「学習を進めて行き、試験合格の自信が持ててから受験申し込みをしよう」というスタンスで学習を進めても受験予定日がどんどん先延ばし(場合によっては受験もせずに終了)となるからです。「受験日を先に決め、試験申し込みをなるべく早めに行う」が大切となります。これにより危機感・緊張感を持ち学習を進めることができます。
2-2.目標点数を設定
試験合格点が700点(満点は1000点)ですが、試験で何点(あるいは何割の回答正解率)を目指すか決めてください。理由は、例えば「850点」を目標点数として掲げると本試験において予想外の問題が出題されることを考慮し、「模擬試験で95%以上の正解率となるまで学習を繰り返す」等の対策を立てて学習を進めることができるためです。
2-3.参考書を選定
「Microsoft Azure セキュリティ テクノロジ[AZ-500]合格教本」をお薦めします。理由は、試験に関する重要キーワードの具体的な説明や強調表示、図表による解説等、試験に関する重要な情報が理解しやすく整理され記載されているためです。
2-4.本試験対策(模擬試験を選定)
「Udemy」より「AZ-500 Azure Security Technologies 模擬問題集」を強くお薦めします。理由は、有料ですが、1度購入すれば、無期限で繰り返し学習できること、本試験に類似した問題が多数出題されること、各問題の解説が丁寧であるため、この問題で繰り返し学習し、解説まできちんと理解できれば本試験も確実に合格できる内容だからです。また、筆者がMicrosoft Azure認定試験初級者向け資格である「Microsoft Certified Azure Fundamentals」及び中級者向け資格の1つである「Microsoft Certified Azure Administrator Associate」を取得した時も「Udemy」の模擬問題集を選び合格できた実績もあります。
・AZ-500 Azure Security Technologies 模擬問題集
https://www.udemy.com/course/az-500-azure-security-technologies/
2-5.1日あたりの学習時間を決定
「毎日最低30分以上(毎日1時間以上を推奨)学習」を目標としてください。理由は、本資格の試験問題は「暗記・理解」を求めるオーソドックスな試験だからです。細かい項目を多数、暗記・理解する必要がありますが、毎日コツコツと学習することで確実に身につけることができます。
3.試験合格のために ~実践編~
3-1.参考書を繰り返し(最低5回以上)読み込む
「2-3. 参考書を選定」で紹介した繰り返し(最低5回以上)読み込んでください。理由は、「2-5. 1日あたりの学習時間を決定」にも記載しておりますが、本資格の試験問題が「暗記・理解」を求めるタイプであるためです。反復学習が合格への近道となりますので、これを心がけてください。
3-2.Udemyの模擬試験で正答率100%を目指す
「2-4. 本試験を意識した対策(模擬試験を選定)」で紹介した「Udemy」による模擬試験で正答率100%を目指してください。また、模擬試験の解説もきちんと理解してください。理由は、これを達成することで本試験の40%~50%をカバーできるためです。また、金銭面及び学習時間確保に余裕がある方は「Udemy」の「AZ-104:Microsoft Azure Administrator模擬試験問題集」を学習することをお薦めします。理由は、こちらと「Microsoft Certified Azure Security Engineer Associate」本試験の問題形式が非常に近いこと、「Microsoft Certified Azure Administrator Associate」の知識も「Microsoft Certified Azure Security Engineer Associate」資格取得に活かせるためです。
・AZ-104:Microsoft Azure Administrator模擬試験問題集
https://www.udemy.com/course/az-104azure-administrator-associate/
3-3.総仕上げ
模擬試験での学習をメインとし、不明点・知識不足等について参考書で確認という形で進めてください。理由は、総仕上げの段階では模擬試験による学習をメインとしたほうが、本試験に対するイメージや本試験前のモチベーションを保つうえでメリットが高いからです。
4.試験合格のために ~試験直前及び試験当日~
4-1.試験直前に確認すべきこと
(1)試験詳細について
本試験の問題形式(3フェーズ存在)及びルールを把握しておいてください。理由は、ケアレスミスによる減点を回避するためです。問題形式は以下の通りです。
- 問題文に対して正しい答えを1つまたは複数選択する形式。
- 問題文の内容正しいか否か「はい」か「いいえ」で回答する形式。
- 長文読解(架空企業のケーススタディに関する問題)が示され、数問出題及び回答する形式。
注意点は、上記①及び③は次フェーズに進む前の回答見直し及び修正のみ実施できること、上記②については、回答見直し及び修正が一切行えないことの2点です。
(2)長文読解(架空企業のケーススタディに関する問題)について
もし、時間及び金銭的な余裕がある場合、「3-2. Udemyの模擬試験で正答率100%を目指す」で紹介した模擬試験(Udemy)「AZ-104:Microsoft Azure Administrator模擬試験問題集」の長文読解(架空企業のケーススタディに関する問題)を確認することをお薦めします。理由は、「2-4. 本試験対策(模擬試験を選定)」で紹介した「AZ-500 Azure Security Technologies 模擬問題集」にはこのタイプの問題が用意されていないため、前者の長文読解問題の形式を把握し、試験当日の時間配分をシミュレーションできるためです(「4-1. 試験直前に確認すべきこと – (1) 試験詳細について」で記載したことがより具体的にイメージできます)。
(3)試験経験者のコメント、アドバイスを確認
インターネットで本試験経験者のコメント、アドバイスを試験直前に確認することをお薦めします。理由として経験者のコメント、アドバイスを確認することで、試験直前で再度、重点的に学習すべきことや試験当日に対する事前イメージが行えるためです。筆者がこれまで記載した内容以外の情報も多数あり、これから受験するにあたりプラスとなる情報が必ずあるはずです。
4-2.試験当日に注意すべきこと
「問題数と時間配分」に注意してください。理由は、「4-1. 試験直前に確認すべきこと – (1) 試験詳細について」で記載した各問題形式における問題数につきまして、多少変動があるためです。参考ですが、この項目で記載した問題形式①~③において、問題形式②、③はそれぞれ5問前後出題され、残りは全て問題形式①となります。この点を抑え、試験当日の時間配分をコントロールしてください(特に問題形式③の時間配分に注意してください)。
5.さいごに
「2-3. 参考書を選定」で紹介した以外の参考書がいくつかありますが、自身の好みに合う参考書を選んで頂いても問題無いです。ただし、参考書は1冊です。2冊以上の参考書で読み込みが浅くなるより、1冊の参考書で繰り返し学習することを心がけて頂くことが大切です。また、「2-4. 本試験対策(模擬試験を選定)」で紹介した模擬試験(Udemy)は強くお薦めしますが(「3-2. Udemyの模擬試験で正答率100%を目指す」にも記載しておりますが、本試験40%~50%をカバーできました)、より確実な合格を目指したい場合、もう1種類別の模擬試験を活用しても良いと思います。尚、参考書のみでは、本試験対策としてやや弱いため、あまりお薦めしません。筆者が本記事で紹介した参考書及び模擬試験がベストに近いと断言することはできませんが、「参考書及び模擬試験の両方で学習する」ことが本試験対策としてベストに近いはずです。学習における費用負担が少し多くなりますが、確実に資格を取得するため、ぜひ、この組み合わせで取り組んでください。
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